小犬をつれた貴婦人

劇場公開日:

解説

アントン・チェーホフの短篇小説『犬をつれた奥さん』をヨゼフ・ヘイフイツが脚色・監督した、チェーホフ生誕百年を記念して製作された文芸もの。撮影は「イワン雷帝(1946)」のアンドレイ・モスクヴィン、音楽はナジェジダ・シモニャンが担当した。出演は「戦と貞操」のアレクセイ・バターロフ、新人イーヤ・サビーナほか。一九六〇年カンヌ映画祭特別参加賞受賞。

1959年製作/ソ連
原題:The Lady with the Dog Dama s Sobachkoy
配給:東和=ATG
劇場公開日:1965年7月25日

ストーリー

今世紀初頭、帝政ロシア末期の沈滞しきった時代。モスクワで二つの家作を持ち、フロック・コートに身をかためて銀行勤めをしているグーロフ(アレクセイ・バターロフ)は、クリミヤ半島の保養地ヤルタの海岸で、いつも小犬をつれて散歩している貴婦人アンナ(イーヤ・サビーナ)に心を奪われた。妻と子を持つ中年男と人妻の間に、死んだような生活にほのかな生への希望をとりもどさせる愛情が生まれた。二人の逢う日が続いたが、ある日アンナの夫から便りが来て彼女は去った。グーロフもモスクワに帰り、前と同じ生活に戻ったがアンナのことが忘れらず、妻を偽り彼女に会うためサラトフに出かけた。初日の劇場でグーロフはアンナに声をかけた。アンナの驚き……。彼女はグーロフを人気のない廊下につれていった。二人は逢えなかった間の心を語りあい、アンナの哀願でモスクワで再び逢うことを約束した。モスクワのホテルの一室、これまで幸福だったことはないというアンナを見て、グーロフは髪に白いものがまじった年になって初めて本当の恋を知ったと思うのだった。しかし二人の愛は決してその生活を変える力と勇気と未来を持っていない……。一番複雑で困難なことが今やっと始まったばかりであることが、二人にははっきりとわかるのだった。窓の外は大きな雪が舞うように降ってきた。

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