闇に抱かれて

劇場公開日:

解説

過去に凌辱された心の傷を抱える女性ジャーナリストが同じ悩みを抱えた者が暮らす療養所で癒されていく姿を描いたシリアス・ドラマ。主演は「ジュラシック・パーク」「パーフェクト・ワールド」のローラ・ダーンで、ジャナ・スー・メメル、トム・コールウェルと共同でエグゼクティヴ・プロデューサーも兼任。監督は「エレファント・マン」などの製作者で『コードネームはエメラルド』(V)などの監督作があるジョンサン・サンガー。製作はパトリック・ホワイトリィ、脚本はケヴィン・ドロニー、撮影はキース・ヴァン・オーストロム、音楽は「バスケットボール・ダイアリーズ」のグレアム・レヴェル、美術はバーバラ・ダンフィ、編集はトニ・モーガンがそれぞれ担当。共演は「プレイグ」のラウル・ジュリア、「湖畔のひと月」のヴァネッサ・レッドグレーヴほか。

1995年製作/アメリカ・カナダ合作
原題:Down Came a Blackbird
配給:マクザム
劇場公開日:1996年

ストーリー

軍事政権下の中米。若く野心的だったジャーナリストのヘレン(ローラ・ダーン)は恋人のカメラマンと取材中に逮捕され、いわれない地獄の体験をして帰国した。1年後。酒と煙草、薬品に溺れる日々の彼女は、拷問犠牲者のための療養所の創設者アンナ(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)と取材で出会う。彼女はヘレンが書いた体験記事を知っていて、彼女を治療に来るように誘う。ヘレンは取材だけで自分の体験は語らなくていいならと療養所を訪れた。自分と同じように、あるいはそれ以上に陰惨な体験を抱えて生きる人々。アンナ自身がナチス・ドイツの収容所の生き残りだった。ヘレナは過去を恐れ生きている知性豊かな男トマス(ラウル・ジュリア)と出会い。彼と友情を深めていく。ある日。ヘレンはグループ治療の席で自分が受けた拷問について口を開く。彼女は何日間か地下牢に監禁されたあげく輪姦され、目隠しをつけたままプールに蹴落とされた。そこで目隠しを外した彼女は恋人の死体を見つけたのだった。自身の体験を告白できたことで癒された彼女。だが、実は信頼していたトマスが実は拷問経験者ではなく、警察に追われる歴史学者だという告白を聞き、混乱して悲嘆に暮れる。そんなヘレンにアンナは「あの人も救われたかったのよ」とささやき、彼女はようやく笑顔を取り戻した。

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