墓石と決闘

劇場公開日:

解説

西部劇史上、最も有名なOK牧場の決闘。この決闘に関係した7人の、その後の運命を描いたもので、史実をつぶさに研究した脚本を「ベケット」でアカデミー賞を獲得したエドワード・アンハルトが書き、「ビッグトレイル(1965)」のジョン・スタージェスが製作・監督した。撮影はルシエン・バラード、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当した。出演は「グラン・プリ」のジェームズ・ガーナー、「マシンガン・シティ」のジェイソン・ロバーズ、「プロフェッショナル」のロバート・ライアン、フランク・コンバース、サム・メルヴィルほか。

1967年製作/102分/アメリカ
原題:Hour of The Guns
配給:ユナイテッド・アーチスツ
劇場公開日:1967年10月10日

ストーリー

1881年10月26日午前11時、OK牧場での決闘は終わった。ワイアット(ジェームズ・ガーナー)と肺病やみのドク・ホリディ(ジェイソン・ロバーズ)は無傷で立っていた。ワイアットの兄弟バージル(フランク・コンバース)とモーガン(サム・メルヴィル)は傷つき、敵側はフランクとトム・マクロウリイが死に、ビリー・クラントンが死に瀕していた。だが、決闘を挑んだ張本人、牛泥棒で殺人犯のアイク・クラントン(ロバート・ライアン)と2人の部下の姿はどこにもなかった。それからもアープ兄弟とクラントン一味の暗闘は続いた。トゥームストンの保安官に立候補したバージルは、クラントン一味の闇討ちにあって足が不自由になった。かわってモーガンが立候補したが、再びクラントンに襲われて殺害された。悲嘆にくれるワイアットのもとに、彼を連邦保安官に任命するという電報がとどいた。クラントンと、その一味ピート、フランク、ビル、アンディの5人の殺人逮捕の捜索隊を結成する、権限と令状が、与えられたのだ。トゥームストンの商工会議所は2万ドルの賞金をつけた。これを知るとドク・ホリディはまっ先に捜索隊に志願した。ワイアットはツゥーサンにフランクがいるという情報をつかむや、単身ツゥーサンに向かい、決闘の末これを倒した。追いつめられたクラントン一味の暴れ方は、ますます悪どいものとなっていった。駅馬車が襲われ乗客は殺された。瀕死の御者からピートの逃げ場所が分かった。捜索隊はアリゾナに向かい、ピートを山地へ追いつめた。ワイアットは決闘を挑んだが、ピートは馬で逃げようとしたため射殺された。帰途、捜索隊は連邦保安官の家に泊まった。ホリディは酒を求めて町に出て酒場でビルと逢った。ホリディの方が早く拳銃を抜いた。だが、ビルの仲間の男がホリディの後から拳銃を抜いた時、ホリディを探しにきたワイアットが2人を一瞬のうちに射殺してしまった。その事件後アンディを捜索隊が捕まえた。アープ兄弟殺害事件には関係していない、と言うアンディを、ワイアットはいら立たせ、怒らせ、馬鹿にし、ついに決闘にもちこませ、これを射殺した。ワイアットの弟の仇にかけた執念と、まるで無造作な殺し方で4人まで射殺した冷酷さにホリディが呆れた。ワイアットとホリディの喧嘩となったが、ホリディが喀血した。ワイアットは追跡を中止し、ホリディをデンバーの病院に運んだ。幾日かが過ぎた。クラントンが、メキシコで牛泥棒をしながら豊かに暮らしていると教える者があった。ワイアットと捜索隊はメキシコに向かったが、病院から抜け出したホリディも一行に加わっていた。クラントンを小さな村に追いつめたワイアットは、クラントンにも1対1の決闘を挑み、そして射殺した。ワイアットはホリディをデンバーの病院に残して帰ることになった。彼はホリディの死期の近いことを知っていた。ホリディは酒瓶を片手に医者とポーカーをやっていた。ワイアットが見たドク・ホリディの最後の姿であった。

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映画レビュー

3.0OK牧場の後日譚。OK牧場って史実だったんだ。てっきり単なる娯楽作...

