劇場公開日 1950年12月29日

わが谷は緑なりきのレビュー・感想・評価

全19件を表示

4.5【19世紀末のウェールズの炭鉱町で誇り高く生きる一家の人々の山あり谷ありの人生を、ジョン・フォード監督が人間性肯定の視点で描いた気品溢れる作品である。名シーンテンコ盛り作品でもある。】

2023年3月21日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

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NOBU

5.0決して一枚岩にはならない

2022年8月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

1941年。ジョン・フォード監督。イギリス・ウェールズの炭鉱町。誇り高き炭鉱夫とその家族の物語を末息子の視線から描く。ストライキ、事故、合唱隊、教会、階級という職業や共同体のあり方と、学校、結婚、恋愛、出産、父離れという家族のあり方がそれぞれ時に分裂し、特に結合しながら複雑にからみあっていく。決して一枚岩にならないところがすばらしい。
ロケーション最高。坂の上の炭鉱とその途中にある労働者の街並みの物語上の効果がすばらしい。普段は仕事終わりの炭鉱夫たちが歌いながら坂をだらだらと降りてくるのだが、一端なにかあると、人々は息せき切って坂を駆け上がる。歌が好きな人々が時折合唱するのもすばらしいし、主人公が抑揚をつけて家族の名を呼ぶのもすばらしい。冒頭で姉の名を呼んでいた主人公がラストで事故にあった父を探すときにその独特の呼び方をする。心が震えます。
歩けない主人公が小高い丘の上で花に囲まれて歩き出すシーンは「ハイジ」そのもので、フォード監督が宮崎駿監督(アニメ版)より早く世界的にヒットしたハイジの原作を自分のものにしていることがわかる。むしろ、原作にはないアニメ版「クララの意気地なし」に近い関係が描かれているのだから、この映画を見て宮崎駿監督の数々の名場面が着想されたのかもしれない。炭鉱町を扱った「ラピュタ」には鉱山の男の喧嘩シーン(ボクシング的)があったし。ただし、宮崎監督は一般的に近代黎明期の「蒸気」の時代に執着しているので、特定のこの映画ではないかもしれないが。

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文字読み

3.0白黒の炭鉱の緑の谷

2021年11月9日
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父権と家族

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mamagamasako

4.0家族愛をひしひしと感じた

2021年7月4日
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ジョニーデブ

4.0見て良かった!

2021年6月6日
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一言「ウエールズ、ウエールズ!」。

イギリス・ウエールズ地方といえば、炭鉱で栄えた町。
栄えた=いつかは衰退していく。
そんな人々を描いた映画、私の大好きな分野です。
(フルモンティー・遠い空の向こうに等)

主人公が自分の人生を振り返る語りから、物語は始まります。
炭鉱で働く父や兄の姿や、谷の人々、そして家族。
そこには歌=合唱隊がいつもあり、力を合わせて肩を組み合う。
炭鉱夫の生き様・炭鉱の歴史がありました。
その歌が谷から消えた時の、不穏な雰囲気がより濃く出てたな。

主人公は末弟だけど、家族の話も随所にある群像劇。
シンプルな展開の中に、濃い内容。
主人公と新任牧師との、交流や絆が良かった。
小さい時に出会った、尊敬できる大人の存在は。
きっと大きな影響を与えることになったでしょう。

ちょっとネタバレですが。
主人公の現在の姿は、最後まで出て来なかったのも。
想像力を掻き立てられて、好感度大。

最近「温故知新」的映画を選ぶようになりました(今回白黒)。
どれも内容がシンプルなので、見てて楽なことに気づいた次第です。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「思い出とは不思議なものだ。今のことはすぐ忘れるのに」

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ゆき@おうちの中の人

4.0家族に乾杯

2021年5月22日
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知的

幸せ

誰もが主役で誰もが脇役なのです
ごくありふれた家族
あなたや私の家族の話です
始まりかどこで終わりがどこなんてこともなく家族というものは生き物なのだから常に変化して常に進んでいるものです
今の自分があるのは先祖から脈々と続いてきた家族がいたからなのですよね

飽きてしまうかと思いながら見始めましたが意外や意外
かなり入り込んで見てしまいました
やっぱり巨匠は違いますね。

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カルヴェロ

3.0あるひとつの形の幸福は永遠には続かない、別の形の幸福に向かっていくだけだ!

