ディセンバー・ボーイズ : 新作映画評論

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新作映画評論

ディセンバー・ボーイズ ディセンバー・ボーイズ 12月1日よりサロンパス・ルーブル丸の内ほかにてロードショー

ダニエル・ラドクリフがつっぱりながらも揺れる心を繊細に表現

画像1(C) 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

大人への階段を登った「おもいでの夏」を、ノスタルジーいっぱいに描き出した思春期映画。「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフが意欲満々で取り組んだ、初の「非ハリポタ」映画である。

回想による語り口は、もろに「スタンド・バイ・ミー」風。同じくカトリック系孤児院少年たちの厳しい現実を描いた「イノセント・ボーイズ」とは違い、実に素直で牧歌的だ。まず設定が生きている。オーストラリアの田舎で育った孤児たちはこっそりタバコを吸ったりはするものの、刺激が何かも知らない。家族を渇望しながら養子縁組から落ちこぼれた彼らは、まさにイノセント。だからこそ、初めて海辺でバカンスを過ごす彼らの「見るものすべてがキラキラして見えた夏の風景」を、見る側も素直に受け取れるのだ。

やがて少年たちはある夫妻の養子の座をつかもうと、涙ぐましいレースを開始。このへんの争い方も、ほほえましく罪がない。ただ一人、年上のマップス(ダニエル)だけは、幼い弟分たちにその座を譲る分別を見せ、美少女とのアバンチュールを体験する。ダニエル君、この役には少々スネ毛濃すぎ(育ちすぎ)ではあるが、つっぱりながらも揺れる心、胸のドキドキが聞こえてきそうな初体験、そして友情を繊細に演じてよし。少年たちそれぞれの個性が話に絡めばもっとよかったとは思うのだが、真っ正面から「あの夏」への甘い感傷で胸を満たそうとするラストも、嫌いになれないなあ。

若林ゆり

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ABOUT THE MOVIE

  • ディセンバー・ボーイズ 画像2
  • ディセンバー・ボーイズ
  • 「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフ主演による青春ドラマ。1960年代のオーストラリア。孤児院で育てられたマップス、スパーク、ミスティー、スピットの4人は、いつか優しい家族に引き取られることを夢見ていた。12月の夏休みを海辺の村で過ごすことを許された4人は、そこで子供のいない夫婦と親しくなる。少年たちは夫婦が4人の内の1人を養子に迎えようと考えていることを知り、彼らの気を引こうと躍起になるが……。
  • 原題:
    December Boys
    監督:
    ロッド・ハーディ
    脚本:
    マーク・ローゼンバーグ
    製作総指揮:
    ジョナサン・シュタインマン
    製作:
    リチャード・ベッカー
    原作:
    マイケル・ヌーナン
    撮影:
    デビッド・コネル
    美術:
    レスリー・ビンズ
    出演:
    ダニエル・ラドクリフ、クリスチャン・バイヤーズ、リー・コーミー、ジェームズ・フレイザー、サリバン・ステイプルトン、ビクトリア・ヒル、ジャック・トンプソン、テレサ・パルマー
    製作国:
    2007年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間45分
    配給:
    ワーナー・ブラザース映画
  • 12月1日よりサロンパス・ルーブル丸の内ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

ディセンバー・ボーイズ

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