2022年12月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

OK牧場の後日譚。OK牧場って史実だったんだ。てっきり単なる娯楽作品かと。
てな訳でOK牧場未見な私にはさっぱりわけわかめ。途中でやめて、史実をざっくり調べて、それから改めて見た。おかげでストーリーは把握できたが、正直あんまり…ラストはちょっとかっこよかった。
この決闘、どっちもどっちな気がするが元々悪いのはどっち?(笑)OK牧場見るか。

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はむひろみ

3.5監督J.スタージェスの思い入れのある、ワイアット・アープとDoc Hollidayの男の友情を描く良心的作品

2021年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

 自分が10年前に撮った娯楽西部劇『OK牧場の決斗』に思いがあったのだろう。監督J.スタージェスは、自分が製作者となり、1967年作の本作で、ほぼ史実に忠実なO.K.コラル(Corralは囲い柵だそうで、本作の冒頭に描かれているように「牧場」ではない)の決闘があった後の後日譚、すなわち、西部史上の「英雄」ワイアット・アープの、血に塗られた復讐劇を撮っている。アープの敵役を演じているRobert Ryanの苦み走った悪のダンディズムもいいが、それよりも、本作では、アープと Doc Hollidayとの間の男の友情が興味深い。Doc役を演じているのが、1970年代半ばに二回助演男優賞でオスカーをゲットしているJason Robards, Jr.である。『OK牧場の決斗』でこのDoc役を演じたのがKirk Douglas、その他にも例えば、Victor Matureが1946年に、Val Kilmerが1993年にHollidayになっている。蓋し、この役にはJ. ロバーツが最適ではないか。

 HollidayをWikipediaで検索すると、彼の顔写真が出てくる。痩せた、頬がくぼんだ顔にすこし似合わない髭を蓄えているが、眼は何か人懐こそうな、何か知的な感じを与える。
実際大学出で、歯科医の免許を取り、開業していたことから、Docと呼ばれていた。母親が肺結核で既に亡くなっていたが、その母親に移されたのであろう、21歳で肺結核が発病、一年も持たないと医者に言われて、1873年ダラスに移住、そこでアルコール漬けのギャンブラーの生活を送るようになる。3年後、サウス・ダコタ州にあるDeadwoodで、ワイアット・アープと偶然に知り合う。それからは、アープとの腐れ縁が深まり、1880年アープと協同で、銀山経営に関わり、金持ちになる。このアープの銀山経営がクラントン一家との争いとなり、例の『OK牧場の決斗』事件(1881年10月26日)に発展する訳である。決闘は30秒も掛からなかったという。

 アープのその後の復讐劇には、実際Hollidayも同行しているが、その復讐の合法性については批判的であったようで、結局二人は別々の道を行くこととなり、1885年にデンバーで別れたのが最後であった。その2年後、Hollidayは静養中ではあったが、肺結核の症状が悪化し、亡くなる。享年36歳であった。死を宣告され、それでも酒に溺れたギャンブラー・ガンマン生活を10年以上も続けた後であった。

 1896年、Hollidayが死んで約9年後、ワイアット・アープはあるインタヴューに答えて、Hollidayについて次のように言っている:

 「Docは、歯科医だったが、ある事情が彼をギャンブラーにしてしまった。Docは、ジェントルマンだったが、病気が彼をフロンティアのバガボンドにしてしまった。Docは、哲学者であったが、この世の人生が彼を辛辣な皮肉屋にしてしまった。Docは、背が高い、細身の、灰色のブロンドをした奴だった。肺結核のため殆ど死に掛けていたが、同時にまた、俺が未だかつて知り合ったうちで、極めて腕の立つギャンブラーで、ガンを持たせれば、大胆かつ早や腕の、銃を抜けば必ず死を呼ぶ男だった。」

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やまひで

3.0続編として企画は良かった

2019年11月19日
iPhoneアプリから投稿

出だしは良かった。
後半のグタグタ感が勿体ない。
監督のこだわりはかなりのもの。
出演者も皆さん頑張ってます。

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Yoji

3.0物語も設定も説明不足

2014年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合60点 ( ストーリー:55点|キャスト:60点|演出:55点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )

 ワイアット・アープといえばOK牧場の決闘で知られているが、この作品はその後のワイアット・アープ一味を描いている。決闘で全てが片付き町が平和になったわけではなく、むしろ問題が山積みであった。そのような部分を取り上げるのは面白いし、ワイアットを無法者を倒した単なる英雄としてではなく復讐に燃える一人の男として描いているという視点は良い。
 しかしこの作品は有名なアープ一味と決闘の話を視聴者が当然よく知っているという前提で作られているようで、たくさんの名前が登場するしその割にはどんな人がいて何をしているのかの説明がないために、状況を理解するのに苦労する。特に敵役はどうなっているのかわかり辛いしその分魅力に欠け、場面が変わると途中のことが飛ばされて物語も場所も進んでいることもあるので話に入り込めない。ただワイアットとホリディの友情の部分だけは印象に残った。

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