2021年5月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

子供の頃の炭坑夫家族の思い出を
ノスタルジックに描いた作品。
炭鉱と鉱員長屋が連なる構図も含め、
アカデミー撮影賞・美術賞受賞が納得
の見事な映像に目を見張った。

炭坑夫一家の厳しい生活描写は
「リトル・ダンサー」等の近年の英国映画を
思い出し、日本と同じように、
過去から現代へと、長期に渡って
過酷な労働環境が続いてきた英国石炭産業界
の歴史を見せつけられたような気がする。

そんな歴史観の中に、
恋愛、労使関係の中での仲間意識と誇り、
格差社会と差別、宗教感などの要素が
散りばめられる。
概してマイナス展開する各要素だが、
そこに清涼要素として吹き込まされるのが、
主人公一家と牧師の、
人間に対する優しい眼差しだ。

“わが谷は緑なりき”と言いながら、
炭鉱と鉱員長屋とボタ山の映像が中心で、
“自然”の描写はほとんどない。
しかし、主人公の心には、
愛する人達がいたこその故郷の全てが
美しい自然のように甦っているのだろうか。

学生時代に長崎の軍艦島の調査の
一員に加えていただいた。
この「緑なき島」と呼ばれた島は、
閉山後に島を離れた住民の皆さんにとっても
「わが“島”は緑なりき」だったに違いない。

また、米国映画には英国を舞台にした
このような作品が多い。
米国人にとって英国は郷愁を感じる国
なのかも知れない。
亡命のような状況下で撮った「ノスタルジア」
のように、タルコフスキーにとっても
ロシアの大地は特別なものだったろうが、
この映画の主人公にとっても
同じ思いなのかも。

しかし、この映画の登場人物には
多くの死が訪れると共に、
幸福への希望も予感させてくれない。
主人公が晩年になっての孤独に見える離郷
の理由はなんだったのだろうか。
仮に、閉山の予兆があったからだとしても、
亡き兄家族との希望に溢れたの生活などは
無かったのだろうか。

簡単に比べるものでもないかも知れないが、
かつての家族像を懐かしむとの点では、
似た設定の山田洋次の「息子」を思い出すが、
形を変えた新しい家族像を
予感させてくれる分だけ、
私の中では「息子」の方が未来への希望を
感じられる作品だ。

あるひとつの形の幸福は永遠には続かない、
別の形の幸福に向かっていくだけだ!

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KENZO一級建築士事務所

3.5心の中にある故郷

2021年5月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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こころ

2.5苦しい炭鉱生活

2021年5月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

炭鉱で働く父や兄は誇りを持っていた。歌は生活の一部だった。モーリンオハラ扮する姉のアンハラッドは新任牧師と惹かれ合っていた。しかし、炭鉱の生活はだんだんと厳しいものになっていった。そんな折、合唱隊とともにウインザー城で女王の前で歌う招待状が届いた。また炭鉱主の息子が姉とつき合いたいと言ってきた。学校ではいじめられ苦しい生活でも明るい話は色々あった様だね。

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重

4.5元祖肝っ玉かあさん

2020年11月22日
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鑑賞方法:VOD

「いい夫婦の日」に(一人で)アマゾンプライムで視聴。
ひとことで言えば「時代の波に翻弄されながら生きたひとつの家族の物語」ということなんだけど、末っ子の視点を外さずに描いているのが、この作品を素晴らしくしている要因だと思う。
もちろんカラーじゃないし、今と比べたら画質も音質も格段の差だけれど、作品としての「格」は、現代作られて人気を博している映画と比べてもはるかに上だ。
しかし、ジョン・フォードが監督とはね!

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ROKUx

5.0郷愁と家族愛の最上の名画

2020年4月16日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館、TV地上波

巨匠自ら最も愛した全盛期の代表作。名作「駅馬車」「怒りの葡萄」に連続して創作されたことが奇跡に等しい。敢えて例えるならば、モーツァルトの後期三大交響曲の名曲誕生に匹敵するといっても過言ではないと思います。

個人的な鑑賞履歴をいうと、初見は中学時代に淀川長治さんの日曜洋画劇場で観ました。その時はほとんど気にも留めない印象でした。しかし淀川さんの名解説を聞き逃さず、映画の見方や解釈の仕方を自分なりに勉強していくと、数年で演技や演出について何となく解るようになり、そして、またテレビではありましたが再見の機会が17歳のときに訪れました。チャップリンの一連の名作が立て続けに公開されていたビバ!チャップリンの時代です。「黄金狂時代」を超える映画は無いな、と独り悦に入っていたら、並んでしまったのです。これ以来、私にとってチャップリンとフォードが映画の神様になりました。
それから約10年後、新宿の名画座でリバイバルがあり漸く劇場鑑賞することが出来ました。終演後ロビーである初老の紳士がしみじみと感動のため息をつくのをニンマリと聞いたことまで忘れません。

