劇場公開日 2018年7月21日

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野いちごのレビュー・感想・評価

全17件を表示

3.5人間の死や老い、家族などの普遍的なテーマ

2023年8月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

名誉学位の授与式に向かう老教授の一日を
彼の悪夢や空想、追憶などの心象風景を交えて
描写した作品。

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ほんのり

3.5イーサクの遺作

2022年7月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

何が彼をそーさせたのか、孤独で静かに頑迷だった親父の晩節が描かれている。夢は逃避の象徴として扱われることが多いですが、その逃避の夢が現実を変えるキッカケになり、ラストシーンでみる夢の慰めも深まる。

義理の娘は東京物語の原節子か。誰にでも女神はいる。

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filmpelonpa

4.5イングマール・ベルイマン

2021年4月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

幸せ

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Y

4.0イングマール・ベルイマン

2021年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 旅の途中の回想シーンはイーサクの人生の中でも辛いものばかり。弟に取られたサーラ。妻と男との密会。医師の試験まで受けさせられ、有罪判決を受けるというわけのわからない夢まで見てしまうのだ。

 そんな嫌な記憶はあれど、三人の若者が純粋で楽しい。なぜだかその対比がイサークの人生の苦楽を象徴していて、生きる勇気をも与えてくれそうな雰囲気。一方、同じく医師である彼の息子も38歳という若さで死について考え込む性格らしい。嫁とも上手くいっていないことがイサークの気になるところだ。

 たった1日の間に辛いこと、楽しいことをいっぱい経験した。若者たちが別れ際に歌を歌ってくれたのもうれしい。これが生きている喜び。就寝時には青春時代の楽しい思い出を夢に見る。

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kossy

2.0老いて省みる日々・・

2020年10月13日
PCから投稿
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odeonza

5.0寛容を身に付けた老博士の人生回顧にある苦渋と達観の厳格なる映像作品

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

現代映画人の中で最も異才を放つイングマル・ベルイマン監督の最高傑作。地位と名声と安静を得た孤高の人生の晩年を迎えたひとりの老博士を主人公にした、ほんの数日の出来事。悪夢と追憶の内的苦渋を抱えながら、ただ流れに逆らわない人生を達観した人間の精神の在り方を厳格に描く。これを39歳の老成したベルイマンが、既に、すでに関心を抱き制作したことに驚嘆する。凡人には計り知れない密度の濃い経歴を蓄積した上でなければ表現できない映像作品。
エピソードの中で最も興味深いのは、主人公が息子の妻の運転で移動する道中で拾った3人の若者たちとの関わりあい方である。女性一人の男性二人の三角関係を窺わせる自由恋愛の価値観にある若い世代と衝突する訳ではない。老博士は学問への執着からか、俗世間から離れ孤独な生活を送る身であっても、突然の若者との会話で戸惑うことなく逆に善き聞き手になっている。老博士の若者を見る姿勢は優しく、また若者たちも自由奔放ながら礼節を持ち敬仰している。この出会った日の夜の別れの場面が素晴らしい。
博士は、自分を取り巻く環境に操られることなく堅固として自己の良心を貫き通してきたのだろう。その内面は悩み苦しむことがあっても、肉体的にはどうこうされるものではなかった。自分が置かれた、また作り上げたきた立場を噛みしめながら、夢の中では少年時代を懐かしく回顧し、亡き父や若き母の姿を表情健やかに眺めることが出来る。人生を全うする者の率直な感動がある。表面上冷たく静かなベルイマンの演出は少しも冷徹ではなく、人生を見通した微笑みに満ちている。

地位も名誉も得て、あらゆる俗世間からひとり孤高を持する老博士の豊かなるゆとりの精神。存在の哲学的理解を超えて、知力の全てに身を任せても、人との触れ合いに人間的な寛容さを備えた人格の内的世界を見事に描く。
  1976年 5月9日 高田馬場パール坐

45年前の駄文を記憶を頼りに再録してみましたが、10代の感動をそのままにしたい気持ちでいます。いつか観直したら、己の人生の粗末さに打ちひしがれるようで怖いです。

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Gustav

4.050代にちょうどいい。

2018年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

 男性優位の社会慣習や男女問わない日常的な喫煙の一般化など、分かりやすい時代錯誤感を捨象してみれば、今見てもとっても新鮮な老人ファンタジー。シュールだけどリアル。夢と現実の交錯という映画的技法が素直に楽しめた。
 個人的にはベテランの住み込み女中さん(あー、これも今はPC的にアウトな言い方かな)のチャーミングなセリフと仕草が大好きだった。若いときに見ても、誰にも感情移入できなかったかもしれないな。
 今、生誕100周年でありがとう、ベルイマン。

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Kumiko21

5.0夢からのメッセージ

2018年8月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

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kkmx

4.5人生の終わりにしみじみ

2018年6月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

小津安二郎監督と通じる語り口
功なり名も遂げた老人
しかし晩年は寂しいものだ
振り返ってみればこうすれば良かったと反省することもある
それだけの話だ
それを上手い構成でロードムービーとして構成してみせる手腕は見事
淡々としみじみながら全く飽きさせない

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あき240

3.5正直、見ている途中は退屈だった。 爺さんの人生回想されてもなあ(笑...

