ワイルドバンチ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー監督が、20世紀初頭のメキシコを舞台に滅びゆくアウトローたちの姿を描いた傑作西部劇。1913年、アメリカ・テキサスでの銀行強盗に失敗したパイクら強盗団はメキシコに逃走する。旧友ソーントンら賞金稼ぎに追われる中、メキシコ政府のマパッチ将軍の依頼で米軍用列車から武器を強奪するパイクたちだったが、マパッチの裏切りに遭い、仲間を人質に取られてしまう……。スローモーションに細かいカットを挿入するペキンパーのアクション演出は後続に大きな影響を与えた。出演はウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン。

1969年製作/137分/G/アメリカ
原題:The Wild Bunch
劇場公開日:1969年8月9日

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

3.5このバージョンの劇場上映は日本でされた事が無い

2023年9月17日
iPhoneアプリから投稿

これは現在では、“回想シーンなどが無い短縮編集バージョン”に該当するもので、初めてのソフト化でアメリカ版VHSで発売されて以降、長年ずっとこちらのバージョンでしか観ることが出来ない状態が続いていました。

初公開当時劇場で複数回鑑賞歴があった日本劇場公開版については、元々“回想シーンを含むバージョン”であった事は間違い無く、当初より「ディレクターズ・カット」に相当するバージョンでのみ公開されていたものです。

映画人生でも最愛の部類に含まれる今作は、高額なアメリカ版ビデオで初回発売され際に(日本字幕版を待っておられず)喜び勇んで購入したのがこのバージョンでした。

「あのシーンが無いなんて、何かの間違いじゃ無いかっ!?」と衝撃を受け、打ちのめされました。

可成り後年になって『ディレクターズ・カット版』と称して、「元々の日本公開版」に準じたバージョンの鑑賞が叶うようになった際には感無量でした。

その際にも、輸入版ソフトでその存在を確認し、その後の国内発売タイミングは相当鈍く遅かったので、待ちきれずに高額な輸入版で先に入手してしまったものです。

先にあの“パイクとソーントンがそれぞれに過去を回想シーンを含むバージョン”で観たかどうかで、この作品に対する印象(感動)は全く違うものになってしまいますね。

『夕陽のギャングたち』の時にも同様に思いましたが、日本の映画ファン(昭和の時代の)って、けっこう恵まれていたんだなとの認識を深めた一件でした。

当然ですが、自身がこの作品を愛してやまないのは、作品配給について監督の意向の関与があったのかどうかなどは分かりませんが、日本公開版で初見して衝撃体験をしたからに他ならないと言う事は間違いなと断言します。

これらかつて盟友であった主人公らを隔てた、過去と現在での立場の違いの伏線となる、ハッキリとした描写があってこそ、終盤の意味合いはより感動的なものとなるのだから。

何度か繰り返して鑑賞する事でより深まるのは、この映画はただの暴力破壊に終始して自滅する無軌道な無法者達のような印象を表面的には受けつつ、その実日本の任侠物映画の仁義、仲間(義兄弟)意識、義理・人情、最後のお礼参りといったような、“最後には命に換えてもスジを通す”、“自身で過去にケジメをつける"といった事を基盤にした、所謂(男の) 美学が色濃く表れた作品に他ならないことを気付かされる事です。

ある意味、「多方はそうした解釈を理解できない」との考えから、この短縮(アメリカ公開?)版に至った可能性も考えられる事です。
当時のアメリカでの受け取られ方は「壮絶な暴力映画」的で、メディアの中には「Wild Bunch=暴力と訳されるべきではないか?」などの評論のされ方まであったようです。
“衝撃的なバイオレンス・アクション映画”と言う事で十分だったのかと。

そのような方達には「その(更に)向こう側に見えるもの」は見える事は無く終わったんでしょうね…..

参考までに、本邦での初公開当時のポスター等のキャッチ・コピーは、

「生きて帰れぬ男の修羅場
命散らして花咲かす
その名も高きワイルド・バンチ」

でしたから、つくづく上記のような感じを良く捉えているなぁ、と後になるにつれズシっと来ましたね…..

(本来は当然☆5ですが、短縮版としての評価の数字です)

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アンディ・ロビンソン

5.0良心のかけらもないのが、良いと思う。

2022年3月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

理屈なんてどーでも良い。格好良い。まさにマカロニ・ウエスタン。完璧な悪の話で、許される話では無いが、良心のかけらもないのが、良いと思う。銃の音がマカロニ・ウエスタンと同じならもっと良かったのにと思う。

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マサシ

3.0岡本喜八の「血と砂」の方が上

2022年3月1日
PCから投稿

これは往年の名匠と言われるそのサム・ペキンパーの代表作だがどこが良いのかよくわからない。映画全体に漂うやばい雰囲気、ワイルドな雰囲気がいいのかな?
映画全体のテーマとしては「明日に向かって撃て」(紅の豚に大きな影響を与えている)の方が好きだ。またワイルドバンチの評価を高めていると思われるラストシーンに関しても同じラストシーンを持つ岡本喜八の「地と砂」のほうが桁違いに凄いと思う。もちろん「地と砂」の方が作られた年代は古い。ペキンパー、「地と砂」を見たんじゃないだろうか?

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タンバラライ

3.0滅びゆくウエスタン文化の中で

2019年1月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

 アクション映画という切り口から入ったので、最初は物足りなさを感じてしまっていた。マグニフィセントセブンでのカッコいいアクションとかに比べると見劣りしたからね。
 ただこの映画の本質は、滅びゆくウエスタンの文化とその中で引き際を探す強盗団の人間ドラマと見るとこの映画の違った面が見えてくる。
 列車からの強奪やその後の逃走劇などなかなか迫力があった。
 ラストの仲間を救うために玉砕覚悟で戦いに向かうシーンはこみ上げてくるものがあった。

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かつ
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