劇場公開日 1999年12月

一瞬の夢のレビュー・感想・評価

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3.0素人臭さ

2019年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

3.0強烈なロケーション

2018年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

 この映画の最大の魅力は、中国のどこにでもありそうな地方都市のロケーションであろう。
 恋人ができたばかりの主人公が行く公衆浴場は、廃墟のように荒廃した雰囲気から、現役の浴場とは思えない。そんな中、被写体は全裸となり、浴槽に浸かるのだ。これを見て驚倒しないという観客は珍しいのではなかろうか。浴槽近くに並ぶ汚れた小便器がなかったとしても、この風呂を使いたいと思う者はいないはずだ。失礼ながら、映画の舞台である中国でも、観客の反応は同じであろう。
 ジャ・ジャンクーの演出が上手いのは、そうした不衛生で、沸いているのか水風呂なのか分からない描写のあと、高い天井へと視線を上げたカメラが湯気をとらえるところだ。このショットで観客の疑問の一部が氷解する。
 しかも、この人物は三つの浴槽にそれぞれ手を入れて湯温を確認する。この描写は犯罪を生業とする主人公の、臆病さや神経の細やかさを表している。
 なんとも強烈な印象を残し、映画全体の性格に影響を与えるロケーションは、後年の「青の稲妻」においても出てくる。
 「青の稲妻」では、この浴場にあたるのが、映画の冒頭に謎のアリアを男が歌う建物だ。この体育館のような広い空間の端に、列車の中のように向かい合ったシートが並んでいる。いったい何に使用される建物なのであろうか。中国によくある駅の広い待合室のように見えなくもない。
 この場所は、北京の学校への進学が決まった恋人と別れるシーンにも使われている。
 この大広間に続いてビリヤード台が並ぶ部屋があり、同じ年代の若者たちが集うところを見ると、大学のようにも見えなくはない。
 なんとも不思議な空間である。ジャ・ジャンクーのスクリーンに現れる不思議な空間は、中国の人々の眼にはどのように映るのであろうか。

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佐分 利信