劇場公開日 1975年6月28日

「スリリングで緊張感あふれる」タワーリング・インフェルノ 森泉涼一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スリリングで緊張感あふれる

2016年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「タワーリング・インフェルノ」を直訳すると「そびえ立つ地獄」という意味らしく、本作で「そびえ立つ」は138階の高層ビルを指す。そして「地獄」はこのビルを舞台に起こる火災を指し、第一火災が起こった瞬間から火の恐怖で本作の魅力に包まれていく。
火災によるパニック映画はこの世の中に幾程あるが、これだけスリリングで常に緊張感が伝わる映画は多くない。
更にこの時代では珍しいオールスターキャストの共演。ポール・ニューマン、スティーヴ・マックィーンを筆頭にミュージカルの帝王フレッド・アステアも詐欺師という珍しい役どころで脇を固めている。
前述でとにかくスリリングと述べたが、それが顕著に出ているのが高層ビルという点を活かした高所からの主観映像にある。火災現場で特に人が密集する建物では瓦礫の下敷などで被害を被る痛々しいシーンは付きものだという先入観があったが、本作はこの描写が少ない。その分、高所からの恐怖という部分でビル内での崩壊から足場がなくなった箇所で戸惑う人間と救助側の奮闘が描かれ、新しいパニック映画となっているのは一目瞭然である。
ラストにはこれまた苦渋の決断に相応しい大胆な発想で終幕するが、これも実際の火災の現場を考えると至極現実味のある描写でありラストまで目が離せず興味を掻き立てられる。

森泉涼一