日曜日が待ち遠しい!

劇場公開日:

解説

ある殺人事件に捲き込まれた女秘書の活躍を描くサスペンス。製作はアルマン・バルボール、監督は「隣の女」のフランソワ・トリュフォーで彼の遺作にあたる。チャールズ・ウィリアムズの原作(「土曜を逃げろ」文春文庫刊)を基にトリュフォーとシュザンヌ・シフマン、ジャン・オーレルが脚色。撮影はネストール・アルメンドロス、フロラン・バザン、テッサ・ラシーヌ、音楽はジョルジュ・ドルリュー、編集はマルティーヌ・バラークとマリー・エーメ・デブリル、美術はヒルトン・マッコニコが担当。出演はファニー・アルダン、ジャン・ルイ・トランティニャンなど。

1982年製作/フランス
原題:Vivement Dimanche!
配給:東宝東和
劇場公開日:1985年5月3日

ストーリー

バルバラ・ベッケル(ファニー・アルダン)は、南仏のニースに近い町にあるヴェルセル不動産のオフィスで秘書として働いている。社長のジュリアン・ヴェルセル(ジャン・ルイ・トランティニャン)は狩猟好きで、その朝も鴨撃ちに行っていた。留守中に社長夫人のマリー・クリスティーヌ(カロリーヌ・シホール)から電話が入り、預金を下ろして送って欲しいと依頼される。オフィスを留守にできないことなどを理由にバルバラが断っているところへ、ジュリアンが戻って来た。電話をかわった彼に、秘書の悪口を言う夫人。結局、バルバラは、クビになってしまった。その日、警察署長のサンテリ(フィリップ・モリエ・ジェヌー)と助手のジャンブロー刑事(ローラン・テノ)がオフィスにやって来てジュリアンの狩猟仲間のジャック・マスリエという男が、その朝やはり鴨撃ちに行って銃で撃ち殺されたことを知らされた。バルバラは、素人劇団の団員で仕事を終えると、稽古に入る。次の日曜日にヴィクトル・ユゴーの「王のたのしみ」が上演されることになっていて、バルバラは、道化師トリブーレの娘で小姓姿のブランシュの役だった。道化師トリブーレを演じるベルトラン(グザヴィエ・サン・マカリー)は、バルバラとは一年前に離婚しているが、今でも時々関係を迫っていた。クビを宣告したはずのジュリアンが、自分の殺人の容疑を晴らすために無実を立証して欲しいと協力を頼みに来た。ジュリアンの許に脅迫電話がかかり、ヴェルセル夫人と恋愛関係にあったマスリエを、ジュリアンが嫉妬から殺したんだ、となじった。その夜、ニースのホテルから戻った妻とその電話をめぐって口論するジュリアン。遂に警察に呼ばれたジュリアンは、親友の弁護士クレマン(フィリップ・ローデンバック)のおかげで拘留はまぬがれたものの、家に帰ってみると、妻が惨殺されていた。ジュリアンの頼みで、マリー・クリスティーヌの結婚前の行動を探ることになったバルバラは、ニースに向かった。そしてひょんなことから知り合ったラブラシュの協力を得て、マリー・クリスティーヌが、本名ジョジアーヌといい、偽名を使って結婚、美容院を経営していたというのもうそで、その場所はかつて“赤い天使”というナイトクラブであったことがわかった。マスリエが館主だった映画館“エデン”座に電話して事件を探っていくバルバラ。バックに大きな売春組織が絡んでいることがわかった彼女は娼婦に扮して組織のボスなる人物ルイゾン(ジャン・ルイ・リシャール)に挑む。しかし、犯人は意外にも弁護士のクレマンだった。マリー・クリスティーヌを死ぬほど愛していた彼は、自分の罪を告白すると、警察の目の前で自らピストルの引き金を引くのだった。

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映画レビュー

3.5☆☆☆★★ 〓 個人的に有名人にサインを直接貰ったのは唯1人だけ。...

2024年3月13日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★

〓 個人的に有名人にサインを直接貰ったのは唯1人だけ。
それがトリュフォー本人だった。

※ 1 それは、ぴあ主催のレトロスペクディブにて自身最高傑作に近い『隣の女』を、このイベントの為に。当時まだ日本公開が決まっていなかった事も有り。自らプリントを持って来日し。当時、晶文社で出版された『ヒッチコック映画術 トリュフォー』の、三省堂書店でのサイト会だった。

ぴあのイベントの際には色々な逸話が有って。中でも有名なのが、 ※ 2 当時会場となったPARCO space part III は、映画の映写に関しては多少問題が多かった会場だった。

その為に、折角自身で持ち寄ったプリントの映写状況の悪さに業を切らしたトリュフォー本人が、映写室に怒鳴り込んで来たエピソードは。当時、映写アルバイトをしていた映画監督の今関あきよしが明らかにしている。

