冷血

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

作家トルーマン・カポーティが一家惨殺事件の全容を綿密な取材を基につづった同名ノンフィクション小説を映画化。「暴力教室」「熱いトタン屋根の猫」などのリチャード・ブルックスが監督・脚色を手がけ、事件発生から犯人の死刑執行までを実録タッチで描き出す。1959年11月14日、カンザス州西部の村ホルカムで、地域の名士として人望を集めるクラター家の4人が惨殺される事件が起きた。警察は直ちに捜査に乗り出すが、犯行動機も手掛かりも見つからず、事件は迷宮入りするかと思われた。そんな矢先、クラター家の元使用人の証言から、ディック・ヒコックとペリー・スミスという2人の青年の存在が捜査線上に浮かび上がる。

1967年製作/134分/アメリカ
原題:In Cold Blood
配給:コロムビア
劇場公開日:1968年5月11日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第25回 ゴールデングローブ賞(1968年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
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映画レビュー

4.0“彼らはたまたまそこにいただけ”と済まされては…

2024年2月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アメリカ文学と映画の関連についての書籍で
この作品が採り上げられており、
原作も、と思いつつも未読だった中、
やはり未鑑賞だったカポーティ原作の
映画化作品を先に初鑑賞することになった。

この映画、作品の中での言葉を借りると、
“相乗作用の犯罪、
2人が融合した第三の人格が犯した犯罪”
と分析される凄惨な事件が
淡々と重苦しく展開した。

私には、“サッコ=ヴァンゼッティ事件を描いた
「死刑台のメロディ」が思い出され、
無罪で処刑された2人が、
この作品での2人と同じ絞首台への経験を
したのかと思うと胸が痛くなった。
死刑制度そのものの是非については、
最終版での記者の遣り取りでも語られるが、
少なくとも政治的な思惑や
事実に基づかない処断は絶対に避けなければ
ならない等の想いが複雑に交錯した。

それにしても、犯人の一人の
“彼らはたまたまそこにいただけ”との台詞
には愕然とされられる。
ロシアによるウクライナ侵攻当初の
ブチャでの虐殺やガザ地区での犠牲が
“住民がただそこに居ただけだ”と済まされては
とても納得出来るものではない。

この作品のリチャード・ブルックス監督
については、
「熱いトタン屋根の猫」
「エルマー・ガントリー」
「プロフェッショナル」
等を観てきていたのだが、
各作品に共通する彼の作風が何なのかを
感じられない完成度が、
これらの作品が“ブルックス映画”との認識が
無いままに観てきていた原因だったかも
知れない。
しかし、この作品は、
カポーティの原作の力なのかは分からないが、私にとっては一番見応えのある
ブルックス作品となった。

さて、この作品はカポーティが
“ノンフィクション・ノヴェル”と銘打った
こともあり、彼は登場しないが、
一方で、フィリップ・シーモア・ホフマンが
カポーティ役として登場して、
アカデミー主演男優賞を獲得した
映画「カポーティ」があり、
この作品との比較が楽しみになってきた。

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KENZO一級建築士事務所

5.0何故カインはアベルを殺した?殺しは殺し。末路は死刑です。

2023年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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マサシ

4.5重い

2022年10月9日
PCから投稿

犯行シーンを終盤まで見せない手法はうまいと思った。
前半は個性的なキャラクターの犯人二人に悪いやつなんだけど感情移入してしまう。
瓶拾いのシーンはロードムービー風でかなり明るい気持ちで観れる。

しかし、終盤回想として犯行シーンが出てくるが、ここでは完全に被害者に感情移入してしまう。
何の非もないのに惨殺されてしまう被害者家族。最後まで「娘は傷つけないでくれ」「母さんは病気なの」と家族を心配する。

そして死刑執行。刑務所のシーンでナレーションが入るが、あのナレーションはいらないと思う。
キューブリックの「突撃」の死刑執行シーンと似た重苦しい雰囲気が出ていて良かった。

重厚なサスペンス、伏線回収、そして美しい映像で最後まで魅せられる、やや雰囲気は重いが、必見の傑作映画である。

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