クリスタル・ボイジャー

劇場公開日:

解説

後にサーフィン映画の傑作「ビッグ・ウェンズデー」で水中撮影を担当した天才サーファーにして水中カメラマン、ジョージ・グリノーにスポットを当てたドキュメンタリー。1973年にシドニーのオペラハウスにてプレミア上映され、イギリスでは 6 ヶ月間にも渡るロングランを記録。そのサイケ調の映像と世界観から、多くの評論家からサーフ映画版「2001年宇宙の旅」と評され、カンヌ国際映画祭に正式出品されるなどサーフ映画という枠を超えて高い評価を得ている伝説的サーフ映画が 30年以上の時を経てついに日本初上陸。なお、クライマックスの23分間にてフル使用されるピンク・フロイドの『Echoes』に関しては、ロンドンのスタジオで映像を観たバンドメンバーが、その映像に圧倒され、35mmプリントを映画製作者から1本譲り受けることを条件に許諾を出したという、現在ではあり得ない伝説が残されている。

1972年製作/79分/オーストラリア・アメリカ合作
原題:Crystal Voyager
配給:グラッシィ
劇場公開日:2004年12月4日

ストーリー

「誰なんだあの若造は!」サーフィンのメッカ、カリフォルニアのマリブ・ビーチ。怒鳴っていたのは、いまや青春映画の傑作として名高い「ビッグ・ウェンズデー」を撮影中のジョン・ミリアス監督。突然現場に現れた長髪にトランクス姿で、靴も履いていない若者。しかし翌日にはその若者の水中撮影技術にスタッフの誰もが驚嘆させられたのだった。その若者の名はジョージ・グリノー。そのジョージ・グリノーという一人の天才サーファー/カメラマンが追い求めた”自由”の断片の記録。彼はひざを付いて乗る“ニーボード”に乗り波と戯れ、“Morning Light”(朝日)と名づけたクルーザーに乗り込みごく親しい友人達と旅立つ。もちろん彼らが愛する“自由”と“波”を求めてだった。ジョージが愛したチューブ・ライディング。それはせりあがっては崩れていく波の壁。まるでクリスタルのように光輝きながら、ゆっくりとサーファーを包み込み、やがてレンズは水中で渦巻く気泡だけを映し出していく。目の前に広がる群青色の海水と輝きながら渦巻く泡は、銀河や宇宙を想像させる。SFX とは全く無縁の映像に、やはり“デジタル”や“打ち込み”などとは無縁のピンク・フロイドの音楽が巧みにシンクロしていく。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0サイケデリック体験の感動

2018年8月29日
Androidアプリから投稿

時空を越えた体験
時と空間が溶け合った世界をあなたは体験するはず
この世のものとは思えない映像だ

サーフ映画なのは間違いではないが、テーマはチューブに入った時のサイケデリック体験なのだ
だからECHOESが始まるまでのシーンは全てその映像がどのように撮られたのかを説明するための特典映像みたいなものに過ぎない

どんなCGもこのような体験を味わうことはできない
スローモーションと魚眼レンズを多用した波濤の内部からの映像は想像を絶する
正にサイケデリックだ
これに釣り合う音楽はピンクフロイドしか無理だ

鳥肌がたち感動の涙かこぼれた

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あき240