劇場公開日 1982年12月18日

「たった一人の軍隊」ランボー みつまる。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0たった一人の軍隊

2015年6月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

不屈の魂を宿すジョン・ランボーの孤独な戦いに思わず目頭が熱くなった。
いつも演技力の無さがまず槍玉に上げられるアクションスターのスタローンですが、このランボー役に関しては彼自身の持つ勇猛で気骨あふれる性格が、奇跡的にも役柄と合致したのではないかと思われます。

そして私たちの共感を呼ぶのが、グリーンベレーの過酷な訓練で鍛え上げられた強靭な肉体の奥底に眠っていた彼の余りにも人間的な心の弱さ、脆さ。
警察署に籠城するランボーが、元上官のトラウトマン大佐に向かって心の内をぶちまける場面は、つい男泣きしてしまいますね。
今まで朴訥で無口だった彼が堰を切ったように、「ベトナムの戦場では高価な武器を持たせて貰えたのに、帰国したら駐車係の仕事すら任せて貰えない」等々の不満を一気にまくし立てるのです。
そして、オレたちは一体何の為に命を懸けてまで戦って来たんだと。
ランボーのこの悲痛の叫びに耳を傾けた時、何とも言いようのない悲しみに襲われました。
ベトナム戦争終結後の帰還兵たちが置かれていた厳しい現実を、赤裸々に描いたビターな反戦映画としても、もっと評価されてもいい作品だと思います。

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みつまる。