メンフィス・ベルのレビュー・感想・評価
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複雑な思いを胸に飛ぶ
B-17F爆撃機メンフィス・ベルに搭乗する10名の若者達の姿が切ない。
司令官クレイグを演じたデヴィッド・ストラザーンが渋い演技で魅せる。
飛行中の爆撃機内の緊迫した映像がリアルで、無事帰還するという事がどんなに厳しく難しい事かを痛感させられる。
名曲と共に映るラストの帰還シーンが沁みた。
-20万の航空兵の命が失われた
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
『国際紛争解決には別の方法があるはず』
戦死者の遺族の手紙を読む場面で、遺族の手紙の中に『国際紛争解決には別の方法があるはず』と言って『無事の帰還を祈る』と続く。
さて、それが戦争を終わらせる唯一の方法だと思う。しかし、『ナチスドイツの侵略戦争なのだから、仕方ない』と考えるのが歴史的な正解なのだが、それでも、しかし『戦争を終わらせる』には『攻撃しない』って事だと思う。
この映画はプロパガンダ映画だと思うが、遺族の言葉を入れた所だけを評価する。
軍事工場ピンポイント爆撃の描写はその後の無差別爆撃への懺悔と信じたい…
この手の群像劇で
私にとっていつも問題になるのが、
冒頭で懇切丁寧に
説明されているにも係わらず、
各登場人物の区別に苦労してしまうことだ。
それがクリアー出来ていれば、
より楽しめたのではないかとの思いが
今回も頭を擡げた。
しかし、そんなことを割り引いたとしても
良く出来た作品に思えた。
潜水艦ものでは、結果的に艦の構造を詳細に
説明したかのような映画は数多くあるが、
この作品のように、
爆撃機の見事な飛行シーンの映像と共に、
爆撃機の構造やその運用のシステムを
事細かく描いた映画は
殆ど無かったのではないだろうか。
戦闘の各場面に対応して、
パラシュートや安全索の装着や
防弾ジャケットを身に付ける
リアリティ感には感服するばかりだった。
そして、この作品では何人かの
軍人による戦争感が描かれた。
宣伝大佐は、
明日をも知れぬ命への想いに浸る隊員に
寄り添えない人物として描かれ、
彼が遺族の手紙を読まされる場面での
実写フィルムの挿入が
戦争の悲惨さを一番伝えていたようで
見事だったものの、
彼がそれらの手紙でどう改心したのかが
ラストで上手く表現できていなかったのは
残念だった。
一方で、メンフィス・ベル機長の
民間人を犠牲にすまいとの
軍事工場ピンポイント爆撃への強い意志も
強調して描かれた。
しかし、我々はその後の
連合軍によるドレスデン等の
破壊的都市爆撃を知っている。
そして、日本中の都市無差別爆撃や、それが
ヒロシマ・ナガサキに繋がっていくことも。
むしろ、
そんな歴史を踏まえた懺悔と言うか、
戦争という悲惨さな状況の中で、
せめてこう在りたかったとの
製作者側の想いの表れの描写と信じたい。
チーム仲よろしく皆で協力
1943年イギリス。メンフィスベルは24回出撃して無傷で戻った。マシューモディーン扮する機長デニスは、9人の命を預かっていた。
チーム仲よろしく皆で協力。しかし対空砲火などは恐いもんだね。
一爆撃機の一つの出撃、帰還の物語。 当時こういう機内シーンは、世界...
