少林寺三十六房

劇場公開日:

解説

17世紀の中国を舞台に少林寺出身の伝説的達人、劉裕徳が、武道部屋三五房で少林寺をマスターし、自らの鍛練部屋〈三十六房〉を創設するまでを描くクンフー映画。製作はラン・ラン・ショウ、監督はリュー・チアリァン、脚本はイー・クワン、撮影はファン・ユー・タイが各々担当。出演はリュー・チアフィ、ホワン・ユー、ロー・リエ、リュー・チァ・ユン、スー・シャオシャンなど。本国題名は「少林三十六房」。

1977年製作/117分/香港
原題:Shoalin Temple the 18 Bronzemen 少林三十六房
配給:東映
劇場公開日:1983年4月11日

ストーリー

17世紀の中頃の中国。広東の乾魚問屋の息子として生まれたリュー・ユテ(リュー・チアフィ)は、正義感に燃える若者。明朝を倒し、中国全土を制圧しようと企んでいる清王朝の将軍、ティエン・タ(ロー・リエ)は、横暴きわまりなく、民衆を苦しめていた。そんなころ、明の復興運動が盛り上がり、密かに地下組織が結成されていた。リューは、この地下組織の中心人物の塾の学生だった。彼は、その塾で、中国を清の暴政から守らなくてはならぬと説かれ、民族を救う野心に燃えた。彼は、仲間達と抵抗運動に励むが、ある日、その運動が発覚し、父が殺され、乾魚問屋もつぶされてしまった。悲しみに沈むリューは武道を習得する決心を固め、北にある少林寺へと旅立った。やっと辿りついた少林寺で、まず10日間苦しみに耐えのびた彼は、少林寺の総僧に入門を許され髪を剃って三徳と命名した。一年後、少林寺の名高い三十五房でやっと拳法を学ぶ許可を得る三徳。臂力房、腕力房、平衡房、腿術房、眼力房、頭力房、拳術房、刀術房、腰力房、と、次々に学んだ彼は、夜中にも練習し、二年間の間に三十五房のうち十房を突破した。三十五房のうちどれかひとつの僧房になる指示を受けるが、彼はそれをことわり、自分で編み出した第三十六番目の房“三節棍房”の創設を志した。そのためには、一度少林寺を下って武者修行に出て武芸を一段と錬磨せねばならない。彼は皆に見送られ下山した。そのころ、清五朝の横暴ぶりはエスカレートし、ますます民衆の苦しみは強まっていた。リューは、優秀な若者を探し出し、少林拳を伝える任務に燃えていた。この動きを察知した将軍は、兵を送り出し、リューを抹殺しようと企んだ。リューは優秀な若者、フン・シークアン(Y・ヤン)などに少林拳を伝授した。やがて、自ら編み出した三節棍で、将軍らを相手に、決死の闘いを繰り広げるのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

4.070年代を代表するクンフー映画の傑作!

2022年12月14日
スマートフォンから投稿

小中学生の頃、一大ブームを巻き起こし夢中になって観たクンフー映画、中でも本作はかなり上位に位置する名作の1本

主役のリュー・チャーフィーさんがとても凛々しく、ストイックなストーリーも相まって作品自体とても硬派な印象です

クエンティン・タランティーノ監督もリューさんに魅了され、ラブコールの末、彼の監督作"キル・ビル"に出演してもらったのも頷けます

35房あるユニークな修行の数々、それを主人公(実在の人物とされる劉裕徳がモデル)が実戦に生かす描写がとても面白い
そしてなぜタイトルが"36房"なのかは最後にわかります

クライマックスは竹やぶでの苦行の末に生み出した三節棍を使っての高僧との肉弾戦&敵との死闘という鳥肌もののストーリー展開

何度観てもシビれます!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Jett

3.0カンフー映画を見たのは久しぶりなのだが、 カンフーってやっぱりかっ...

2022年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

カンフー映画を見たのは久しぶりなのだが、
カンフーってやっぱりかっこいいね。
三節棍ってこの映画が最初?
もっと昔からある武器?
映画好きの人から、この映画のカンフーの修行風景の独特さや、
中国語バージョンと、日本語吹き替えで使われている音楽の違いなど
見どころを教えてもらってから見たが、
日本語バージョンで使われる音楽のドラマティックさいいね。
当時はどういういきさつで音楽の編集がおこなわれたのだろう。
カンフーの歴史を感じる素晴らししい作品です。
修行で成長していく姿見ごたえあります。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
あとぅーし

3.0ジャッキーチェンやリーリンチェンとの比較は、少し可哀想とは思いますが。

2021年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

清朝の圧政に対抗する為、少林寺でクンフーの修行をした僧の闘いを描く物語。

子供の頃に劇場公開された作品でしたが、直前で公開された「少林寺」の二番煎じの印象が強く、鑑賞しなかった作品です。
ただ、製作自体は「少林寺」より先だったんですね。

肝心のクンフーアクションは流石と感じましたが、ジャッキーチェンやリー・リン・チェンと比較すると、迫力や面白みに欠けると感じます。
ストーリーは「少林寺」と似通っていますが、歴史的に清朝打倒出来ないわけですから、カタルシスを感じにくいラストも残念。

私的評価は、やや辛めの標準点です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
よし

4.5【タラちゃんも大好き!。本格カンフー映画の元祖的作品。それまで、俗世間との交わりを断って来た少林寺での、清朝の義士三徳の各房での訓練方法が、斬新だった作品。】

2021年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

興奮

幸せ

ー少林寺(シャオリンスー)は、発足当時から中国の歴代王朝及び俗世間とは隔絶した存在であった。その少林寺をメイン舞台とし、前半は、明に滅ぼされた清の義士達が明のティエン将軍を筆頭にした、タン・サンヤオ、チェン将軍達に、惨殺され、命からがら少林寺に逃げ込んだ三徳(サンダ)が驚異的な身体能力を発揮し、少林寺拳法を身に着け、仇を討つ物語。ー

■今作の見所
 ・香港カンフー映画の正統的流れを受け継ぎながら、三徳(サンダ)(リュー・チャーフィー)が、少林寺の35房から26房までの肉体基礎訓練を25カ月という最速記録でマスターし、更により実践的な訓練を各房で積み、5年で35房での訓練を終えるのであるが、その訓練課程が観ていて、非常に面白い。
 食事をするために水に浮かべた丸太の束の上を渡る35房から始まり、”それは痛いでしょう・・”という頭を鍛える房や、木魚に合わせ目の鍛錬をする房など、観ていて飽きない。

 ・そして、35房を制覇した三徳(サンダ)の前に立ち塞がる(と言っても、愛ある試験官)戒律院住持との闘い。三徳(サンダ)は、一度は敗れるが、二度目に竹林での修行時に思いついた”三節棍”にて、戒律院住持の双剣を封じ、36房設立を願い出て、世に下り見事に仇を討つ。36房とは、民衆に少林寺拳法を広める意味合いを持った房だった・・。

<戒律院住持役の方を始め、出演者がカンフーの達人ばかりで、カンフー技の見応えが抜群である作品。
 主役を務めたリュー・チャーフィーがタラちゃんの「キル・ビル」で活躍した事は、余りにも有名である。>

コメントする (0件)
共感した! 1件)
NOBU
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る

「少林寺三十六房」シリーズ関連作品