陪審員

劇場公開日:

解説

マフィアに脅迫され、陪審員を務める法廷で虚偽の証言を強いられた女性の危難と闘いを描いたサスペンス・スリラー。「ザ・インターネット」などの監督作でも知られるプロデューサーのアーウィン・ウィンクラーが雑誌『ニューヨーカー』に載った実録記事にヒントを得、同じテーマだったジョージ・ドーズ・グリーンの同名小説を発売前に映画化権を取得。「羊たちの沈黙」のテッド・タリーが脚色し、「TINA/ティナ」のブライアン・ギブソンが監督に当たった。N.Y.郊外からメキシコのインディオ村までの多彩なロケを展開した撮影は、「不法侵入」「TINA/ティナ」のジェイミー・アンダーソン、音楽は「ウォーターワールド」のジェームズ・ニュートン・ハワード、美術はヤン・ロールフス、編集はロバート・ライターノ、衣裳はコリーン・エイトウッドが担当。主演は「スカーレット・レター」のデミ・ムーア。共演は「ゲッタウェイ」のアレック・ボールドウィン、「エンジェルス」の子役ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、「ミルク・マネー」のアン・ヘッチ、「ニクソン」のトニー・ロー・ビアンコほか。

1996年製作/アメリカ
原題:The Juror
配給:コロンビア トライスター映画
劇場公開日:1996年5月18日

ストーリー

彫刻家のアニー・レアード(デミ・ムーア)は、11歳の息子オリヴァー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)と、N.Y.近郊で二人暮らし。ある日、彼女にアメリカ市民としての義務=陪審員としての出頭要請が来た。事件は、マフィアのドンと孫の少年が殺され、ファミリーのボス、ボファーノ(トニー・ロー・ビアンコ)が殺人の罪で裁かれようとしていた。アニーは法廷で事件と被告に対し、予見のないことを凛として宣告。そんなある日、マーク・コーデルと名乗るハンサムなバイヤーが、彼女の作品を買いたい言ってきた。紳士的で自分の作品を褒めてくれた男に好意以上のものを感じたアニーは、彼を自宅兼仕事場に招いた。彼女の心はときめくが、その瞬間、目の前で男が豹変し、「陪審で無罪と言わなければ、息子の命はない」と言った。男の正体は、ティーチャー(アレック・ボールドウィン)と呼ばれるシンジケートの放ったヒットマンだった。彼はパートナーのエディ(ジェームズ・ガンドルフィーニ)と組み、ボファーノ・ファミリーの意を受けて裁判を無罪へ持ち込もうとしていた。そのための囮として選ばれたのがアニーで、ティーチャーは彼女の私生活を常に監視し、あらゆる個人データを入手していた。法廷ではボファーノと幹部の会話を録音した1本の証拠テープの内容が、裁判を左右しようとしていた。翌日、アニーはティーチャーから法廷の風向きを聞かれ、重ねて脅迫された。恐怖でナーバスになったアニーは、事情を知らないオリヴァーと珍しく衝突し、その様子をアニーの親友で女医のジュリエット(アン・ヘッチ)が心配する。彼女のアドバイスを受けたアニーは、公判の裁判長を訪ねる。陪審の任を解いてもらうためだったが、もとより受け入れられるはずはなった。アニーの行動を察知したティーチャーは、彼女と、訪ねてきた自分の知り合いの酔っぱらったロドニーという男を車に乗せ、郊外へ向かって疾走。ティーチャーは前方に自転車に乗ったオリヴァーを発見し、これをはねようとしてアニーは悲鳴を上げる。彼女の眼前でロドニーは車ごと谷底へ落とされた。ティーチャーの残酷さを見せつけられたアニーに、選ぶ道は一つしかなかった。ティーチャーにもボファーノ・ファミリーからプレッシャーがかかり、彼は陪審員たちが隔離されたモーテルに侵入、盗聴マイクが仕掛けられたネックレスをアニーに無理やり握らせた。“疑わしきは罰せず”と、アニーは熱弁を奮って有罪に傾いていた陪審員たちの心証を次々と覆していく。そして、ついに判決は無罪に。一方、ティーチャーにはボファーノから多額の報酬が渡された。真犯人はもちろんこの2人だった。タロウ検事(リンゼイ・クローズ)たちはアニーを呼び出し、脅迫の事実をつかむ。彼女は捜査への協力を要請されるが、決心がつかない。そんな時、ジュリエットが自殺に見せかけて殺された。あくまでアニーの口を封じようとするティーチャーの仕業だった。恐怖に混乱した彼女は、オリヴァーを中南米グアテマラの村の友人の医師に預け、N.Y.に戻った。心を病んだティーチャーは、今やアニーとオリヴァーの父親代わりになろうと思い込んでいた。暴走する彼はボファーノ一味を虐殺し、オリヴァーのいる南米へ飛んだ。それを知ったアニーも後を追う。村祭の最中、ティーチャーがオリヴァーの前に現れて迫ったその時、アニーの銃が火を吹き、彼を倒した。アニーは、ティーチャーが無理に渡した報酬で飛行機をチャーターし、一歩先んじていたのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0陪審員のリスク

2023年12月31日
PCから投稿
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プライア

3.0アレック・ボールドウィンの極悪ぷり

2022年11月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ラストまで緊迫感があって楽しめました
ストーリーとしてはデミ・ムーア演じる主人公とアレック・ボールドウィン演じるサイコを軸に進み、タイトルの陪審員はそこまで関係なかったです
この作品は、とにかくアレック・ボールドウィンの極悪ぷりがすごくて、おまけにかなりのサイコ
なのにあのイケメンなので楽しめたかもです
子役がどこかで見たようなって思ってたら、ジョセフ・ゴードン=レヴィットでした
劇中のアーティストである主人公の作品が本当に何かわからず、あれを作品としているのが謎すぎました

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小町

2.5バイタリティ溢れる主人公との矛盾

2020年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

マフィアのボスを裁く陪審員に選ばれた女性が、無罪判決に導くようにマフィアに脅され苦悩するストーリー。

最近ではめっきりと見なくなったマフィア物。主人公を脅迫する暗殺者の存在感が秀逸です。残虐性による恐怖だけでなく、変質者としての不気味さを漂わせ、映画としての魅力を高めているいるように感じます。

ただ、主人公がFBIに最初から訴え出なかったことに少々不思議に感じます。勿論、恐怖から精神的に拘束されるケースは良くあることだと思いますが、主人公のバイタリティー溢れる言動を見ると、そう言ったタイプではないように感じます。

あと、ラストはやや弱く感じました。あそこまで引っ張るのであれば、もう一展開欲しかったですね。

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よし

2.0陪審員でいる意味は?

2019年4月28日
PCから投稿

せっかく陪審員というテーマを扱っているのに、うまく活かせてなかった。

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宮西瀬名
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