ピーターズ・フレンズ

劇場公開日:

解説

10年ぶりに再会を果たした大学時代の友人グループの姿を通して、普遍的な友情の価値というテーマを描いたハートウォーミングなコメディ。製作・監督は英国演劇界の風雲児ケネス・ブラナーで、「愛と死の間で」に続いて撮った長編第3作。脚本は出演もしているリタ・ラドナーと、彼女の夫マーティン・バーグマンのオリジナル。エグゼクティヴ・プロデューサーはスティーブン・エヴァンス。撮影のロジャー・ランサー、美術のティム・ハーヴェイ、編集のアンドリュー・マーカスらは、続くブラナー監督作「から騒ぎ」にも参加している。登場人物たちの10年間の軌跡を表すべく、メインテーマ曲としてクイーンの『マイ・ベスト・フレンド』が使われているほか、ブルース・スプリングスティーン、シンディ・ローパー、ティナ・ターナーなど、80年代のヒット曲が効果的に挿入されている。出演は私生活上でもパートナーである「から騒ぎ」のブラナーと「父の祈りを」のエマ・トンプソンを除くと、主人公ピーター役のスティーブン・フライ(英国で著名な劇作家・俳優)をはじめ、ほとんどが日本では馴染みのない俳優ばかりだが、その演技のアンサルブルは絶妙。

1992年製作/イギリス・アメリカ合作
原題:Peter's Friends
配給:セテラ
劇場公開日:1994年10月22日

ストーリー

1982年、大学卒業を控えた男女6人組のグループが、メンバーのひとりで裕福なピーター(スティーブン・フライ)の屋敷で、馬鹿騒ぎに興じていた。彼らは揃いのコスチュームで、一枚の記念写真を撮る。10年後、父の死で屋敷とモートン卿の称号を受け継いだピーターは享楽に身をやつし、この間、社会的にも個人的にも何一つなし遂げたものはなかった。今や広すぎる屋敷を手放すかどうかの選択を迫られた彼は、大晦日に久々に大学時代の仲間6人を招待する。仲間たちもこの10年間に、それぞれ人生の現実と直面していた。映画の衣装デザイナーになったサラ(アルフォンシア・エマニュエル)は、本当の伴侶を探したいという気持ちと裏腹に、既婚者との不倫を重ねていて、今回も俳優のブライアン(トニー・スラタリー)を伴ってきた。かつてピーターと「目を見張る脚本」を仕上げようと躍起になっていたアンドリュー(ケネス・ブラナー)は、ハリウッドに渡ってテレビ業界に携わり、女優のキャロル(リタ・ラドナー)とも結婚し、そこそこの成功を収めていた。だが、理想と現実のギャップに自己嫌悪に陥っており、禁酒の問題を抱えていた。出版社に務めるマギー(エマ・トンプソン)は、何事も自信が持てずにマニュアル書どおりに従っており、まだ独身のピーターとの接近を夢見てやって来た。一番堅実な人生を歩んでいたのは、結婚したロジャー(ヒュー・ローリー)とメリー(イメルダ・スタウントン)のカップルだったが、双子の子供のひとりが死んだ事でメリーが情緒不安定に陥り、夫婦の危機が訪れている。夕食の席上、ロジャー夫婦の子供の話題をきっかけに、いつの間にか一同は罵り合いとなり、久々の再会を楽しもうというピーターの計画は丸潰れとなる。その夜、ピーターの寝室を訪ねたマギーは本のとおりに積極的に迫ろうとするが、彼から「僕はバイセクシュアルだ。君は最高だけどどうしてもダメなんだ」と告げられる。キャロルとブライアンは屋敷を出ていき、大晦日の夜に残ったのは結局、10年前と同じ6人組。まだ仲直りできない仲間たちに業を煮やしたピーターは、自分はHIVウィルスに感染していると言う。衝撃の告白は皆の心を一つに結びつけ、他人を思いやる気持ちを呼び覚ました。明るく希望を失わないピーターの前向きな気持ちに深く心を動かされた彼らは、優しく見守っていた家政婦のヴェラ(フィリダ・ロウ)に促され、新年の祝杯を上げた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0群像劇風

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 音楽家ロジャー(ヒュー・ローリー)とメアリー(イメルダ・スタウントン)は夫婦で、双子の一人を亡くしている。黒人サラ(アルフォンシア・エマニュエル)は大学時代から誰とでも寝ていた尻軽女で、今回の集まりには2週間前に知り合った妻子もちの男を連れてくる。アンドリュー(ケネス・ブラナー)は女優の妻を連れてくるが、学生時代にサラと一時期婚約したことがばれて、妻に帰られてしまう。マギー(エマ・トンプソン)は独身で、ピーターに結婚を迫るのだが、バイセクシャルという理由で拒まれてしまう。

 6人以外の連れ2人が場違いであるかのような振る舞いをして、場がしらけてしまうところが微笑ましい。群像劇風にすることによって、些細な夫婦や恋人の問題よりも大人になっても友情が続いていることを表現し、観ていても古き良き時代を回顧させられるドラマになっている。そして、ピーターだけが群像劇からはずされていると思わせておいて、新年を迎える直前に重大な告白をする。いかにもドラマチックに盛り上げてくれるものの、マギーが使用人の息子とセックスする場面で幻滅してしまったので評価が落ちてしまいました(これは不必要でしょ・・・)。

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kossy
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