御冗談でしョ

解説

「いんちき商売」「けだもの組合」と同じくマルクス・ブラザース一座の主演映画である。「けだもの組合」を原作脚色し「ココナッツ」を脚色したバート・カルマー及びハリー・ルビーが「いんちき商売」の原作脚色者S・J・ペレルマンと協力してストーリー及び脚本を書き下ろし、「青春来る(1931)」「いんちき商売」のノーマン・Z・マクロードがメガフォンを握り、「海賊(1931)」「恋愛即興詩」のレイ・ジューンが撮影した。助演者の顔ぶれは「いんちき商売」「その夜」のセルマ・トッド、「失われた抱擁」「ストリート・シーン」のデイヴィッド・ランドー等。

1932年製作/アメリカ
原題:Horse Feathers

ストーリー

グルーチョは大学の総長さまでガウンと帽子を着用に及び、お歴々の先生達と共に教壇に現われる。所でこの総長の経歴といえば前の総長が休職に及んでグルーチョ博士歓迎の弁を述べるとタチマチそれを利用して彼自身がその後釜に座ってしまったまでの事。それ以来、この大学は新しいグルーチョ総長の下に大まじめな顔をして教壇でルンバを踊り、指を鳴らし、ジャズを唄う博士達が続出した。当年20歳の彼の息子ゼッポは一年生に入学早々、二人の女学生、コニーという美人の後家さん女学生、とベギーとに恋されるがたちまちコニーのことでペギーと喧嘩別れしてしまう。ゼッポは父博士に、大学にはフットボール・チームがなければいけないと力説してチコのやっている酒場の職業選手を二人推薦するので彼等は早速選手と契約したが、酒場に出向いてそれが実はフットボーツのフの字も知らない犬殺しのハーポと、酒の密売者のチコなることを発見する。その間、敵は本場のすごい職業選手を手に入れた。さて、ハーポとチコはもちろん大学に入学したが、ここで授ける高尚な学問も、この二人にかかってはたちまち珍学問に変えられてしまう。その中にグルーチョ博士は、コニーがゼッポをだましていて本当はジェニングスという博奕打ちのデコボコ野郎と恋仲だという事を発見、おまけにこやつはコニーを通じてゼッポからフットボールのサインを盗んで敵方に売ろうとしていた事が判る。試合の当日、博士はハーポとチコに命じて敵の花形選手二人を奪ってしまおうとしたが肝心のハーポとチコがさらわれて一室に閉じ込められ、逃げ口を探している中に試合は始まり、辛うじて逃げ出して競技場に駆けつけた時には味方は散々に負かされてもはや終わりに近い。危うい所に駆けつけた二人はグルーチョ博士を先頭にあらゆる珍奇をつくしたファインプレイにより試合はゼッポのタッチダウンで味方の勝利となり同時にペギーの愛もかち得た。その夜、大学では大きな篝り火をたいて戦勝を祝ったがハーポはかがり火位では小さいと言って大学に火をつける。その時ジェニングスが大学の三階に残っていると報告されるとグルーチョ博士は葉巻をくわえて燃え上がる火焔の中に入る。がたちまち葉巻を持って引き返して来て「廊下で煙草は厳禁だ」、でまた火の中に入ってゆく。再び現われるとジェニングスの代わりにゼッポの卒業証書を持って来た。そしてジェニングスは焼死するかも知れないと云う。そしてまたゆっくりと煙草を喫い直したのである。

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