一爆撃機の一つの出撃、帰還の物語。
当時こういう機内シーンは、世界各地で繰り広げられ、もっと悲惨なことは
いくらでもあったと思うと、戦争の愚かさと、戦闘員の気概を
改めて感じずにはいられない。
日本は、神風あり、玉砕あり、原爆まで落とされ、複雑な気持ちにはなるが、
若者の純粋さは世界共通なのだろう。
先の大戦に興味をお持ちの方は、山岡荘八の「小説太平洋戦争」を読んでほしい。
不毛の争い
メンフィス・ベル(B-17F)は第二次大戦のヨーロッパ戦線で活躍した実在の戦略爆撃機。
航続距離の関係で戦闘機の護衛も無く対空砲火の厳しい昼間爆撃では撃墜される機も多かった。
当時25回(後に30回)の出撃で帰還すれば本国に戻れる特例が設けられた、第八空軍の6割が達成できずに撃墜されているそうだ。
戦時国債の販促や士気高揚を狙って軍の広報部は1944年にメンフィスビル出撃のドキュメンタリー映画(The Memphis Belle: A Story of a Flying Fortress)を作っている、なんと監督は「ベンハー(1959)」や「ローマの休日(1953)」でも有名なウィリアム・ワイラー(当時少佐)さんでした。
本作は大分脚色されてはいますがワイラーの娘のキャサリン・ワイラーさんがお父さんを忍んで製作したリメイク作品です。
また、グレゴリー・ペックがクールな司令官を演じた「頭上の敵機(1950)」も同じB-17爆撃隊の戦争映画でした。ヨーロッパでの戦いは米軍兵士にしてみれば助っ人意識、弱い使命感、死への恐怖心から梵ミスもあり多くの若い兵士が命を落としたのですが、その辺の問題をシリアスに扱ったのは「頭上の敵機」の方でしょう、本作は搭乗員の描写も浅いように思えます。
出撃前夜のパーティは実際には行われていませんし、民間人を殺さない為に目標視認まで旋回するなど美談のように描かれていますが脚色でしょう。リスクの高い昼間爆撃は無差別爆撃を避けるための米軍の戦法で英軍はもっぱら夜間爆撃だったとされていますが戦局がエスカレートするにつれドイツでは 131 の市町村が爆撃され、英米両軍による無差別爆撃により、約 60 万人のドイツ市民が死亡したと言われています。民間人が犠牲にならない戦争など古今東西あり得ないことだけは確か、今またウクライナ戦争の真っただ中、人類はいつまで不毛の争いを続けるのか胸が痛みます。
日本に原爆落とした癖に
アメリカって日本に原爆落としたり、東京を夜間空襲して民間家屋を標的に焼夷弾落としまくったりした国ですよね。
それがドイツ人相手だと、民間人には被害が出ないよう、昼間爆撃に拘って人道的にやりましたと言うんですね。それがフィクションならくだらないし、事実なら尚更日本人としては納得できない。
アメリカにとって憎悪の対象は、ドイツ人ではなくナチス。日本は日本人全体、ということがハッキリ分かる映画でした。
爆撃機カッコいい!というだけの人向け。
是非次作はエノラ・ゲイ号でお願いします。
反戦を感じられない戦争映画
数多くある戦争映画の中でも、民間人相手の空爆なんて内容は少ないであろう。一応ターゲットは軍事工場なのだが、その周囲には病院や学校がある。『フォッグ・オブ・ウォー』でも明らかなように、いかに都市を破壊して降伏させるのかが主要な作戦なのだ。いかにも戦争が綺麗ごとであるかのように描かれているところに胡散臭さを感じてしまう。
「ダニーボーイ」がずっとテーマであるかのような音楽。戦隊を組んだりするところなんかは特撮であっても迫力がある。しかし、やられる側、「どうせナチスだ!」などと割り切って考えたとしても、爆弾により何人の罪のない人が死んでいってることやら・・・
単なる戦勝国側の満足映画でしかない。と同時に、日本でこういう映画を公開させるという意図を考えると、戦争に対する嫌悪感を無くそうという政治的な意志が働いているように感じられる。
一式陸攻。知ってますか?
