チャンプ(1979)

劇場公開日:

解説

元ボクシング・チャンピオンの父親とその父が再び栄光の座に戻る日を信じている息子と、別れた妻の3人が織りなす愛を描く。製作はダイソン・ロべル、監督は「ブラザー・サン、シスター・ムーン」のフランコ・ゼフィレッリ。フランセス・マリオンの原作を基にウォルター・ニューマンが脚色。撮影はフレッド・コーネカンプ、音楽はデイブ・グルーシン、編集はマイケル・J・シェリダン、製作デザインはハーマン・A・ブルメンタル、衣裳はセオニ・V・アルドレッジが各々担当。出演はジョン・ボイト、フェイ・ダナウェイ、リッキー・シュローダー、ジャック・ウォーデン、アーサー・ヒル、ストローザー・マーティン、ジョーン・ブロンデルなど。

1979年製作/アメリカ
原題:The Champ
配給:MGM映画=CIC
劇場公開日:1979年7月7日

ストーリー

元プロボクシングのチャンピオンだったビリー・フリン(ジョン・ボイト)は、ハイアレア競馬場の厩務員として働き、酒とギャンブルに浸りながら、再びリングに戻ることを考えていた。彼は、かつては妻アニー(フェイ・ダナウェイ)と1人息子のT・J(リッキー・シュローダー)と幸福に暮していたが、アニーの突然の家出で、脆くも幸福が崩れ、残された父と子でひっそりと暮しているのだった。T・Jは、そんな父をパパと呼ばず「チャンプ」と呼んて尊敬し、父が再びチャンピオンになることを願っていた。ある日、ギャンブルで大儲けをしたビリーは、T・Jのためにサラブレッドの若駒をプレゼントした。厩務仲間のライリー(ストローザー・マーティン)に引かれてやってきた馬を見てT・Jはこの上なく喜び、シーズ・ア・レディと名付けた。このT・Jの馬がレースに出ることになった日、TVのインタビューに自信満々で答えている過去3年間の優勝馬ジャスタセクの馬主ドリー(ジョーン・ブロンデル)が、アニーを連れて来ていた。今のアニーは、学者のマイク(アーサー・ヒル)と再婚し、自らはファッション・デザイナーとして世界中に名をはせ、大成功を収めていた。ここには、ファッション・ショーを開くためにやってきたのだった。感じの良いアニーに、T・Jは自分の馬に賭けるように話すが、レースがはじまって、ゴールに近づいた時、T・Jの馬は転倒してしまう。思いがけない事故で、駆けつけたT・Jとビリーの様子を双眼鏡で追っていたアニーは、T・Jが自分の子供だと知って呆然とした。7年ぶりの運命のいたずらだった。厩舎を訪ねたアニーであったが、ビリーに冷たく言い放たれる「T・Jの母親は交通事故で死んだ。もうここにはいない」と。数日後、それでもビリーは、T・Jをアニーに会わせた。母親と名乗れないながらもアニーはT・Jをしっかり抱いた。アニーの出現で苦しんでいたビリーは、それをまぎらすために賭けに夢中になり、その借金をうめあわせるためにアニーのもとに借りに行く。小切手を手にしたビリーは、翌朝、借金の代わりに馬がいいという店主を殴り、果ては警官まで殴り、留置場行きとなった。心配して面会にやって来たT・Jに、ビリーは涙ながらにアニーのところへ行け、と話した。アニーは自分が母であることを秘めてT・Jに接していたが、ある日、ついに事実を口にしてしまう。涙に濡れ、愛するッチャンプの胸に走り帰ったT・Jは、ハイアレア競馬場のスタンドで、しっかりビリーの腕に抱かれた。ビリーは、その時、遂に再びチャンピオンになることを決心し、かつてマネージャーだったジャッキー(ジャック・ウォーデン)を呼びよせ、本格的なトレーニングを開始した。37歳という年令と戦いながら、厳しいトレーニングを続け、遂にタイトルマッチの日がくる。場内には、T・Jの知らせで、はるばるニューヨークからかけつけたアニーの姿があった。そして、ビリーは遂に王者にカムバックした。しかし、観衆の歓声をききながらビリーの意識は遠ざかっていき、控室でT・Jを傍に呼ぶと静かに息を引きとった。チャンプと泣き叫ぶT・Jを、部屋に入ってきたアニーがしっかりと抱きしめるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第3回 日本アカデミー賞(1980年)

ノミネート

外国作品賞  

第37回 ゴールデングローブ賞(1980年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ジョン・ボイト
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

3.5TJが可哀想

2023年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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こう

4.5やっぱり・・・泣いてしまう・・・

2023年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

単純

興奮

 大好きな2本の映画、「真夜中のカーボーイ」のジョン・ボイトと「俺たちに明日はない」のフェイ・ダナウェイ。その二人の渋くて泣かせる演技だけでももうたまらんのに、相乗効果を与える名子役リッキー・シュローダーの好演。むかーし観て泣いた映画。30年を経た今観ても同じように、いやその時以上に泣いてしまいました。名作です。
 大人の事情で実の息子であるT・Jを所謂シングルファーザーの境遇に追いやった母親役であるフェイ・ダナウェイ。セリフは少なかったけれど、その苦悩を表情としぐさで絶妙に演じていたと思います。年を重ねてこそこの人の名女優ぶりがうかがえます。
 ストレートでシンプルで心に直接入ってきます。時間を忘れさせる作品です。こんな映画、これからもどんどん出てきて欲しいものです。

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おまつ

3.0心が石 の人以外泣く

2022年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

いやー、泣いた泣いた

内容は子役の演技に尽きる。
もっとコテコテのボクシング映画と思いきや、前半は親子の情愛のもつれをていねいに描き、ボクシングシーンは必要最小限にとどめてあります。

ところで、当時「がんばれ元気」との類似点を知っていたにもかかわらず、この映画は今まで見たことがなく、勝手に映画をマネしてふくらませたものが「がんばれ元気」だと思っていました。が、意外にも映画の方が後から作られていたのですね。

30年も見ずにずっと通り過ぎてきた間に、脳内で勝手に「こんな映画なのだろう」と妄想していた内容が誤解だと分かってスッキリしました。
百聞は一見に如かず。

2013.11.20

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うそつきカモメ

3.5ゼフィレッリ監督には合っていない題材だが、俳優陣は豪華

2022年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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Gustav
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