男の世界(1934)

解説

「白衣の騎士」「或夜の出来事」のクラーク・ゲーブルと「流行の王様」「ケンネル殺人事件」のウィリアム・パウエル及び「白衣の騎士」「宿命の窓」のマーナ・ローイが主演する映画で、アーサー・シーザーが特に書き下ろした原作を「夜間飛行」「武器よさらば」のオリヴァー・H・P・ギャレットと「不思議の国のアリス(1933)」「空の花嫁」のジョセフ・L・マンキーウィッツが共同脚色し「宿命の窓」「世界拳闘王」のW.S.・ヴァン・ダイクが監督に当たり、「力と栄光」「第三の恋」のジェームズ・ウォン・ホウが撮影した。助演者は「恐怖の四人」のレオ・カリーロ、「宿命の窓」のナット・ぺンドルトン、ジョージ・シドニー、トーマス・ジャックスン、イザベル・ジュウェル等である。

1934年製作/アメリカ
原題:Manhattan Melodrama

ストーリー

1904年紐育港で沈んだ遊覧船ゼネラル・スローカムは幾多の悲劇をうんだ。少年ブラッキー・ギャラガーとジム・ウェイドもそのために孤児とされた不幸な2人だった。彼らは同じ災難で妻子を失ったローゼン老人に引き取られて養われたが、ローゼンも数年後奇襲に会って惨死をとげた。30年の歳月が流れた。少年の頃の傾向はブラッキーとジムを極端に異なった性格と境遇の人間に仕上げた。ブラッキーは賭博場の親分として暗黒街の顔役となり、ジムは若手法曹界の重鎮として地方検事補に挙げられた。2人は滅多に会うこともないが会えば昔ながらの仲のいい竹馬の友だった。ブラッキーはエリーナという愛人と同棲していたがエリーナはブラッキーの生活を嫌い堅気の道を選ぶようにすすめたが到底聞き入れられない事を知って彼の許を去り、彼を真面目に愛するジムと結婚した。ブラッキーは賭博出入りから殺人の罪を犯し地方検事たるジムは彼を取り調べたが証拠不十分でブラッキーは罰を逃れた。ジムの人気は益々上がりついに州知事候補者に挙げられ選挙戦場に戦った。腹黒い彼の助手のスノウはその機を利してジムが故意に親友ブラッキーの罪を許してやったというデマをとばしジムの選挙を妨害せんと脅迫した。ジムはそんな事には一顧も興えなかったが妻のエリーナは心痛の余り、その事をブラッキーに打ち明けた。ブラッキーは直ちにスノウを射殺した。しかし彼がジムのためにやったという事は絶対に誰にも語らずエリーナにも固く口止めした。事情を知らぬジムは地方検事として、今度こそ立派な証人も現れたブラッキーの罪を黙過する事が出来ず峻厳な論告の結果彼の死刑を求め、裁判官はブラッキーの死刑を決定した。ジムはついに州知事に当選した。同時にブラッキー処刑の日は迫った。州知事たる彼の立場は死刑囚の減刑を命ずる事が出来、各方面の嘆願もあったが彼は断固としてそれを退けた。事情を知るエリーナは計尽きてついにブラッキーがスノウを殺した動機をジムに打ち明けた。ブラッキーの死刑に立ち会うべく最後の面会を遂げたジムの心はついに動かされた。彼はジムに減刑を興へんことを申し出た。ブラッキーは窮屈な終身刑よりもむしろ死を選ぶと称してジムの好意を固辞し、笑って死刑椅子に就いた。ジムは州会を召集し、自分の知事当選はブラッキーの殺人にもって勝ち得たものである事、自分は私情からブラッキーに減刑を申し出たことを堂々と打ち明け辞職にもってその罪を償うときっぱり言い切って職を去った。エリーナは初めて人間ジムの心を掴む事が出来たのである。

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