椿三十郎(2007) : 新作映画評論

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椿三十郎(2007)

劇場公開日 2007年12月1日
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椿三十郎(2007) 12月1日より日劇3ほかにてロードショー

黒澤明の偉大さを改めて思い知らされる

画像1(C)2007「椿三十郎」製作委員会

結果的に、オリジナル版の名脚本をいじらずに撮影したことが成功の秘訣となった。黒澤映画の魅力は第一にスジである。日本映画最高最強の脚本家たち(菊島隆三・小国英雄・黒澤明)が徹頭徹尾面白くしようとアイデアを出し合った痛快無比の珠玉のホンは、共同脚本のメソッドの賜物でもあるからだ。

おまけに、森田芳光監督はガス・バン・サント監督の「サイコ」(98)ほどではないが、カット割りまで似せているのだ。「一スジ(物語)、二ヌケ(映像)、三ドウサ(演技)」という言葉があるが、三船敏郎VS織田裕二、仲代達矢VS豊川悦司から、小林桂樹VS佐々木蔵之介、伊藤雄之助VS藤田まことまで、“演技”を心ゆくまで比較して見ることができる。第一、物語が面白いのだ。これなら、黒澤監督版を見るきっかけにはなるだろう。リメイクの正しいあり方ではなかろうか。

森田版「椿三十郎」に無いものは、メリハリの効いた映画独特のリズムだろう。黒澤版はもっと緩急自在で、全てのプロットが物語に抑揚を成している。20人ほどを三十郎が斬りまくる大殺陣(馬肉を使った効果音がすごい)や、椿の花がドバッと流れる場面(ウグイスの声が典雅なムードを醸し出す)など、見せ場でのイメージの力強さにきりきり舞いさせられてしまう。黒澤版の偉大さを改めて思い知らされるという意味で、これほど素晴らしいリメイク作品はない。

佐藤睦雄

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ABOUT THE MOVIE

  • 椿三十郎(2007) 画像2
  • 椿三十郎(2007)
  • 黒澤明と三船敏郎の黄金コンビによる傑作時代劇を、織田裕二主演でリメイク。黒澤らの手によるオリジナル脚本を基に、森田芳光監督がメガホンを取る。上級役人の汚職を暴くため、社殿で密議を行っていた9人の若侍。ところが逆に黒幕が仕掛けた罠にはまり窮地に陥ってしまう。そんな彼らを救ったのは、偶然そこに居合わせたひとりの浪人だった。椿三十郎と名乗るその男は、若侍たちに協力することになり……。三十郎の好敵手・室戸半兵衛役に豊川悦司。
  • 監督:
    森田芳光
    脚本:
    菊島隆三、小国英雄、黒澤明
    製作総指揮:
    角川春樹
    原作:
    山本周五郎
    撮影:
    浜田毅
    音楽:
    大島ミチル
    出演:
    織田裕二、豊川悦司、松山ケンイチ、鈴木杏、村川絵梨、佐々木蔵之介、風間杜夫、西岡徳馬、小林稔侍、中村玉緒、藤田まこと
    2007年日本映画/1時間59分
    配給:
    東宝
  • 12月1日より日劇3ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)2007「椿三十郎」製作委員会

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