ラヴィアン・ローズ

劇場公開日:

解説

ロシア・マフィアに捕われの身となったフランス人作曲家と、囮になったマフィアの首領の美しい娘が、支配的な首領のもとから逃れようとする姿を、パワフルな演出で綴ったサスペンス・ロマン。監督・脚本(ヴァンサン・ランベールと共同)は処女作「タクシー・ブルース」で90年カンヌ映画祭最優秀監督賞を受賞したパーヴェル・ルンギンで、『ルナ・パーク』(92、日本未公開)に続く彼の長編第3作。製作はジョルジュ・ベナユン、イヴ・マミオン。撮影はマニュエル・テラン 、音楽はパスカル・アンドレッキオ、美術はエレーヌ・ギオルギス、ヴォロージャ・アロニン、編集はリュック・バルニエ。出演は「ザ・クロウ」のヴァンサン・ペレーズ、本作がデビューのターニャ・メシチェルキナ、「ゼロ・シティ」の名優アルメン・ジガルハニアンほか。

1996年製作/104分/フランス・ロシア合作
原題:Ligne de vie/Liniya zhizni
配給:東北新社
劇場公開日:1997年12月13日

ストーリー

モスクワ。東京からパリへのフライトの途中、空港で足止めを食らったフランス人作曲家のフィリップ(ヴァンサン・ペレーズ)は、オクサナと名乗る美しいロシア娘(ターニャ・メシチェルキナ)に誘われるままに空港を出て夜のモスクワへ繰り出す。いつしか前後不覚になった彼が目を覚すと、そこには二人の危険な男が……。二人はフィリップの言葉には耳を貸さず、無理矢理別のスーツを着せて、やがてボスの部屋へと連れていった。ボスはパパ(アルメン・ジガルハニアン)と呼ばれて恐れられるロシア・マフィアの首領。いつの間にか現れたオクサナが不貞腐れた態度でフィリップの言葉をパパに訳して聞かせる。彼らマフィアが中央アジアのある国に架空の織物工場をつくりあげ、二百万ドルで売りつけるという信用詐欺を計画しており、なんとフィリップは彼らが使うはずで誤って殺してしまった商社マンの代役に立てられたのだ。あまりのことに驚くフィリップだが、オクサナだけが気にかかる。彼女は自分に対してあまりに支配的な父親として振る舞うパパに、嫌気がさしており、逃げ出す機会をうかがっていた。信用詐欺の商談当日。一国の要人相手に捨て鉢に熱弁をふるい、やっとのことで商談を成功に導いたフィリップ。しかし、やがてそれが詐欺だと気づいた彼らは、昔ながらの掟に従い、フィリップの首を要求する。命を狙われ続けるフィリップだが、不思議にも彼を助けようとしたのはパパだった。突然屋敷にやってきてオクサナとフィリップに襲いかかった敵方の強者のジャファル(ドミトリー・ペフツォフ)も、パパの不思議な能力を持つ“手”によって命を落とした。パパがファミリーの会合でフィリップ引き渡しを拒否した夜、オクサナはフィリップを連れて逃亡を図る。娼婦たちとともにイスタンブール行きのトラックで送られた二人だが、パパは執拗に追ってくる。二人を虜にしようとしたトルコ人のギャングたちを血祭りにあげてオクサナの名を叫ぶパパ。二人は隠れていた通気孔の中で身をすくめる……。しばらく後。パリ、ムーランルージュ。自由を楽しむ二人の前にパパが現れる。だが、オクサナは帰ることを拒否。彼女に触れたパパは不思議な手の能力で、オクサナが妊娠していることを知り狂喜するが、二人は冷たく「これはあなたの孫なんかじゃない。二人だけの子供だ」と言う。失意のパパは外に出て、獲物のフィリップを渡せない代わりに、掟通り自分の命を差し出すことを決めて、昔なじみのマフィア仲間の車に乗り込んで去る。二人は彼らを結びつけた名曲、エディット・ピアフの「ラヴィアン・ローズ」を歌う……。

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