そのイベントにて、次回作の構想を聞かれた際に、「次はミステリーで、(帰国したら直ぐに)撮影を1週間程度で勢いよく…」的な発言をしていた記憶がある。

何しろ、本人がドラマを見て見惚れたファニー・アルダンは、数年後に急逝してしまうトリュフォーにとっては《最後の女性》でもある。
当時はまだまだ無名だったアルダン。
「何とか彼女の為に」…との想いは強かったのだろう?
『隣の女』同様に、彼女のミステリアスな魅力が詰まった作品となって完成させた。

ファニー・アルダンは、トリュフォー作品での2本で、一気に女優としてフランス映画界の中を駆け上がって行く。
じゃあ『日曜日が待ち遠しい』が傑作ミステリーなのか?…と言うと、「い…や…どうだろう?」とはなってしまう。

元々は原作本が有るみたいですが。作品のほぼ全編がトリュフォー作品の断片が散りばめられたかの様な様相すら感じられた…のですが。何せ自身でイベントでの発言よろしく、勢いだけで一気に撮影しただけに。ところどころで都合の良い部分であったり、突然に昼から夜へ…であったり。更には、妙な編集が目立っていたり、、、と言った辺りには、事情を知らない人からは「いい加減な作品」と言った印象を受けるのではなかろうか。

実際にも、(ヌーベルバーグの中心に居ただけあり)日本では人気が有った監督では有ったのに。日本公開には2年以上を要した様に。遺作となった事も関係したのか?一般的には、「力が衰えたミステリー映画」…的な評価が定着していたからなのかも知れません。

でもですね…嫌いになれない愛おしさに溢れてるんですよね。
…とは言いつつこの採点ではあるのですが💦

「なぜキスを…」

「用心の為だ!」

…って(笑)

他にも、前半でのアルダンへの舞台衣装縛り。
後半では彼女のミステリアス性を際立たせる為の衣装を着せ、トリュフォーお気に入りの女性の脚を強調させる用意周到さ(^^)

ストーリー展開は、良く言えば〝 楽しく遊んている 〟
悪く言えば、〝 適当 〟とも言える。

ただ舞台設定を、自身の作品の中で。最高の興収を挙げた『終電車』を焼き直したかの様に見えるところで。(自分が惚れた)アルダンを、カトリーヌ・ドヌーブと対比させる演出で。彼女の売り出しを、必死にしている風な辺りであったり。映画館での殺人場面での演出が、晩年のヒッチコック作品での演出術を模倣していたり…と言った辺りを見るにつけ。どうしても擁護したくなって来るんですよね〜。

そして何と言っても。ミステリーでありながら、観て貰うと分かりますが、全編がコメディー映画でもあり。ところどころでクスクスと笑わせてくれて楽しいんですよね〜。

ジョルジュ・ドルリューの軽快なスコアもまた心地よくて素晴らしい。

1985年 5月3日 ニュー東宝シネマ2

※ 1 この日の日時は1982年 4月10日

会場はPARCO space part III
元々『終電車』の日本初公開日がこの日だったので、舞台挨拶に併せた来日でもあった様だ。

『隣の女』
フランス公開 1981年 9月30日
日本正式公開 1982年 12月24日

※ 2 現在ホワイト・シネフロントの有る階
(微妙に位置は違う)

〓 作品の中で、顔に傷の有る娼婦が登場する。
サイン会の時にトリュフォーに握手して貰った。
実は私自身5歳の時に、顔に怪我をした傷跡が有って、若い時には目立っていた。
今はもう歳を取ったので、皺で目立たなくなったのだけど。握手して貰った時に、一瞬だけどトリュフォーの眼がちょっとだけ泳いだ…気がした。
帰国したら直ぐに撮影したい…って言っていた記憶があるので。あの娼婦の設定の意味を、ちょっとだけ知りたいって思いが…

ところで、その時のサイン本。
ある理由で友人へと譲る事となる。
ところがその本を、またある理由で売り渡してしまう事に。
まあ…1度手放したのだからいいっちゃいいんだけど、、、その前に連絡して欲しかったなあ〜

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松井の天井直撃ホームラン

4.0ファニー・アルダン最高!

2023年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

トリュフォー監督の遺作はミステリーもの。
主人公(ファニー・アルダン)は不動産屋の秘書、社長不在中に奥さんから電話があり、金がいるから送金して、と頼まれるが断る。
たまたま社長が戻ってきて電話を変わるが、奥さんは秘書の悪口三昧で、社長は秘書をクビにしてしまう。
ところが連続殺人事件が起きて、社長は秘書に頼らざるを得なくなる。
主人公のキャラが、美人で聡明、物怖じせず、あっけらかんと先ず行動するタイプで、とても魅力的だ。

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いやよセブン

2.5ミステリー&ほのぼの

2023年6月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

犯人が分かりやすい。
ファニーが可愛い。
半地下からの窓越しの街行く人の足・自転車の描写が、時の流れと閉塞感を見事に表現していた。

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jiemom

2.5これといったひねりもなく、ごくありきたりなミステリーという感じ。 ...

2022年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

これといったひねりもなく、ごくありきたりなミステリーという感じ。
真犯人も大体予想がつくし、ああ、そうですかで終わった。

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省二
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