バターフィールド8

劇場公開日:

解説

薄倖なコールガールを描いたドラマ。原題の『バターフィールド8』とは彼女の電話番号。ジョン・オハラの原作をジョン・マイケル・ヘイズとチャールズ・スクニーが共同で脚色し、「明日泣く」のダニエル・マンが監督した。撮影は「メリーディア号の難破」のジョゼフ・ルッテンバーグとチャールズ・ハートンが共同で、音楽をブロニスロー・ケイパーが担当。出演は「去年の夏突然に」のエリザベス・テイラー、「年上の女」のローレンス・ハーヴェイ、エディ・フィッシャー、ダイナ・メリル、ミルドレッド・ダンノックら。製作パンドロ・S・バーマン。メトロカラー・シネマスコープ。1960年作品。

1960年製作/アメリカ
原題:Butterfield 8
配給:MGM
劇場公開日:1960年12月22日

ストーリー

ある朝、グローリア(エリザベス・テイラー)はニューヨークのある豪華なアパートの一室で目をさました。ここはリゲット(ローレンス・ハーヴェイ)の部屋で、彼の妻エミリー(ダイナ・メリル)が実家に帰った留守に泊り込んだのだ。グローリアが目をさました時、リゲットはおらず、250ドルの金が置いてあった。グローリアの本職はモデルだが、その生活は男から男へと奔放な日々を送っていた。男の愛情を信じない彼女にとって、リゲットだけは別だった。彼を知って初めて恋を得た。それを金をすまされ、グローリアは腹を立てた。昨夜、引き裂かれたドレスの代わりにエミリーのミンクのコートを着て外に出た。彼女はその足で、幼友達のスティーヴ(エディ・フィッシャー)を訪ねた。彼には何でも打ち明け、彼も本当に彼女の身を心配してくれた。それで彼のガール・フレンドのノーマのドレスを借り、コートを置いて我が家に帰った。ーリゲットは発明家を父に、貧しい家に生まれた。大学在学中、富豪の家の娘エミリーが彼を見染め、結婚した。薬品会社の重役と恵まれた生活も、彼の活動家の性格に合わず、またエミリーの無理解はリゲットを酒と女に追いやった。酒場でふと巡り合ったグローリアと深い仲になったのも無理はない。しかし、彼には彼女の心が金であって、真実の恋とは気がつかなかった。エミリーが帰宅してコートのないのに気がついた。リゲットは警察に届けるのを抑え、グローリアを探した。一方グローリアはリゲットを訪ねたがエミリーがいたのでコートを返しそびれた。ようやくナイト・クラブでリゲットはグローリアに会えた。彼は彼女が浮気でもしていたんだろうと激しく責めた。リゲットの誤解を悲しんだ彼女はスティーヴを訪ねると、彼はノーマと結婚するといった。失意のグローリアの真実に気づき、エミリーに離婚を宣言して彼女の後を追った。街角で二人は再会し、リゲットは求婚した。夢にまでみたリゲットとの結婚も、自分のいまわしい過去のことを考えたグローリアは、自分一人で新生活に入る決心を固めた。リゲットは考え直すようにモーテルに誘った。彼女の失望は募るばかりだった。グローリアの自動車は走り出した。リゲットの車が後を追った。彼女が後のリゲットを振り向いた瞬間、高速度で走っていた車は工事中の停止柵に激突し、断崖からもんどり打って転落した。ーグローリアが死んだ。リゲットはエミリーと別れて、あてどない旅に立った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第18回 ゴールデングローブ賞(1961年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) エリザベス・テイラー
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映画レビュー

2.0ヘップバーンやグレース・ケリーとは異なる妖艶な美貌が…

2022年6月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

エリザベス・テーラーの
アカデミー主演女優賞受賞も、
各登場人物の心理描写も、
その絡み具合も無理くり感が強く、
なかなか理解の及ばない作品だった。

端的に言えば、
お金も、愛も、友情も、全てを求めた娼婦の
悲劇と言うべき話だろうか。

そして、共感出来る人物が
ほとんど出てこないと言う内容では、
作品に没入することも難しかった。

少女時代の主人公に性的な悪戯をする
母親の恋人(彼女の告白ばかりだが)、

本人の自発性ではあったのだろうが、
彼女の娼婦生活を
友人と共に黙認し続ける母親、

恋人がありながら主人公を部屋に引き入れ、
娼婦であることを止めさせることもせずに
甘やかして彼女の誤解を誘導する音楽家、

そして、娼婦と知りながら愛してしまい、
自業自得から彼女を精神的に
追い詰めてしまう富豪の娘の夫。

そして、その数多くの共感出来ない面々の
中心にいるのが主人公だが、
ここまでくると彼女が誘蛾灯の如く、
彼らの人生を狂わせてしまったと
言えなくもない。

思い返せば、エリザベス・テーラーは
「陽のあたる場所」でも「クレオパトラ」でも、
その美貌が故に周囲の男性の人生を狂わす
ような配役が多いイメージだ。
その辺りが
ヘップバーンやグレース・ケリーの
周囲の人生を明るくする配役とは異なる
印象がある。

離婚を繰り返した人生と同じように、
妖艶な雰囲気を併せ持った美貌が故に、
なかなかポジティブな役柄には
恵まれなかった女優人生だったのだろうか。

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KENZO一級建築士事務所

3.0エリザベス・テイラー

2018年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 娼婦の雰囲気を全く出していないが、それもモデル・女優であるからなのだろう。リズの美しさ・・・それよりも胴の細さに目が行ってしまい、ウエストは何センチなのか知りたくてしょうがなくなった。「今あるもので満足しなきゃ」という娼婦哲学、これは何だか好きだなぁ。

 コートを盗んで、返す返さないでモメるシーンでの心理変化がイマイチわからなかった。男の酒に溺れる演技もたいしたことなかったか・・・

 ラストのカーチェイスは当時にしてはすごい!前半のつまらなさが吹き飛んでしまいます。

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kossy
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