マザー・テレサ

劇場公開日:

解説

貧困と飢えに苦しむ人々のため、87年の生涯を捧げた伝説の修道女マザー・テレサの人生を映画化。テレサを演じるのは、「ロミオとジュリエット」で世界を魅了したオリヴィア・ハッセー。監督はイタリアでTVを中心に活躍するファブリツィオ・コスタ。

2003年製作/116分/イタリア
原題:Madre Teresa
配給:東芝エンタテインメント
劇場公開日:2005年8月13日

ストーリー

1946年、インドのカルカッタ。カトリックの女子校で教鞭をとっていたマザー・テレサ(オリビア・ハッセー)は、イスラム教徒とヒンズー教徒の抗争に巻き込まれて負傷した者を校内に入れて手当したことから、修道院長(ラウラ・モランテ)と対立。ダージリンへの転任命令を受ける。その途上で行き倒れになった男と出会い、「私は渇く」と言う彼の言葉の中に、神の声を見出す。命令に背いてカルカッタに舞い戻った彼女は、「私の居場所は修道院の中ではありません。最も貧しい人々のところです」と言って、修道会に院外活動の許可を求める。得られた回答は、「院外活動をしたいなら一市民に戻れ」というものだったが、マザー・テレサの熱意を汲んだエクセム神父(ミハエル・メンドル)の口添えによって、決定はバチカンの手にゆだねられることになった。「これが神の望みであれば、必ず実現する」。そう信じるマザー・テレサは、バトナで医療と薬学の実地訓練を受けながら、バチカンからの返事をじっと待ち続けた。やがてバチカンから送られてきたのは、院外活動の許可を伝える手紙だった。晴れて町へ出ることを許されたマザー・テレサは、新しい修道服である白い木綿のサリーに身を包み、貧困にあえぐ人々が住むストリートでの活動を開始した。子供たちに配る食糧を手に入れるため、市場で物乞い同然のことをするマザー・テレサの姿に、眉をひそめる修道院長。しかし、いっぽうには、彼女の活動を応援する者たちもいた。ヴァージニア(イングリッド・ルビア)をはじめとするかつての教え子たちだ。彼女たちボランティアの手を借りながら、マザー・テレサは、病人や孤児の世話をするための施設をこつこつと作り上げていく。4年後。修道会に属しながらの活動に限界を感じたマザー・テレサは、新しい教団“神の愛の宣教者会”を作りたいとエクセム神父に申し出る。それに応じてバチカンからやって来たのが、セラーノ神父(セバスティアーノ・ソンマ)だった。カルカッタに到着した彼は、さっそくマザー・テレサに会おうとするが、当の彼女の前には、すぐに解決しなければならない難問が山積みの状態だった。寺院を改装して開設した“死を待つ者の家”に対する地元住民の猛抗議。孤児院の違法性を主張し、閉鎖を求める役所の命令。そのひとつひとつに、誠意と情熱で立ち向かっていくマザー・テレサ。しかし、それを知らないセラーノ神父は、なかなか自分に会おうとしない彼女を尊大な人間だと思いこみ、バチカンに否定的な報告を送ろうとする。が、実際、彼の前に現れたマザー・テレサは、尊大さのかけらもない人物だった。「私は、神が手に持つペンにすぎないのです」と語るマザー・テレサの無私無欲な姿勢に、深い感銘を受けるセラーノ神父。彼は自らもその地にとどまり、マザー・テレサのかたわらで同じ道を歩もうと決意する。1965年。教団の活動がますます活発になっていくなかで、マザー・テレサはハンセン病患者のための“平和の村”を建設する計画に着手する。これに対しては、「マザーのせいで、カルカッタに不幸と貧困のレッテルが貼られてしまった」と、インド国内から多くの批判の声があがったが、それが大々的に報じられたことにより、世界各国から多くの寄付金が寄せられるようになった。「神が望めば資金は集まる。神が望まなければあきらめる」と、いつものように粘り強く、精力的に、資金の調達と計画の推進に走り回るマザー・テレサ。書類の不備によって建設計画が頓挫しかけたとき、彼女はバチカンに乗り込み、教皇に直談判することもした。その努力が実り、村の建設はようやく再開にこぎ着けたものの、完成までの道のりには予想外の困難がつきまとうのだった。

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映画レビュー

3.0なんでもかんでも神が、神の…と無神論者気味な私からしたら神と言った...

2021年12月28日
iPhoneアプリから投稿

なんでもかんでも神が、神の…と無神論者気味な私からしたら神と言ったらなんでも罷り通るんかと厚かましく感じる場面もあれど、
人への施しがある時々に我が身に返ってきてるのを見ると確かに彼女が信じた道は正しかったのだと感じるし、このくらいの気骨がなけりゃノーベル賞もらうまでにならへんかとも納得する
映画はマザーテレサがインド、カルカッタで成した功績をベースにどんだけ徳の高い人かという流れで進む感じ

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こな

3.0マザーテレサって偉大すぎて具体的にはどんな偉業を成し遂げた人なのか...

2021年9月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

マザーテレサって偉大すぎて具体的にはどんな偉業を成し遂げた人なのか、実はあまり知らなかった。この作品では結構押しが強く、図太い性格に描かれてる。イメージと違うなーと思ったけど、よく考えたらこういうこと成し遂げるからには人並み以上の強さがあって然るべきだよねと思った。

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原っぱ

3.0 ジュリエットを演じ、聖母マリアを演じ、マザー・テレサを演じたオリビア・ハッセー。特殊メイクアップの素晴らしさからも目をそらせない。

2020年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 誰もが名前くらいは知っているマザー・テレサ。数々の反対運動による困難も乗り越え、慈愛に満ちた救済活動を生涯貫き通した20世紀に誇る女性の一人だ。実際どのような活動をなさっていたのかよくわかり、エピソードの積み重ねによる年表のような映画でしたが、心うたれること間違いなし。

 しかし、脚本の甘さも目立つし、死んだはずの子供が手を動かすなどの演技指導もおざなりになってる感がある。最も泣けるシーンがエクセム神父であるところも残念だった。

 施設建設現場にて、「暴力に対して暴力で抵抗してどうするんですか!」と叫ぶマザー・テレサが最も魅力的でしたけど、その施設現場を反対派が取り壊そうとするのは日真建設とロゴの入ったブルトーザー。ちょっと目立ちすぎ・・・

 晩年の老け顔の皺一筋一筋に彼女の慈愛の精神がこもっていて、オリビアの体当たり演技が冴えていました。マザー・テレサがアルバニア生まれということもあり、巻き舌R音の特徴も訓練したのでしょう。その他国際的な俳優ばかりで固められています。全編聞き取りやすい英語でしたので、英語の勉強をしたい人にも打ってつけです。

【2005年9月映画館にて】

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kossy

5.0私たちの行いは大海の一滴に過ぎません

2020年7月12日
スマートフォンから投稿

強く賢くひたむきに愛に生きた人マザー・テレサ。国境や宗教を越えて一切差別することなく、命がけで自分の信じる道を歩いたマザーテレサ1946年から1997年までの真実の物語。

オリヴィア・ハッセーは1951年4月17日生まれで、公開が2003年だから52歳。美しさの中に秘めた強さみたいなものが感じられてハマり役だと思った。

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collectible
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