劇場公開日 1956年11月22日

「野蛮なまでに自分に素直な田舎男と、その強引さに圧倒され流される可愛い女」バス停留所 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5野蛮なまでに自分に素直な田舎男と、その強引さに圧倒され流される可愛い女

2013年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 75
演出: 65
ビジュアル: 65
音楽: 65

 イメージが先行しすぎて悩んだマリリン・モンローが、真面目に演技を学校で学んだ後に撮影された映画。

 信号もないモンタナのド田舎育ちのカウボーイが初めて都会のフェニックスに出て、ハリウッドを夢見て歌手をしている不幸な生い立ちの女と出会い、野蛮人の振る舞いそのままにまるで牛でも扱うかのように彼女を扱う。育ちも人生の目的も生き様も何もかも違う彼らがうまくなどいくはずもないように思えるのだが、それでも殆ど略奪結婚と言えるほど強引なやり方だが、だがそのあまりに型破りで自分に率直な男に圧倒されて惹かれていく。本当にこんなことでその後もうまくいくのかと見ていて不安になるが、最後のバス停留所での矯正の場面もあって古き良き時代のコメディ映画ではこれは大丈夫ということなんでしょう。
 多少の映画としての強調もあったにせよ、本当にこんな時代だったんだろうという気もします。当時の人の生活も価値観も映画への期待も随分と現代とかけ離れているなと思う。セックス・シンボルと言われているマリリン・モンローだが、それでもその映画は現代から見ると随分と健全。男は男なりに何も計算なしで本当に自分の天使のために行動しているし、映画全体の道徳観に悪意がない。

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Cape God