この作品の演出の素晴らしさを一つだけ挙げるとしたら、それは望まぬ結婚に身を置くモーリン・オハラのウェディングドレスの長いベールが、教会から馬車に向かうシーンで風に煽られて舞い上がるところです。”心、ここにあらず”をモーリン・オハラの表情と眼に見える造形で表現するフォード監督の演出に、私は唸りました。のちにフォードの記録映画にて、あるインタビュアーに、(丁度いいところで風が吹いてくれて、フォード監督は運がいいですね)の内容を尋ねられて、(とんでもないです。あれは意図的に監督が吹かせたのですよ)と一笑に付すモーリン・オハラのエピソードを紹介しています。映画の中で、風を最も上手く活かした人が、ジョン・フォード監督だと思います。

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Gustav

4.5教会での祈りの如く

2020年1月1日
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炭鉱の町での哀しくも暖かい人々との邂逅の物語。喜びも悲しみもいとおしい程の郷愁を感じる。良き映画の時代の良きアカデミー。

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十二滝わたる

5.0我が心の名作。

2019年12月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

①ジョン・フォードには傑作が多いがやはり私にとっては本作がベスト。

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もーさん

4.0故郷は美しい

2019年9月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

 舞台は1870年代(日本では明治初期)、英国ウェールズ地方の炭鉱の村に暮らすモーガン一家の物語。年の離れた兄5人と美人の姉の末っ子として生まれたのがヒュー(ロディ・マクドウォール)、家族からも村人からも可愛がられるかわいい男の子の成長をカメラが追ってゆく、物語は村を去るヒューの回想から始まる。頑固で厳しいがヒューには優しい父と肝っ玉母さん、いつも励まし支えになってくれる牧師さん、喧嘩の勝ち方を教えてくれた拳闘家のおじさん、優しくて料理上手のお義姉さん、みんな心の宝物だ。それでも資産家と労働者階級、教会の欺瞞性、いつの時代でも人を見下し傷つける心無い人々の存在、危険な炭鉱労働・・、横たわる問題は重く厳しい。
煤で汚れた炭鉱の村、それでも心に残る故郷は美しい、わが谷は緑なりき・・。
ヒューマンドラマの名作です。

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odeonza

3.0傑作だけれど...古き良き時代だから

2019年5月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

1941年の映画です、まず最初に傑作だと断言します、佇まいといいストーリーといいカメラといいテンポとか完璧じゃないでしょうか。
ただ、あまりにも人物描写が上手過ぎで悪い人も出てこなさすぎ、堂々とした映画だけど「家族とはもっと問題をはらんでいるはずだよなぁ?」と嘘くさく感じてしまいました。
悲劇をもっと悲劇として描いていれば印象が違ったんでしょうか?「リバティバランスを撃った男」や「捜索者」の方が好きです、作品の完成度ではこの作品がベストなのかもしれませんが。

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雪国の離島の生まれ、山裾育ち

4.5波瀾万丈の家族の物語。ハッピーエンドではないのに心が温かくなり生き...

2019年3月7日
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鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

波瀾万丈の家族の物語。ハッピーエンドではないのに心が温かくなり生きる勇気が湧いてくるような作品。モノクロ映像も美しく、炭鉱の町の様子や家の中の細部に至るまでよく表現されている。

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tsumumiki

5.0言葉にできない

2018年2月20日
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普段は何かしら「どこが良かった」「どこがイマイチだった」とツベコベ言うのにこれはそういう言葉で表現が全然できない…。
ただ「とても良かった」という小学生みたいな感想しか出てこない。
ストーリーは淡々と進んでどんでん返しも意外な展開かあるわけでもないのに凄く良かった。なんなんでしょうねこの感覚。
また見たいです。

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やきにく

5.0モノクロは良いですね~。

2015年2月3日
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泣ける

楽しい

幸せ

素晴らしい~。家族愛、恋愛、少年から大人へとのストーリーが今にない自然な流れで観れました。映画とは言え当時の純粋な愛がとても羨ましいと思いました。男は外で力仕事女は家庭を守る昔の風習がとても幸せに感じました。この時代でも貧富の差があっても愛があれば幸せになれるんだなと羨ましく映ってました。やっぱモノクロは良いですね~。カラーには無い美しさがある。

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エイジ

5.0とにかくいいんです!大好きです!

2013年11月21日
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鑑賞方法:TV地上波

泣ける

知的

幸せ

かなり 昔 テレビで観ました。
炭鉱で働く 家族の物語です。

今でも共感できる作品です。

今失われた家族の姿がここにあります。

また 観たいです。
心に残る名作です。

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ともちん