この映画。
自分が忘れる事は出来ないのでレビューします。
自分の父が戦時中「一式陸攻」に乗っていました。
父は陸攻の先端の銃座が受持ちだったんですが、後尾の銃座がめっちゃ怖いらしい。
当たり前だけど追って打つか、追われて打たれるかです。
父のトークはリアルでした。
一式陸攻
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%BC%8F%E9%99%B8%E4%B8%8A%E6%94%BB%E6%92%83%E6%A9%9F
昔、父が話してた戦時中の話と被ってこの作品は、他界した父を思い出す作品。
因みに父は「戦艦陸奥」にも乗船していました。
空戦もの戦争映画の屈指の名作
B-17の爆撃隊を扱っている映画と言えば、言わずと知れた超名作にして有名な「頭上の敵機」
本作とおなじアメリカ陸軍第8空軍のお話
英国の基地から飛び立ち、激しい迎撃をものともせずドイツ本土への長距離渡洋爆撃に出撃を繰り返す物語だ
爆撃機隊が帰還して、何機戻ってきたのか基地の皆が総出で空を見上げて機数を1機づつ数えるシーンは全く同じだ
白黒かカラーかの違い位しか無いぐらい同じだ
しかし内容はかなり違う
サッカーでいえば「頭上の敵機」は監督の物語に対し、本作はピッチで走り回り、激しく戦う選手の側の物語になっているのだ
だから飛行シーン、戦闘シーンが格段に多く戦争映画好きなら大満足は間違いない
まず軍事ものとして嘘がない、考証がしっかりしており軍事マニアの目からも興ざめになる所はほとんどなかった
気になったのは護衛戦闘機がP-51ムスタングである点ぐらい
これは時期的に合わない、その新鋭機の配備はもう1年後のことになるはず
ムスタングなら航続距離が長く劇中の様に途中で燃料不足で引き返したりはしない
とはいえブレーメン上空の航空戦はその再現度合いで感激するほどだった
ドイツ側のBf-109の実機が飛び交うシーンは素晴らしいシーンだ
そしてまた青春物語として、サッカーや野球のチームのような10名の愛機メンフィスベルの乗組員達を描いている所が本作の特徴だ
だが、もったいないことにドラマパートが弱いのだ
この時期の損耗率は10%を越えていたそうだ
つまり10回出撃したら確実に撃墜されるという事だ
25回出撃記録とはそれくらいの幸運が必要であるという重みがある訳だ
前半は電話のシーンはじめそれを表現しようとしているのだが、その悲壮感がもうひとつ伝わって来ないのだ
また、これ程の若者達が戦ったのだと青春群像の形を前半にもって来ているのだが、10人のキャラの立ち方が不足しているのは否めない
なので生還したカタルシスもチームで勝利したのだという人間関係でのカタルシスとの相乗効果が今一つ不十分になってしまった
そこが残念なところだ
1962年のスティーブ・マックイーン主演の「戦う翼」は本作と同様の第二次世界大戦での米軍爆撃機隊の映画だが、本作に不足している部分がしっかりと描かれいるのでこちらも併せてご覧になることをお勧めする
とはいえ大変に楽しめる戦争映画であるのは間違いない
空を扱った戦争映画屈指の傑作だ
本作は実話でありその記録映画をあの巨匠ウィリアム・ワイラー監督が従軍して撮っている
ドキュメンタリー映画「メンフィス・ベル:空飛ぶ要塞の物語(Menphis Belle: A Story of a Flying Fortress)」
本作はこれを新たに劇映画としたもの
製作にウィリアム・ワイラー監督の娘キャサリン・ワイラーの名前が有るのが感慨深い
これを踏まえた上で、このあとの登場人物達の後日談も考えてみると面白い
乗組員達はこのあと米国本土に返り、クリント・イーストウッド監督の「父親達の星条旗」の様な戦時国債購入キャンペーンに駆り出されたかと思うと、これもまた色々な思いに浸れる
さらに戦後、故郷に復員したときの姿までも想像できる映画がある
しかも本物のメンフィスベルの記録映画を撮ったウィリアム・ワイラー監督の作品だ
それが「 我等の生涯の最良の年」だ
アカデミー賞9部門受賞作の名作
その作品で描かれる第二の人生がそれぞれに訪れると思うとさらなる感慨にひたれることだろう
冒頭と終盤に爆撃機が写るシーンもある
こちらもお勧めだ
このメンフィスベル号だが、完全にリストアされて、2018年5月17日からオハイオ州デイトンにあるライトパターソン空軍基地のアメリカ空軍博物館で恒久展示されているそうだ
正に伝説の機体だ
B-17爆撃機での出陣
とは言っても簡単に出来る任務では無いコトは承知の事実で映画としては地味かな。
公開当時に映画館で観てE・ストルツを本気で心配したし戻る際のトラブルの連続にソワソワした記憶があり楽しめた。
序盤にそれぞれ登場人物のキャラを描き残り一時間はホボ戦闘機での場面が続くが青春映画として主要人物を掘り下げた演出が足りないし戦争映画として興奮する描写がイマイチ単純でもある。
