ブラック・ムーン

劇場公開日:

解説

近未来の非現実的世界を『不思議の国のアリス』のように彷徨う少女の姿を、ほとんど台詞のないまま描く異色作。製作はクロード・ネジャール、監督・脚本は「五月のミル」のルイ・マル、撮影はスヴェン・ニクヴィスト、音楽はディエゴ・マッソンが担当。出演はキャスリン・ハリソンほか。

1975年製作/フランス・西ドイツ合作
原題:Black Moon
配給:ケイブルホーグ
劇場公開日:1990年11月15日

ストーリー

どうやら女と男との間で戦争が行なわれているらしい非現実的な世界を彷徨ううちにリリー(キャスリン・ハリソン)は一軒の大きな館に入っていく。家の中には一人の老婆(テレーズ・ギーゼ)がいたが、リリーのことなど目に入らないかのように無線に聞き入っているかと思うと、今度は泣き出したりで、混乱したリリーの目の前で不思議な出来事が次々と起こっていく。家には他に双子のようによく似た姉(アレクサンドラ・スチュワルト)と兄(ジョー・ダレッサンドロ)がいたが、彼らもまたほとんど無言に近く、リリーのことなど構いもしない。庭にはいつも裸の子供たち、たくさんの動物たち、そして現れては消える一角獣の姿があった。初めて一角獣と話すことができた日の夜、「トリスタンとイゾルデ」を弾くリリーを様々な幻覚が襲う。すべては夢なのだろうか……。そして誰もいなくなった夜明けの部屋で彼女は運命を告げるかのような一角獣の姿を再び見る。

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