バグダッドの盗賊(1940)

劇場公開日:

解説

「絶壁の彼方に」のアレクサンダー・コルダが指揮した一九四〇年度色彩映画で、弟のゾルタン・コルダ(「ジャングル・ブック」の監督)と美術監督として有名なウィリアム・キャメロン・メンジースが協同製作する。「熱砂の秘密」のラヨス・ビロがストーリーを書き、脚本家兼俳優のマイルス・メールスンが脚本・台詞を執筆、ウィーン派のルドウィッヒ・ベルガー(「ワルツ合戦」)と「黒水仙」のマイケル・パウエルが協同監督した。撮影はジョルジュ・ペリナール、音楽は「白い恐怖」のミクロス・ローザが担当する。出演者は「ジャングル・ブック」のサブウ、ヴェテラン、コンラート・ファイト、「四枚の羽根」のジューン・デュプレエ、舞台出身のジョン・ジャスティン、「緑の牧場」のレックス・イングラムら。なお本映画は一九四〇年のアカデミイ賞で、色彩撮影、美術、特殊技術、音響効果の四部門賞を得た。

1940年製作/106分/イギリス
原題:The Thief of Bagdad
配給:東和=東宝
劇場公開日:1951年12月22日

ストーリー

バグダッドの王アーマッド(J・ジャスティン)は宰相ジャファル(C・ファイト)の奸計で獄に投ぜられ、獄中で《バグダッドの盗賊》と仇名される少年アブウ(サブウ)の助けを得て脱獄し、バスラへ逃れた。そこの王様の唯一人の姫(J・デュプレエ)は世にも稀な美人。アーマッドは忽ち恋に落ち、姫も彼を愛した。がジャファルが来て姫を貰うという。姫は逃げ、ジャファルの魔法でアーマッドは盲目に、アブウは犬になり、ジャファルが姫を抱く日まで魔法は解けないことになった。捕えられた姫は深い眠りに落ち、呼び醒ますために、乞食になったアーマッドと犬がつれてこられた。我に返った姫は船で連れ出され、愛する者の魔法を解くためジャファルに身を委ねた。元の体になったアーマッドとアブウは小船で姫を追うが、嵐に遭い、アブウは一人或る海岸に漂着、そこで大男のジニーに会い、機智をもって服従させ、千里眼のルビーを得べく大男の背に乗ってある寺に行った。様々の危難に遭いながら首尾よくルビーを盗み出したアブウは、アーマッドの居所を知り一緒になることが出来た。ルビーで姫の様子をみると、姫は志却の青バラで過去を忘れかけていた。たまりかねたアーマッドは独り大男にのってジャファルの宮殿にかけつけたが、忽ち捕えられて死刑を待つばかりとなった。千里眼で一部始終を知ったアブウは口惜しさの余りルビーを岩に投げつけた。するとあたりはお伽の国に一変、アブウは魔法の弓矢を貰い、空飛ぶ絨毯に乗ってアーマッドを救い、ジャファルを殺した。かくてアーマッドと姫は喜びのうちに王位につき、アブウは新しい冒険を求め、飛去って行った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第13回 アカデミー賞(1941年)

受賞

撮影賞(カラー) ジョルジュ・ペリナール
美術賞(カラー)  
特殊効果賞  

ノミネート

作曲賞 ミクロス・ローザ
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映画レビュー

3.5映像の素晴らしさを満喫

2022年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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はむちん

3.5松本零士のヒロインが実体化したかのようなジューン・デュプレの美しさ!

2018年10月23日
Androidアプリから投稿

特撮は現代の目から判断しては酷
当時としては驚異的な映像であったのだろう
現代の視線からも観る意義を感じるのはバクダッドやバスラの街並みのセットや帆船の美術、アラブ風の衣装などだろう
物語自体は凡庸で大したひねりもなく、はっきり言って退屈だ

では、何が一番の見所かというと王女役のジューン・デュプレの美しさだ
アラブの異国情緒溢れるメイクアップ
切れ長の力のある目、細い長い眉、濃いアイシャドウ、白い面長の顔、細い肩と腰、長い手足
どこかで観たことあるはずだ
まるで松本零士の漫画に登場するヒロインそのままの容姿なのだ
ひょっとしたら松本零士の美女のイメージはここから来ているのかも知れない

本作はその彼女の息を飲む美しさだけでも観る値打ちはある

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