西部の王者

劇場公開日:

解説

「硝煙のカンサス」のハリー・シャーマンが製作、「戦場(1949)」のウィリアム・ウエルマンが監督した1944年度作品。フランク・ウィンチの原作より、「海賊バラクーダ」のイーニアス・マッケンジーがクレメンツ・リプリー、セシル・クレーマーと脚色した西部開拓史上の実祭人物バッファロ・ビルの半生を描いたもので、撮影は「狐の王子」のレオン・シャムロイ、音楽「西部魂(1941)」のデイヴィッド・バトルフの担当。主演は「死の谷」のジョエル・マクリー、「バクダッド」のモーリン・オハラ、「私も貴方も」のリンダ・ダーネル、「賭博の町」のトーマス・ミッチェルで、「カリフォルニア(1947)」のアンソニー・クイン、「秘境」のエドガー・ブキャナン、「失われた心」のモローニ・オルセン、フランク・フェントン、マット・ブリッグス、ジョージ・レッシー等が助演している。

1944年製作/90分/アメリカ
原題:Buffalo Bill
配給:セントラル
劇場公開日:1950年12月28日

ストーリー

フレデリシ上院議員父娘とヴァンダーヴアを乗せてクラーク砦に向かう駅場車が、シャイアン族インディアンの襲撃をうけ、通り合せたバッファロ・ビル・コーデイの射撃で救われた。ヴァンダーヴアとフレデリシは鉄道路線の延長計画のためにこの地に来たのだが、コーデイはシャイアン族が反対するに違いないと忠告するが、ヴァンダーヴアは軍の力を借りても強行する肚であった。果たしてシャイアン族は指導者イエロー・ハンドの命令の下に蜂起し、フレデリシ議員は人質になってしまう。コーデイはその救出に単身出かけたが、彼もまた捕えられ、処刑されようとした。コーデイに命を助けられたことのあるイエロー・ハンドは彼と議員を放免し、シャイアン族は合衆国政府と講和をむすんだ。フレデリシの娘ルイザは、命を救われて以来コーデイに愛情を抱き、彼と結婚した。集落で学校教師をしていたイエロー・ハンドの妹のドウン・スターライトは、秘かに恋していたコーデイをあきらめねばならなかった。平和になった西部はヴァンダーヴアの発案による野牛狩りの観光会社によって賑い、コーデイは支社長として多忙であった。彼はルイザとの間に男子を儲け幸福な生活が続いたが、インディアンの生活の糧である野牛は狩りのため激減し、シャイアン族は血のつながるスウ族と共に、西部から白人を追わんとして戦を挑んだ。地理に明るいコーデイは軍に懇望されて、妻を東部に帰し戦に参加した。かれはイエロー・ハンドとドウン・スターライトの指揮するシャイアン族を破り、新聞記者バントラインの報道によりその勇名は全米に轟き、叙勲のため首都に呼ばれた。彼は英雄として歓呼をあびるが、息子の急死の報に深い悲嘆を感ずる。その上、彼はニューヨークの歓迎宴の席上でインディアン保護の演説をして、ヴァンダーヴアと対立したため、一朝に人気を失い、無一文になった末、見世物に出演して糊口をつないでいたが、ルイザの激励でインディアンのためにロデオ・ショウの公開を思いたった。ショウは大成功であった。インディアンは東部人と和解し、西部の英雄バッファロ・ビル・コーデイの名は全世界にまで轟いたのである。

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