2018年4月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

正直、見ている途中は退屈だった。
爺さんの人生回想されてもなあ(笑)
それにこれは私の苦手な、「何が言いたいのか分かるかい」系の上から目線映画とも感じた。
最後は幸福感に包まれようやく良かったと思えた。後、若者の無邪気な爽やかさも良かった。

鑑賞後ネットの様々な解説を読んで、すごい作品だったんだと気付かされました。皆さん、深いところまで味わっているんですね。ほんと私はまだまだです。
人生晩年にもう一度見よう。呆けてますます本作の良さが分からなくなってるような気がする(笑)

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はむひろみ

3.0ベルイマンらしい分り辛さ

2017年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合55点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:60点|音楽:65点 )

 社会的に成功している医者が急に夢を見る。何故今更彼はこんな夢を見るのか。
 彼の体験するようなことはこの日ではなくても普通に起きていたのだろうが、彼自身がそれをあえて気にもせずに無視していただけではないかと思う。年老いて死を意識して初めて知った自分の不安と孤独という現状が、他人に無関心な彼の観る景色と人に関する意識を変え彼自身も変える。自分の意識の変化が観るものを変えているのである。

 でもベルイマン監督らしい抽象的な描き方で相変わらず分り辛い。夢と現実が交じり合ってはっきりしない。感覚で感じとるのだろうが、彼の演出にはどうも素直にのめりこめない部分がある。たった半日の小さなことの積み重ねでの変化というのにもそれほど惹きつけられなかった。

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Cape God

2.5シュール

2016年7月3日
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意固地・偏屈は不幸ねぇ(^^;;

1957年でこんな面白いもの作ってたんだーと
いたく感心した

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mamagamasako

4.0しみじみとした希望

2016年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

とんだガンコ爺さんが主人公ですが、乾いたタッチでユーモアもあり面白かったです。
人生の成功者である老教授が、その証である授賞式に向かう途中、自分の過去と改めて向き合っていきます。
イングマール・ベルイマン監督、1957年の作品です。

大昔にTVで観たことがあるらしく、冒頭のシーンと終盤の絵画のような美しい光景にはハッキリ記憶がありました。
ストーリーはサッパリ忘れてましたが、それだけのインパクトのある映像です。

心の底に沈んでいた過去に触れながらの、老教授の小旅行の行く先は…。
誰だって新しい今日を生きているのです。
歳を重ねて改めて出会い、しみじみとした希望を受け取りました。

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グッドラック

4.5人生の最後に自分人生に価値が無かったと思い知らされる恐怖

2016年5月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

人間は誰もが『価値がある人生』を送ってその一生を終えたいと思っている。

それは『自分の育てた家族』であったり『社会に対する貢献』であったり『常人では成し遂げられない偉業』であったり、その形は人それぞれではあるが『価値ある人生』とは一夕一朝で成せるものではない

それを成し遂げる為の階段を毎日一段一段登ってゆく地道な日々の積み重ねなのだ。

努力を重ね、成長と反省を繰り返し、日々の積み重ねを成し遂げた者だけが『価値ある人生』を終える事ができる。

しかし、人生が終盤に近づき自分の人生を振り返った時、今まで積み重ねた日々が『間違っていた』『勘違いしていた』ことに気付いてしまったとしたらどうだろう?

それに勝る絶望は無いのではないだろうか。

立派に成長し、自分の事を尊敬してくれていると思いこんでいた子供の愛情が実は勘違いだった…

共に人生を過ごした愛すべき伴侶から本当は愛されていなかった…

この映画は人生の黄昏に差し掛かった老人が何十年と信じ続けてきた『自分の人生の価値』が本当はハリボテのイミテーションであったと思い知らされる地獄巡りの旅を描いた映画です。

傲慢の罪に対する罰は『孤独』恐ろしい、恐ろしい、物語…

しかし、この映画は絶望だけでは無く最後に微かな希望を残して終わります。

人生、『もう間に合わ無い』なんて事は無い、これから、今すぐにでも自分の生き方を見つめ直し、他人の為に『すべき事を成せ』

時間を戻すことは出来ないけれど、自分のあるがままを受け入れてゆく事はできる

そうすれば笑って人生を終える事もできるんじゃないか?

…僕にはこの映画がそう呟いているように感じました。

スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンの1957年製作の作品ですが、そのメッセージ性は古びる事なく、今も人の価値観を揺さぶる名作だと思います、お薦めです!

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みじんコ

3.0ワシにはまだ早い

2016年5月2日
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saikimujin

4.0甘酸っぱい「追憶」

2015年2月5日
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楽しい

幸せ

気難しいおじいちゃんが、夢を通して自分の人生の棚卸しをする。
「追憶」とは、過ぎ去ったものを懐かしむとか、失った心の故郷を取り戻したい感情なのではない。
それは、過去と現在の間ににひっかかっていて、「未来」へ通じる「時空との対話」のようなもの。

勇気とユーモアをもって過去を引き出すことができれば、もう必要のない癖を手放すことができる。そして本当に価値のあるものが輝き始める。

家政婦さんとの丁々発止な会話に、まぎれもない愛情があり、嬉しくなった。

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Raspberry

2.0あのSF作品の元ネタがこんなところに

2015年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

 回想、夢、旅の途中で出会う人々。三つの次元で老人の物語が語られる。
 最初の夢のシーンの印象は強烈。誰もいない街路に、樹木と街灯の影が横たわっている。そのうち街灯の影はカメラが動いても形や長さを変えない。これは街灯に陽が当たって形作られた陰ではなく、実際にはセットの書割に描かれた絵である。この効果は大きく、モノクロの映像で非現実的な雰囲気を出すことに貢献している。
 また、ラストの授賞式のシークエンス。荘厳なファンファーレが鳴り響き、ホールに厳粛な雰囲気が満ちる。主人公を囲む人々の晴れやかな表情。老人がおのれの人生への評価を、否定的なものから変化させていくシーン。似たようなシーンを30年後の作品で観た。ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ」第一作のラストの元ネタは恐らくこの授賞式であろう。
 21世紀に入っても、映画が描く人間には大きな変化はない。探せばもっとほかにも元ネタがあるのかも知れないが、そんなことよりも、ベルイマンの描く人間の姿を凝視したい。

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佐分 利信