イン・ディス・ワールドのレビュー・感想・評価

イン・ディス・ワールド

劇場公開日 2003年11月15日
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リアリティと世界と少年

ナレーションや地図の演出がドキュメンタリー的で、2人の旅が実際にあった話のように感じられる。
エナヤットの、少年のような純粋さと、たまに出る大人びた表情が、自然な彼の特性と、求められる特性が、入り混じっているように思える。
ラストの故郷への電話でのジャマールの表情が、もはや少年とは噛み合わない深さを感じられ、願いが叶わない残酷さを表しているようだった。
誰かが世界から取り除かれてもこの世界は、止まらない。ジャマール個人も止まることはできず、それは生きるための手段である。

あきら
あきらさん / 2016年1月22日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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初めて見る世界 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

たまたまその国に生まれたばかりに、過酷な運命を背負わされてしまう子供たちのなんと多いことか。本作はパキスタンのアフガン難民キャンプからロンドンへ亡命する少年のドキュメンタリー・タッチのロード・ムービーだ。
タイトルから解るとおり、主人公ジャマール(実際のアフガン難民の少年を起用)は、生まれてから難民キャンプを出たことがない。それなのに彼はいきなり6400キロも離れたロンドンまで、正に命がけの旅をすることになる。旅の途中で彼らはいかがわしい“運び屋”に会ったり、検問に引っかかって連れ戻されたり、暗くて狭いコンテナの中で40時間も絶えたりなど、それはそれは過酷な経験をする。途中で連れが死んでしまうという不幸に見舞われながらも、ジャマールは時に盗みを働いたりしながら、何とかロンドンに辿り着く。こうまでして求めた“自由と希望の国”は、果たして彼にとって本当に自由と希望を与えてくれたのだろうか?ロンドンで皿洗いの仕事をしながら日々細々と暮らす彼の姿は、余り幸福そうには見えない。
パキスタン→イラン→トルコ→フランス→イギリス、これが彼が辿った道程だ。砂漠地帯の中東からヨーロッパへ舞台が変わると、セピアがかった明るく乾いた映像が湿ったグレーに変化するカメラも秀逸だ。ジャマールが初めて観た世界(イン・ディス・ワールド)は、彼の目にどんな風に映ったのだろう。日本人が“娯楽と癒し”の為にする海外旅行とは全く異なる彼の旅。それでも雪を頂く山に見惚れたり、大きなアイスクリームを舐めたり、サッカーに興じたりと、時折15歳の少年らしい無邪気さをのぞかせるが、ロンドンのモスクで一心に祈りを捧げるラストカットの彼の顔は精悍な大人の顔だ。
実際のジャマールが撮影直後ロンドンに亡命(難民保護申請は却下されたが、特例で18歳までロンドン滞在を許された)できたのも、この祈りが心からの祈りだったからに違いない。
ウィンターボトム監督の詳細なリサーチと即興演出で臨場感あるリアルな難民問題の衝撃。本作がイン・ディス・ワールドから少しでも難民が減ることへの第一歩となれば良いと思う。

Chemy
Chemyさん / 2013年6月6日 / PCから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  泣ける 悲しい 知的
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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リアルな映像が全てを語る

たくましく希望にしがみつく少年の"生"の旅に視覚的な小細工やナレーションなど必要無い。
作品はただただ2人のロンドンまでの道筋を淡々と映し出す。
「百聞は一見にしかず」、伝えたいことはドキュメンタリータッチの映像が全て語る。
フィクションでありかながらも圧倒的に事実に近い難民の現実をありのままに映すことで、この作品は映画として、伝える道具として大きな力を持つ。
自分たちに何が出来るか分からなくても、ただ知ることしか出来なくても、無関心よりはずっと意味のあることだ。

elle,f
elle,fさん / 2012年3月24日 / フィーチャーフォンから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  難しい
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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