陽のあたる教室

劇場公開日:

解説

音楽教育に30年間を捧げた高校教師の半生を描いた心温まる人間ドラマ。監督は「ビルとテッドの大冒険」「飛べないアヒル」のスティーブン・ヘレク。製作はテッド・フィールド、マイケル・ノリン、ロバート・W・コート。「母の贈り物」のパトリック・シェーン・ダンカンのオリジナル脚本で、スコット・クループと共同でエグゼクティヴ・プロデューサーも兼任。撮影は「ターミナル・ベロシティ」のオリヴァー・ウッド。美術はデイヴィッド・ニコルズ、編集はトゥルーディ・シップ、音楽は「未来世紀ブラジル」「ドンファン」の名手マイケル・ケイメン。使用曲はベートーヴェンの交響曲第5・第7番、バッハの『ト長調メヌエット』はじめ、ガーシュイン、レイ・チャールズ、ジョン・レノンなど多彩。主演は「アメリカン・プレジデント」のリチャード・ドレイファスで、劇中で演奏するピアノも吹き変えなしで担当。共演は「愛を殺さないで」のグレン・ヘドリー、テレビシリーズ「マーフィー・ブラウン」(NHKで放映)のジェイ・トーマス、「マグノリアの花たち」のオリンピア・デュカキスほか。

1995年製作/アメリカ
原題:Mr. Holland's Opus
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1996年4月27日

ストーリー

1965年、30歳のグレン・ホランド(リチャード・ドレイファス)は作曲の時間が欲しくてバンド演奏をやめ、新設のジョン・F・ケネディ高校の音楽教師になる。だが実際に教壇に立ってみると生徒にはまるで聞く気がなく、オーケストラの授業もてんでバラバラ。彼はそんな生徒たちに音楽に興味を持たせ、彼らの心を少しでも豊かにすることに次第に熱中していく。妻のアイリス(グレン・ヘドリー)は写真の仕事で家計を助けながら夫を温かく見守る。67年に息子が生まれ、ジョン・コルトレーンにちなんでコールと名付けた。だが彼は先天的な聾者で、息子にも音楽を教えたかったホランドは深く悲しむ。ベトナム戦争でグレンの元教え子にも戦死者が出る。ホランド夫妻は息子を聾唖専門の学校に入れ、自分たちでも手話を習いだすが、アイリスの熱心さとは裏腹に、グレンは逃避するように仕事に没頭するのだった。三年生の演劇祭の出し物がガーシュインをテーマにしたレビューに決まった。グレンは主演にロウィーナ・モーガンという才能あふれる少女を見いだし、歌手が夢だという彼女を励ます。上演が成功した晩、ロウィーナは夢を実現しにニューヨークに行くから、先生も一緒に行って作曲家になれと誘う。だがグレンは昔のバンド仲間に彼女の面倒を見てくれるよう手配し、自分は町に残る。80年、ジョン・レノン暗殺。コール(ジョー・アンダーソン)は父が口の不自由な自分には音楽が分かるまいと思っていることを激しく非難する。グレンはショックを受け、聾唖者のためのコンサートに取り組む。そのコンサートで彼は息子のためにレノンの『Beautiful Boy』を手話つきで歌うのだった。95年、教育予算の削減で芸術系の授業がカットされ、グレン・ホランドは辞職する。引退の当日、過去30年間の教え子たちが学校の講堂いっぱいに集まる。60歳のホランド先生は、自分が平凡な音楽教師でいるあいだにかけがえのない豊かな“作品”を世に送りだしていたことに気づく。

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映画レビュー

4.5子供にはわからない

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

幸せ

はじめは地味だし
なんだかぱっとしないまま進んでいくようで
そんなにそそられなかったのだが、
すでに終盤から涙で画面が見にくくって仕方無かった。
はたから見れば、さえない中年、あるいはじじいに
すぎないかもしれない彼の人生。

若いころに夢とか理想に燃えていたのに
いつの間にか流されて
自分は何をやっているのだろうと
思ったりも誰だってする。

この映画の主人公も常に迷って、悩んで、
でもその時その時に自身のできる一所懸命を
目の前のことに注いだので
心温まるラストシーンがある。

観ながら自分自身に問いただしてしまう。
なんで自分が?
こういうはずじゃあ?
そうぐだぐだ言ってるのは何かにつけやりきっていないからではないのか?

この映画は10代20代に見ても
受け取り幅がもっと小さかったに違いない。
理解するには自分にもいくぶんかの歴史を必要とする。

取るに足らない人間への讃歌だ。
すばらしい。

しかしあのフレーズを思い出してしまって吹きそうになった。
歌は世につれ、世は歌につれ…浜村淳か??

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こまめぞう

5.0わかり易いヨイ話

2022年9月7日
PCから投稿

8割いい話の中に2割の悲しい話が混じっていて、バランスがいいです。
意外に大河ドラマでよの時々の大事件の映像が挟まるので、ある高校教師の半生を追いかけたNHKスペシャルのような趣です。
全体にしっとりした喜劇調で落ち着いた雰囲気でしたね。

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越後屋

3.0派手さはないがちょっといい話

2020年8月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場公開時鑑賞。
普通は『ジョーズ』や『未知との遭遇』なのだろうが、自分にとっては『スタンド・バイ・ミー』のドレイファス。
ちょっとだけいいので疲れた時には良い。

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なお

4.0人生を振り返る歳になって観賞。ぐっとくるものがある。

2019年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ある音楽教師の着任から退職まで。

こういう長いスパンのストーリーは、間に「数年が経った」ことを挟みつつエピソードを紡いでいくので、間延びした感じになりやすいのではないかと思う。たぶん作る方も難しいのだろうけど。
時間が経ったことを示すのに、世相を表現するカットが所々に折り込まれているのはよかった。

ホランド先生を慕うロウィーナを演じたジーン・ルイーザ・ケリーはすごく魅力的だった。
まあ私が年齢的にホランド先生に感情移入したぶんよけいに魅力的に感じたのだろうとは思うけれど(若い娘にモテたい)、残念ながら彼女はその後は作品に恵まれていないみたいだ。

芸術の授業の予算がカットされたことに腹を立て、ホランド先生が教育委員会に噛みつくシーンが好きだ。1995年の作品だが、今の教育行政にも聞かせたい台詞がいちいち胸に染みる。

あと、やはり映画と音楽は親和性が非常に高いことを確信。
ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』や、ディズニーの『シング』、日本映画の『くちびるに歌を』とか、2009年のフランス映画『オーケストラ!』とかね。

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