リンゴ・キッド

劇場公開日:

解説

「闘将スパルタカス」のアドリアーノ・ボルツォーニと「コンスタンチン大帝」のフランコ・ロゼッティ共作の脚本を「闘将スパルタカス」のセルジオ・コルブッチが監督したイタリア製西部劇。撮影をリカルド・パロッティーニ、音楽をカルロ・サヴィーナが担当。主演は、「突撃ヤンキー部隊」のマーク・ダモンと「可愛い悪女」のエットレ・マンニ、彼等をめぐって、ジュリア・ルビーニ、ロリス・ロッデイ等が活躍している。製作は「シーザーの黄金」のジョゼフ・フライドが当っている。イーストマンカラー、メトロスコープ。

1966年製作/イタリア
原題:Ringo and His Golden Pistol
配給:メトロ
劇場公開日:1966年10月25日

ストーリー

テキサスとメキシコとの国境。この一帯をペレス六人兄弟は殺戮、略奪と無法をきわめていた。当然のこと、末弟ジュアニト(F・デ・ローザ)を除いて、彼等の首には多額の賞金かかかっていた。こんな兄弟にとって、賞金かせぎの早射ちリンゴ(M・ダモン)は、目の上のコブだった。兄弟の一人はすでに彼の餌食になっていたし、そしてまた今、バランコスで二人がリンゴに打ち殺されてしまった。いつものように、放浪のリンゴは賞金を受け取るとさっさと別の町ゴールドストンへ踵を返すのだった。町の保安官ノートン(E・マンニ)は、リンゴに銃の携帯を許さなかった。悪者を退治するとはいえ、リンゴの身辺はいつも穏やかならず、町の秩序が保てないからだ。案の定、ペレス兄弟がリンゴを狙った。一瞬丸腰のリンゴが自分の水筒を兄弟に投げつけると、兄弟は木端微塵に吹き飛んでしまった。水筒の中はダイナマイトが詰まっていたのだ。だが、この爆弾事件のため、リンゴはノートンに牢にぶち込まれた。さてことここに至り、ジュアニトは遂に立ち上った。奸知にたける彼は、インディアンを口車にのせ協力を誓わせる一方、さっそくノートンにリンゴを引き渡すか、さもなくば町を襲撃して、虐殺を行うと最後通牒を言い渡した。町民はノートンにリンゴを引き渡すよう要求するが、ノートンは法を曲げることはできぬと拒否した。期限の日が刻々と迫ってきた。町民は家財道具を馬車に満載し、町からでていった。果たして、ジュアニトは部下やインディアンを率いて大挙町を襲った。ノートンは騎兵隊の来援を求めに、幼い息子を使いに出し、妻や獄舎のリンゴらと防戦した。だが、少年は途中で敵に捕えられ、このままでは全員敵の手中に落ちるのも時間の問題だった。そんな時、獄舎から脱けだしたリンゴは、爆薬を箱一ぱいに詰めロープを利用して敵陣目がけてふっ飛ばした。襲撃の失敗を知ったジュアニトは、ノートンの息子を盾にとって、リンゴの手から挙銃をもぎとった。今や復讐なれりとジュアニトが会心の笑いを浮かべた最後の瞬間、倒れ伏したのは彼自身だった。リンゴのかくした挙銃が火を吐いたのだ。リンゴは保安官一家の感謝の言葉を背に、静かに町を去っていった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0馴染みがないためか主人公に今一つ魅力を感じない。頑固すぎる保安官に...

2023年7月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

馴染みがないためか主人公に今一つ魅力を感じない。頑固すぎる保安官にもイライラする。
ラストの爆発と決闘が見せ場のごく普通の西部劇。コント調の殴り合い、口笛でやってくる馬が印象的。

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はむひろみ

0.5セルシオコルブッチ監督とあるが、こんな映画作っているなんて知らなかった。

2022年3月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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マサシ

3.5グッバイ、ハリウッド!!

2020年8月17日
PCから投稿

 何故こんなところにいると突っ込みたくなる唐突なヒロインである金髪美女の登場、酒場の大袈裟にぶっ飛ぶ殴り合い、はっきりとした善悪、そして最終的に結ばれる主人公とヒロイン(仮に既婚者であったり恋人がいたりしても作品中で必ず死ぬので大丈夫!?)、これは60年代前半までのハリウッド製西部劇あるあるで何か騎士道小説的な内容である。何か物足りないように感じてしまってもおかしくはない。
 そんなマンネリ化した西部劇に対し反旗を翻したのはアメリカ本国では無く、イタリアなどのヨーロッパ諸国である。これらはマカロニウエスタンと呼ばれ、今までの西部劇とは全く違うものだ。まず音楽だ、ハリウッド製西部劇と違い、カントリー風のゆるやかな音楽やオーケストラではなくどこか南米の山奥で流れているような曲である。確かに舞台としている場所はメキシコ国境でいわゆるラテンアメリカに近い場所であるから、作り手もラテン系ならばアングロサキソンが作るよりもリアルに描けるのだろうか。この音楽は西部劇にとてもマッチしていて殺伐とした西部を聴いているだけで容易に想像出来る。
 また更に暴力が増えていることである、これは良くない傾向とする者もいるがそれは開拓時代の無法地帯においてはよくあったことだろうし、それを利用して敵を次々に倒す場面はカタルシスを与えてくれ、鑑賞者を大いに満足させてくれるのだ。そしてハリウッドとは違う作りの粗さが逆に低予算なため血が出ないような(あったとしても少ない)戦闘シーンにも痛みをプラスしてくれるのだ。
 私を最も満足させているのは陳腐な恋愛シーンの排除である。別にマカロニウエスタンの世界では主人公とヒロインが結ばれる訳でも無いし、ヒロインが生き残れるかも分からない、ハリウッドそういうご都合主義は完全無視である。ただ敵を銃で撃ち殺す、それが全てである。
 マカロニウエスタンを語るのは本来ドル箱三部作のページでするべきであったかもしれないが、この作品には私の主張したいこと全てが詰まっているので敢えて本作を選んだ次第である。

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凰梁の何ちゃって映画評論

3.0リンゴ・キッドって誰?

2016年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

娯楽に徹して残酷シーンの少ないマカロニウエスタン。
賞金稼ぎに兄たちを殺された末弟が、復讐を企む。
賞金稼ぎは友人でもある保安官に捕まり、牢屋に入れられていた。
末弟はアパッチと組んで街を襲い皆殺しにすると脅かす。
この保安官が救いがたい間抜けなので白けてしまう。

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