ブーメランのように

劇場公開日:

解説

罪を犯した息子を警察から護ろうと、地位も財産も投げ打った父親の父性愛を描く。製作はレイモン・ダノンと、主演者でもあるアラン・ドロン、監督・脚本は「ル・ジタン」のジョゼ・ジョヴァンニ、撮影はビクトール・ロドリゲ、音楽はジョルジュ・ドルリュー、美術はウィリー・ホルト、編集はフランソワーズ・ジャヴェが各々担当。出演はドロンの他に、シャルル・ヴァネル、カルラ・グラヴィーナ、シュザンヌ・フロン、ルイ・ジュリアンなど。

1976年製作/フランス
原題:Comme un Boomerang
配給:東映洋画
劇場公開日:1976年12月25日

ストーリー

今年16歳になったばかりのエディ・バトキン(ルイ・ジュリアン)は、退廃的な麻薬パーティの仲間入りをして間もないある日、踏み込んで来た警官を恐怖のあまり、反射的に近くにあった銃で射殺してしまった。エディの父のジャック・バトキン(アラン・ドロン)は、手広く輸送会社を経営する実業家で、エディは再婚したミュリエル(カルラ・グラヴィーナ)との子ではなく、前妻との間に出来た子だった。留置場でエディと再会したジャックは、徹底的に弁護するから、と立ち直るように励ました。ジャックの顧問弁護士リテール(シャルル・ヴァネル)もエディを救出すべく、老いの身を投げうつ覚悟を固めた。数日後、ジャックは、死んだ警官グリマルディの未亡人(シュザンヌ・フロン)を訪ねた。ジャックの誠意が通じたのか、夫人はかたくなな心を柔らげ、告訴を取り下げる約束をしてくれた。だが、新聞が一斉に、ジャックの前身を暴露したために--前科者であり、ギャングのボスであったという過去--夫人は、一転してエディを起訴した。10年前までは確かにジャックは裏街道を歩いていた。だが、その世界から足を洗うために払ったこの10年間の辛苦が、ジャックを一流の実業家に変身させたのである。ジャックは、エディを麻薬パーティに引きづり込んだ連中を捜しまわり、叩きのめした。こんなジャックを見ているミュリエルとリテールは、彼がまた以前の生活に戻っていくような危険を感じていた。「パパ、僕、死にたくないよ!」と叫ぶエディを見る度にジャックの心はかきむしられるようだった。エディと同じ牢にかってのジャックの子分が収容されており、彼から賭博場を経営しているパスカルというボスの存在を知った時、ジャックは動揺した。ジャックの心理的変化の危険をリテールから知らされたエディは、父のために死のうと自殺未遂を企った。ついにジャックは、パスカルの力を借りて、エディを力づくで奪回する決意をした。その日、囚人護送車で転送されるエディを、パスカルの部下たちか奪回に成功した。ジャックとエディは非常線の張られている飛行場を避け、サン・マルタン山岳地帯からイタリアの国境へと逃亡した。数刻ののち、残雪きらめく山野を、国境線に向って、必死に走るジャックとエディの姿があった。だが、その二つの影を追う警察のヘリコプターが、上空から銃の狙いを定めた……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0未成年による殺人

2019年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 17歳という未成年の殺人事件を扱うとは、さすがフランス。現在の日本ではようやく未成年犯罪について問題にされてきているというのに。しかも、一人の殺人で刑期は15~20年だし、アメリカと違い、弁護士の力も弱いようだ。

 息子エディは留置所において、父親にも犯罪歴があることを知る。マスコミもジャックの過去を暴く。彼を知る刑事や弁護士や予審判事も、かつてのギャングだったジャックに戻ってしまうことを恐れていた。「罪の利子」という言葉が重くのしかかってくる・・・過去は清算されていないと。やがて、善悪のバランスを保っていたジャックが息子を救いたい一心で閉ざされていた凶暴性を露にしていく・・・とても虚しい話だ。人の性善説を覆すかのようなプロットと、父と息子の愛情を見事に絡ませている。

 大胆でもあり、繊細でもあるエディ。今までになかった息子の内面を知るジャック。そして終盤の「やっちまったか・・・」という展開がとても良かった。気になるエンディング・・・どきどき。

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kossy

3.0父親になっても、アラン・ドロンはカッコよかった。

2016年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

父親になっても、アラン・ドロンはカッコよかった。

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tsumumiki
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