セカンド・サークル

劇場公開日:

解説

久しぶりに実家に帰ったひとりの青年が父親の死を突然体験し、葬儀の用意をしながら父の死骸という物質を受けとめていく数日を描いたドラマ。監督はレンフィルム、レニングラード記録映画スタジオをベースに「マリア」「孤独な声」「静かなる一頁」などを手がけているアレクサンドル・ソクーロフ。製作はV・D・シュリーク。撮影はアレクサンドル・ブーロフ、音楽はオリヴィエ・ヌッシオが担当、美術はウラディーミル・ソロヴィヨフ。主人公の青年に扮するのは撮影当時、レニングラード工科大学の学生であったピョートル・アレクサンドロフ。葬儀屋を演じるのは実生活でも葬儀屋であるナデージダ・ロドノヴァ。

1990年製作/ロシア
原題:Круг Второй
配給:イメージフォーラム
劇場公開日:1994年11月12日

ストーリー

吹雪の中、ひとりの青年(ピョートル・アレクサンドル)が実家に戻ってくるが、そこにはベッドで静かに横たわりすでに息絶えている父親の姿があった。しばらくして現場検証や死体の消毒のために当局や保険局の男たちが入れ替わり訪れ、青年は彼らの言うままに仕事を手伝いながら、ミイラのように軽く、汚物で汚れた父の身体に触れる。青年はその後、死亡診断書をもらうため老女医を訪れ、彼女は死因をガンであったと書き込む。青年の父親は退役軍人で、仲間との激しい論争の末除隊していた。青年は帰りの乗り物の中で不気味な沈黙の中、誰ともしれぬ人たちにもみくちゃにされ、全財産を紛失してしまう。家に戻ると役所から葬儀担当の女(ナデージダ・ロドノヴァ)がやってくるが、彼女はひどく高圧的で葬儀費用について青年と折衝し始めるが、青年は無一文のため、葬儀屋が立て替えることになる。彼女は、喧嘩腰で青年に命令し、棺桶の準備をさせる。ようやく死体を入れた棺桶を狭い部屋から運び出し、父親のいなくなった部屋でひとり青年は、遺品の点検をする。様々な父の遺品を手にした後、背後で火が浮かび上がる雪の降り詰まる中に立ちすくむ。

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