素直な悪女のレビュー・感想・評価
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三人の男がおもしろい
Bバルドーを観るのが目的だったが、特に感動や驚きはなくわりと地味な印象の映画であったものの、気楽に観るのには悪くなかった。彼女はもちろん魅力的だったが、翻弄される男たちにもかなり焦点が当たっていて、そちらがなかなか面白かった。
一見地味に見えたミシェルには、なかなかやるじゃない!と感心した。
彼女のようなふわふわした人間をつなぎとめられるのは、彼のように地味で愛情深く頑固なものでしかないわけだ…。奔放な人間に意見を聞いたり説教してもしかたがない。無理矢理でも引っ張っていく。運命を共にすると決めた以上、生きるも死ぬも一緒という感じで、この男の意志は強く、実行力があった。
奔放人間の側にしても、そういう強制力でもなければ自分の居場所など到底決められない。
アントワープはもうどうしようもない(こんなタイプが実際には一番多い?)。でもエリックおじさんの方はなかなか興味深い。単なる好色金持ちと思いきや、世の中と人生を知る、真にこなれた大人の男だった。ジュリエットの中に、自分が好きだけれど否定してきたもの、を見出す。そして自分自身も刺激され、ザワザワと動揺はする。最後までスマートで思慮深く判断も現実的だったが、ザワザワ動揺するところがピュアで、何とも大人可愛い。
制御不能
ちょっと前に J・フォンダのヴァディム映画を観たので なんとなく
二人の女優の体型チェックをしてしまった
あまり筋肉を感じさせないフォンダ体型の方が好きかな… と、思ったが
映画後半で バレエで鍛えられたバルドーの筋力も感じさせる破壊力、パンチ力を
見せつけられた
孤児という設定だったが、里親をたらい回しにされたモンローがそうであるように
親がいないか養育不能だった彼等は生きる術として
無意識に相手に気に入られようとしてしまうらしい
それでいて無防備、というのもあるだろう
おまけにあのボディでは…
(しかし 自慢のボディラインは常に強調されている!)
(気に入られる対象は男に絞られる)
男達を強烈に惹き付けるが
本人もわけがわからなくなり爆発
というストーリーだろうか?
音楽と踊りが 心身を解放して
高揚してゆく様子は スリリング
ちょっと フレンチロリータっぽいかな
セクシーさで売るブリジットバルドー
ブリジットバルドー扮する孤児院から来たジュリエットは全裸で日光浴をする様な娘だ。ちまたでは悪女とかあばずれとかふしだらとか噂されていた。何とも奔放で男好きの彼女に皆振り回された。ジュリエットは、素行が悪く孤児院へ戻されそうになり結婚を選んだ。当時22歳、セクシーでスタイルの良いブリジットバルドーありきの内容だったね。
こんな小さな田舎町が似合う女ではないだろう
総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 65
自由奔放な生活が好きな若くて魅力的な女は、古い田舎町では堅苦しい価値観のもとで堅苦しい生活をおくる。咲き始めた美しい花は男たちを挽きつけるが、男からは軽く見られて女からは嫉妬を受ける。結局本当の理解者はなかなか現れない孤独さが残る。本人は孤児で生活に監視もついているから、何をするにも不便極まりない。真面目な勤労者というには程遠く自由気ままに生きる女だから、型にはまった田舎の人々からは理解されがたいだろうし悪く見られるが、本来それほど性質の悪い女でもない。生まれる時代と場所が良ければこんなに苦労しなくてもよかったのだろうに、どうにも運が悪くて八方塞状態、孤児院に連れ戻されるくらいならと愛してもいない男との結婚に逃げる。
こんな田舎町に収まる女じゃないだろうと思ったが、紆余曲折の後で小さくまとまってささやかな幸せを求めるようなので意外な感じを受けた。もしかするとそれで幸せな余生を送れることになるのかもしれないが、これでいいのかなと疑問も感じる。でも本人も疲れちゃったようだしお金もないし町を出て行く力もないし味方も殆どいない状況で、これが彼女の出来る精一杯なのかもしれない。不幸な状況でもなんとなく明るい天真爛漫さのあるマリリン・モンローと違い、どことなく陰のあるのがブリジット・バルドーだろうか。まだまだ若くて発展途上の危うさのある若き日の彼女の姿でした。
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