マッスルモンク

劇場公開日:

解説

「インファナル・アフェア」「LOVERS」など代表作を多数持つ香港のトップ・スター、アンディ・ラウが元僧侶の男性ストリッパーという異色キャラクターに扮した人間ドラマ。超絶アクション描写と仏教の輪廻転生という深遠なテーマを融合させ、最後まで予測のつかないストーリー展開が話題となった。アンディは本作で、香港電影金像奨の最優秀主演男優賞をみごと獲得。共演は、「パイラン」のセシリア・チャン。監督は「ザ・ミッション 非情の掟」のジョニー・トウ。

2003年製作/93分/香港
原題:大隻[イ老]/Running on karma
配給:アット エンタテインメント
劇場公開日:2004年10月2日

ストーリー

不夜城、香港。その夜、ふたつの事件が同時に起こった。ひとつはストリップ・バーで、ビッグガイ(アンディ・ラウ)が最前列で熱い声援を送る女性客リー・フンイー(セシリア・チャン)に応えてビキニを放った瞬間、「わいせつ罪で逮捕する!」。彼女は囮捜査官だった。捜査官がいっせいになだれ込み、ビッグガイは慌てて店を飛び出す。その頃起きていた、ある惨殺事件。警察犬と刑事らが犯人のインド人を現行犯逮捕するが、護送途中で逃げられてしまう。逃げるビッグガイとインド人は街角で衝突し、空気は一瞬即発に。そのとき、ビッグガイの目はインド人を追う警察犬に引き寄せられ、その犬がすぐに死ぬ運命だと瞬時に見取る。実は彼には、死ぬ直前の者が背負い、死因となる前世での業(カルマ)を見る不思議な能力があるのだった。そのとき見えたのは、犬を撲殺する子供の幻。その子供が前世での犬の姿。果たしてインド人に向けて放ったフンイーの銃弾が、誤って犬に命中してしまう。そして次の瞬間、フンイーの背後に、大量虐殺を行う日本兵の幻が現れるのだった! インド人を逃がした刑事たちは怒りをビッグガイにぶつけるが、彼を助けるフンイー。正義感にあふれ心優しい彼女だが、インド人と出会って犬を殺したことで、いずれその報いを受けるだろう…。一度は不法就労で本土へ強制送還されるビッグガイだが、かつて同様に救えなかった少女のためにも、フンイーを救うことを決意する。例のインド人を追うフンイーの前にビッグガイが現れ、特殊な能力を使って殺人事件のてんまつを再現してみせる。彼の能力に半信半疑ながらも、協力してインド人を捕らえることに同意するフンイー。ビッグは、今度はインド人に裁きが下ることを予見するが、その男は前世である善行をほどこしていた。死の直前にカブト虫を救うというその小さな行いが、現世で繰り返されている殺しの連鎖を食い止めることができるかもしれない。救いをもたらすかもしれないカブト虫の生まれ変わりである、左腕のない女を見つけるため、ビッグガイとフンイーは奔走する。翌日、逃亡犯は前夜人質にとった女性に助けられて、バスのターミナルに現れる。再び銃撃戦となり、そのさなか女性の左腕が吹き飛ばされる。駆け寄ったフンイーに彼女は、逃亡犯に何か懐かしさを感じて助けたことを、後悔していないと語るのだった。やはりビッグガイの言うように、前世からの因縁は存在するのか? 格闘の末に逃亡犯を捕らえ、怒りに我を忘れる刑事が逃亡犯を殴り殺そうとするのを制止したビッグは、殺しの連鎖を無事終わらせる。事件は解決し、ビッグは去った。しかし、彼を忘れられないフンイーは、かつてビッグが修行していた石窟寺を訪ねる。そこでビッグが僧衣を捨てるきっかけとなった悲劇を知る。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0因果応報

2020年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 マッスルスーツを着たアンディ・ラウ。ずっと着ぐるみを着て格闘するコメディのようであるが、犯人逮捕とかそんなサスペンス要素はほとんど無意味。

 リ・フンイー刑事の背後に日本兵の虐殺シーンという業が見え、彼女が死ぬと確信するビッグガイは彼女を守ると決意するが、山奥でフンイーが惨殺された場面に遭遇。しかし、犯人を殺そうとするが僧によって悟りを得る。因果応報なのだ。犯人を殺してもそれが因果応報となって、やがて自分も殺される。宗教の輪廻をも想像させる奥深い展開に驚いた。

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kossy

3.0とんでもなく賃下げ。

2020年7月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

筋肉モリモリで男性用ストリッパーしている元僧侶がなんやから冒険に巻きこられた末にに解脱するようなシュールな映画、としか言い様かがないわ。

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もーさん

3.5すばらしい珍作

2013年11月25日
Androidアプリから投稿

笑える

悲しい

難しい

死期が迫る者とその死因である前世の業を見抜く力を持つビッグ・ガイ(アンディ)は、捜査官(セシリア)にわいせつ罪で逮捕されそうになる。
彼は彼女の背後にある巨大な業を見抜き、彼女を救う決意をするが……。

『ヒーロー・ネバー・ダイ』『ザ・ミッション 非情の掟』『暗戦…』など神がかり的な傑作を立て続けに出したジョニー・トー監督作の中では珍作の評価が優勢(苦笑)

日本では、きわもの映画扱いだが、実は香港ではその年の香港版アカデミー賞で「最優秀作品賞」「最優秀主演男優賞」「〃脚本賞」の三冠を制した名作(*^^*)

まずアンディが20kgもある特殊肉襦袢をつけてる時点で笑ってしまう(笑)
またフルヌードシーンが異常に多すぎ!
特殊メイク自体は『スパイダーマン2』を手掛けたEdge FX社が担当なので素晴らしいできばえ♪

前半はアンディとセシリアが悪人を捕まえるアクションコメディ。犯人も謎のカンフーインド人やぬるぬる黒男などきわもの!
そこに仏教の輪廻やら因果応報が混ざり、不思議な展開を見せる(*^^*)

アンディとセシリアが『暗戦』のような淡い恋を見せたあと、物語は一気に急展開し、違うジャンルの映画へと突入する(゜ロ゜;
猟奇極悪SF展開へと…

日本で受け入れられなかったのは、あまりに悲惨な結末が待っており、アクションラブコメからいきなり鬱展開になるからだろう(>_<)
日本的な発想では「なぜそうなる!?」と理解に苦しむ(T-T)

しかし、昨日レビュー書いた『ドラゴン危機一発´97』『本作』とブラピの『セブン』はオチにとてつもない共通点がある鬱鬱映画なのだが(苦笑)、『セブン』だけ有名になって納得いかない(;´_ゝ`)

個人的には好きなのだが、観た人の7割は珍作扱いするであろう(笑)怪作!!

アンディが変!というシュールな笑いとアメコミヒーロー並のアクション!切なく淡いラブストーリーに、極悪展開(゜ロ゜;
しかし、テーマは「カルマを断つ」(因果応報の負の連鎖を止める)というたいへん宗教的な内容(^-^;

ハリウッドや邦画では絶対考えられないとんでも映画である。。
変な映画だがおもしろいことはおもしろいので(^-^;変わった極悪映画が観たい人向け…

こちらを観たあと『ヒーロー・ネバー・ダイ』や『暗戦』を観ると、あまりの傑作!っぷりに同じ監督が撮ったとは思えないはずです(・・;)

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桔梗F
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