バード(1988)のレビュー・感想・評価
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"bebop"
イーストウッドが描くチャーリー・パーカーはボロボロで危うい雰囲気のまま救われない、時間軸がごちゃ混ぜで少し困惑するがチャーリー・パーカーというよりも演じたフォレスト・ウィテカーの存在感に和まされながらも容姿が似ている感覚はなく、少年時代のチャーリー・パーカーがフォレスト・ウィテカーに寄せている感じもする。
時代的にも珍しいようなチャーリー・パーカーの周りには奥さんも含めて白人女性ばかり、ロックンロールを受け入れられない拒絶反応、確かにアレは頂けない、60代に見間違う程に精魂尽き果てた若過ぎる最後。
あまり知識のない方々には不親切な作りにも、イーストウッド自身が万人ウケとは関係なく撮った感も、ジャズ愛好家は本作をドウ観たのか、気になるところ?
ジャズ・レジェンド、チャーリーパーカーの伝記映画。
モダンジャズの父と称えられるチャーリーパーカー。
その生涯を描いた伝記映画。同じジャンルの作品は
たくさんありますが、「バード」は、
ミュージシャンとしての功績、偉大さより、その人間に
クローズアップした作品のように感じました。
どちらかというと、晩年の姿が印象に残る作品ですね。
ミュージシャンが辿る道、酒にドラッグに性。
この人も同じだったんですね。
161分という長さは気になりませんでしたが、
時系列がバラバラだったのが辛かった。
この人のファンじゃないと、分かりにくいんじゃないかな。
緊急事態宣言がまたもや延長されて、夜遊び出来ずにモヤモヤした気分なら本作を観て夜の街に繰り出した気分を味わいましょう!
ジャズファンでなくとも、チャーリー・パーカーの名前は聞き覚えがあるはず
1955年に34歳で亡くなったジャズの巨人
伝説のジャズサックスの名プレイヤー
バードと言うのは彼の渾名
本当はヤードバード
それを縮めてバード
ヤードバードとは、ひよっことか、一番下っ端の雑魚ぐらいの意味
その雑魚だったかれがジャズの一大ジャンルのビバップというモダンジャズのスタイルを打ち立てた天才であったのだ
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジら有名ギタリストを輩出したことで知られるロンドンの60年代のロックバンドのヤードバーズはこれに由来していることはロックファンなら知っているはず
NY の有名なバードランドというジャズクラブも彼の渾名から採られたもの
そのシーンも登場する
本作はそのジャズの神様の人生を描いたもの
本作の中の現在は恐らく1955年の彼の死の日
他はすべて彼か、彼の周囲の人々の回想であり、過去や現在が行ったりきたりして進行していく
序盤にドラムのハイハットが宙を飛ぶシーンがある
その意味は、オーディションを兼ねたコンテストで演奏を止めない彼に強制終了を告げるための行為であることが前半に劇中で説明される
そしてラストシーン近くでまたもやハイハットが宙に飛ぶ
その意味は勿論、人生の強制終了だ
デジー・ガレスビーはじめモダンジャズの神々が登場する
ジャズファンならまさに神話の創世記の世界だ
音楽をメインに据える映画だけに、音が良くなければ白ける
しかし心配無用
本人の当時の演奏を切り出して、他の楽器パートを新しい録音してミックスしてあり、彼のサックスの音は確かに昔の音質なのだが、全体としては本当に現代に彼が蘇って新しく録音されたかのように思えるほどのもの
コロナ禍でジャズクラブにも、音楽バーにも長らく遊びにいけずに溜まっていたものが、まるで劇中のクラブに自分もいたかのように錯覚して胸がスッとすること請け合いです!
緊急事態宣言がまたもや延長されて、夜遊び出来ずにモヤモヤした気分なら、本作を観て夜の街に繰り出した気分を味わいましょう!
前半のチャンが18クラブに繰り出す夜の繁華街の華やぐシーンにはこちらまでウキウキしてきます
南部のオンボロクラブのシーンはマービンゲイのアイウォンチューのジャケットのアニー・バーンズのアートの世界そのもので感激します
物語は過去と現在が回想によって、時系列も複雑に入り組み分かり辛いのは確かです
その彼の人生もまた、バンドマンの良くある人生を煮詰めたような、ろくでなしの破滅的なものです
ならばジャズファンでなければ、本作を観る意味は無いのか?
チャーリー・パーカーの名前に畏敬を覚えない人間には観る値打ちはあるのだろうか?
ある
そう断言します
公開は1989年
その当時は見えなかったものが、2021年の現在ならハッキリ見えるようになったと思います
1955年、公民権運動の10年も昔
しかしジャズの世界は腕の良し悪しのみ
肌の色は関係がない
むしろ黒人の方が優れた才能を発揮して、差別どころか尊敬される
音楽を通じた人種平等の世界が描かれているのです
アートに色は関係ない、音楽も無色だ。
これは1960年代世界中にヒット曲を送り出したモータウンの社長ビル・ゴーディの言葉です
人の持つ才能だけが平等に評価される
そこには肌の色は関係がない
そんな社会の有り様が描かれているのです
チャーリー・パーカー生誕100周年
本作公開から32年
21世紀の現代は進歩したのでしょうか?
そんな視点で観ても見応えがある作品であると思います
フォレスト・ウィテカー
カンザス生まれのはぐれ者チャーリー・パーカー。麻薬でボロボロ、しかも胃潰瘍。医者からも余命20年と見離された男が過去を振り返る。
プロポーズというか彼女を誘うシーンでは、サックスを仲間に吹かせ、白馬に乗って迎えに来るウィッテカー。その頃はもう有名人だったチャーリー・パーカーだったので、ダンスホールでも注目の的だ。サックスを質に入れて馬を借りたというエピソードがほほえましい。
結局は音楽と麻薬の世界。ストーリー性やメッセージが薄いけど、フォレスト・ウィッテカーの雰囲気がとてもよかった。
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