仙台青葉劇場にて鑑賞。
戦争における青春群像
総合85点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:85点|ビジュアル:85点|音楽:70点 )
戦争映画だが若者たちの姿を描いた爽やかな青春劇でもある。最後の任務を果そうとドイツに飛び、傷つきながら帰還を果そうと奮闘するメンフィス・ベルとその乗員たちの生き様と行方に引き付けられた。
乗員は同じ部隊に所属する兵士ではあるが必ずしも友人同士というわけでもない。任期が終われば本国の故郷にばらばらに帰り、もう二度と会うこともないかもしれない。
しかし任務を果すために集い力を合わせて生き抜こうとする場面が観られる。大空にドイツ軍戦闘機が飛び交う。迎撃を受けて次々に落伍していく味方の姿に、その死を悼むと同時に次は我が身かと死を感じざる得ない。続いて高射砲の攻撃を受けて損害が拡大していく。空での敵味方の飛び交う飛行機の映像とB17内部での乗員の描写が現実的で質が高くて緊迫感があった。
CGの無い時代に第二次大戦時代の飛行機が飛ぶ姿が見られるだけでも素晴らしい。たまに特撮がそれとわかってしまう部分もあるが、全体として映像は良く出来ている。
清々しい戦争映画・・
第二次世界大戦中のアメリカ空軍の映画。戦争映画では5本の指に入る名作、だと思う。英国の基地から、ドイツにある軍需工場に爆弾を落とす任務を遂行する当時の若者たち10名の模様。B-17「メンフィス・ベル」号は、メッサーシュミットとの戦闘や、煙幕を張られたドイツ上空に危険な緊張感が・・余りストーリーを語るとネタバレになるので。当時の若者たちの無邪気さが映像に出ていて素晴らしい。1990年のリメイクされた作品。
「メンフィス・ベル」を観て・・
アメリカ合衆国の戦時中のドキュメンタリー映画を1990年にリメイクしたもの。英国のアメリカ軍の基地からB-17「メンフィス・ベル」号が25回目の任務を無事に果たしたという実話。その任務とは、ドイツ本土の軍需工場に白昼に空爆するという危険な飛行。しかし当時、戦地で25回の任務を終えるとアメリカ本国に国民的英雄として帰国できた。
クルーの10名の若者らが不安と恐怖の中、高射砲と敵機メッサーシュミットの攻撃をかわしなからドイツ本土の軍需工場に爆弾を落とす。その戦闘シーンはかなり迫力がある。味方のB-17を失い、機内の仲間が瀕死の重傷を受けるが難しい任務を果たす。そして無事に基地に戻ったところで、物語は終わる。
映画に流れる「ダニー・ボーイ」の曲がアメリカの若者らしくていい。
B-17「メンフィス・ベル」号は、戦後に財団が出来て静態保存されているらしい・・
高射砲が恐ろしい
ドイツ空軍の戦闘機が襲ってくる時よりも、高射砲の弾丸が爆撃機の周囲で破裂するときのほうが怖かったな。運任せ以外の何物でもない状況下で、冷静に爆撃目標を定める機長の肝っ玉。本当にそんなことが出来ただろうか。
生きて還ったとは言え、もう二度とやりたくない作戦だっただろう。この乗員たちにとってはラスト・ミッションだったというのが救い。
戦争映画ではなく青春映画
この映画を初めて見たのは、VHSのレンタルビデオ時代。
その後何度も借りて観て、DVDの時代にも何度も何度も借りて、最後にはDVDを買って何度も観ている映画。
私の生涯Best5に入ります。
戦争映画ではなく、青春映画であると思う。
戦闘シーンはあるが、人が死ぬシーンがほとんど無いのが素敵。
特に仲間が芝生で語り合うシーンが大好き。
男の友情、今時そんな言葉は流行らないかも知れないけど、そんなものを感じる映画ですよ。
最近観てないから、久しぶりに観直してみようかな。
って、つい思って何度も観てしまうんです。
若者たちの戦場
今までの出撃を全て無傷でこなした爆撃機“メンフィス・ベル”
そしてその10人の若き乗組員たちは
明日に最後の任務が控えていた
そんなところから始まるこの映画
正直
誰が誰だかなかなかわかりません
全ての乗組員を把握するのには
かなり時間がかかります
そのぶん話に入りづらく
もどかしい気分が続きますが
中盤以降の出撃の戦闘シーンは
かなりハラハラします
果たして爆撃は成功するのか
そして
成功したとしても
全員無事に帰ってこれるのか
いまいち
顔と名前が一致してはいなくても
緊張感のある戦闘場面に入ってしまえば
自然とのめり込んでしまいます
派手な撃ち合いや空中戦があるわけではありませんが
素早い敵戦闘機や
高射砲の弾幕などは
しくしくと爆撃任務の恐ろしさを
リアルに伝えてくれます
まぁ
見る機会があったら
見てごらん
そんな映画です
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