セブンビューティーズ

劇場公開日:

解説

家内工業を営む家族思いのナポリのチンピラやくざが第二次大戦の狂気の渦にまき込まれ、やがて故郷に帰ってゆくまでの生きざまを描く。製作・監督・脚本は「流されて…」のリナ・ウェルトミューラー、共同脚本はジャンカルロ・ジャンニーニ、ユルゴ・コロンボ、撮影はトニーノ・デリ・コリ、音楽はエンツォ・ランナッチ、編集はフランコ・フラティチェリ、美術はエンリコ・ヨブが担当。出演はジャンニーニ、フェルナンド・レイ、シャーリー・ストーラー、エレーナ・フィオーレなど。

1976年製作/イタリア
原題:Seven Beauties Pasqualino Settebelleze
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1984年8月24日

ストーリー

第二次大戦勃発直前のナポリ。家内工業主であるパスカリーノ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、一方で、ポマードで髪をテカテカに光らせて街をカッポするチンピラやくざ同然の男だ。彼は、場末の劇場でストリップまがいのダンスを踊る醜い容姿の妹を見て愕然となった。39歳にもなって恥ずかしげもなく舞台に栖すとは……。彼には、この妹をはじめとする7人の姉妹がおり、母親を含めた家族の面倒を見ることが一つの義務のようになっていた。ところが、ある日、淫売宿へ女を買いに行き、そこで口紅を真っ赤につけた長女を発見。問つめると、彼女は「愛する婚約者のため」だと白状した。しかし、妹がその婚約者とやらに騙されていることを知ったパスカリーノは、その夜、カッとなってその男を殺し、その死体をバラバラに切り刻んで捨ててしまった。彼は捕らえられ、裁判の結果、肉親を思うあまりの狂気の犯行と見なされ、精神病院に送られた。病院では模範囚。院内の出歩きも自由だったが、つい自制心を失って、色情狂の女の誘惑にのってしまい、刑務所に逆戻りするハメになった。戦争の嵐がヨーロッパ全土をゆるがせ始めた頃で、囚人は兵役を望めば刑期が取り消されることになった。当然のことのようにパスカリーノは兵役を克服し、前線行きとなった。軍隊は刑務所よりひどかった。輸送列車からスキを見て脱走した彼は、ひょんなことから、ナチスの強制収容所へと連れていかれる。そこでは、毎日数百人もの人が、殺されていた。しかしパスカリーノは、何としても生きのびたかった。「愛する家族のために」-。幸い、その収容所長は女だった。女性に関しては自信のあるパスカリーノは、何とか誘惑して脱出しようと試みる。しかし、そこの女所長(シャーリー・ストーラー)は、まるでブタのような醜い女で、パスカリーノがいくら愛嬌をふりまいても反応がない。やっと彼女の部屋に招かれるまでは自分を印象づけることに成功した彼は、彼女の部屋に入り、必死で誘惑しようとする。遂に服をぬがせることに成功するが、女所長は、そんなパスカリーノをすっかり軽蔑していた。やがて、収容所の中のカポに取りたてられることになったパスカリーノは、初仕事として、親友のフランチェスコ(P・ディ・オリオ)を含む6人の仲間を処刑することを強いられる。同房の老人(フェルナンド・レイ)もその中に入っていた。殺さなければ殺されると思った彼は、目をつぶって彼らを殺す。老人は、屈辱のうちに死ぬよりは人間として死にたいと、自殺してしまう。悪夢の時がやがて過ぎ終戦がやってきた。生き残ったパスカリーノは、やっとの思いで故郷に戻って来た。彼を迎える7人の妹たちは、いずれも進駐軍相手のパンパンになっていた。かつて心を寄せた清純な娘(F・マルチアーノ)までが娼婦になっていた……。だが、彼はためらわずに、彼女にプロポーズした。いつしか白くなった髪にポマードをつけるパスカリーノの姿があった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第34回 ゴールデングローブ賞(1977年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  
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