グランド・カナル 大運河

劇場公開日:

解説

「素直な悪女」「月夜の宝石」のロジェ・ヴァディム監督作品。ヴェニス・ロケーションを背景に、謎の一女性をめぐる人間ドラマが、風変りな雰囲気をもって描き出される。原作・脚色はともにロジェ・ヴァディム自身。撮影は「月夜の宝石」のアルマン・ティラールと、ルイ・ネの共同。音楽はジョン・ルイスと、彼のモダンジャズ・クヮルテットが担当して、新感覚を出すことが試みられている。出演するのは、「遥かなる国から来た男」のフランソワーズ・アルヌール、「女の一生」のクリスチャン・マルカン、「罪と罰(1956)」のロベール・オッセン、「青春群像」のフランコ・ファブリッツィ、「スパイ」のO・E・ハツセ等。製作ラウール・J・レヴィ。

1957年製作/フランス・イタリア合作
原題:Sait-on Jamais
配給:ヘラルド
劇場公開日:1959年6月20日

ストーリー

水の都ベニス--ドイツの男爵と称するエリック・フオン・ベルゲン(O・E・ハッセ)は、豪荘な邸宅に暮していた。美しいフランス娘ソフィー(フランソワーズ・アルヌール)とスフォルツィ(ロベール・オッセン)の二人の若い男女が男爵と一緒に住んでいた。かつて、スフォルツィはソフィーを熱烈に愛したことがあるが、今では男爵に押しつけようとしていた。しかし、男爵は彼女に父性愛としての感情しかもっていなかった。彼女は男爵の生甲斐であり、若さの源だった。第二次大戦の頃--男爵は英国の金融市場を撹乱するために、ドイツで作った贋英貨をばらまいた。敗戦後はスフォルツィを伴い、贋札印刷用の鋳型を持って行方をくらました。警察では、男爵を臭いと注意していたが、証拠がないので逮捕出来なかった。例の鋳型を某国が買い取ろうとしている情報が入った。警察では新進のブゼッティ警部(フランコ・ファブリッツィ)に男爵を監視させた。そんなある日、ソフィーは映画館でミシェル(クリスチャン・マルカン)という写真雑誌の記者と知り合い、二人はいつしか愛し合うようになった。ソフィーはスフォルツィとの仲を清算して、新しい生活のため男爵邸を出た。驚いた男爵は自分の金をソフィーの名義で銀行に預金していることをスフォルツィに告げ、彼女を取り戻そうとした。ソフィーは戻って来た。スフォルツィは金の分け前を男爵に要求した。男爵はミシェルに助けを求めた。が、スフォルツィはミシェルの短剣で男爵を刺殺した。ブゼッティはミシェルの無罪を信じ、彼を釈放した。ソフィーはスフォルツィの言葉を信じたために事件を起したことを後悔した。ミシェルは彼女を二度と手放さぬ決心をした。真相を明らかにするため、ミシェルとスフォルツィは対決した。二人が運河に面した屋根の上で争っているうちに、スフォルツィは足を滑らして運河に落ちて死んだ。ミシェルとソフィーは新しい生活に向って出発した。

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