スウィート・ムービー

劇場公開日:

解説

処女かどうかを鑑定するコンテストで選ばれたミス・ワールドの体験する出来事と、女船長の支配する船に乗り込んだ水兵とその女船長の行動を並行して描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはエレーヌ・ヴァジェール、製作はヴァンサン・マル、監督・脚本は「コカコーラ・キッド」のドゥシャン・マカヴェイエフ、撮影はピエール・ロム、音楽はマノス・ハジダキスが担当。出演はキャロル・ロール、ピエール・クレマンティ、アンナ・プルクナルほか。

1974年製作/フランス・カナダ・西ドイツ合作
原題:Sweet Movie
配給:コムストック
劇場公開日:1989年3月25日

ストーリー

処女かどうかを鑑定され、84年のミス・ワールドに選ばれたキャロル(キャロル・ロール)は、資産家ミスター・アプラナルプ(ジョン・ヴァーノン)の花嫁になる。その頃「サバイバル号」の船長アンナ・プラネッタ(アンナ・プルクナル)は、自転車に乗った水兵(ピエール・クレマンティ)を追いかけていて、やがて二人は船上で愛を交わすようになる。一方財産をめぐり妻の座を追われたキャロルは、スーツケースに詰められてパリに送られ、そこで出会ったエル・マッチョ(サミー・フレー)とエッフェル塔で抱きあい膣痙攣を起こす。そして次に訪れた銀河コミューンで、異様なそこの集会と健康体操の光景に泣き出してしまう。アンナと水兵のラヴは、子供たちを船に誘い入れては殺してゆき、ついに彼も砂糖に埋められて、アンナにナイフで刺され死んでしまう。そしてキャロルは、CM撮影のために全裸でチョコレート浴びをし、同じ頃「サバイバル号」からは死体が発見され、アンナと船員のカトリーヌが逮捕されてゆく。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0社会派エロティックコメディ。

2022年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

マカヴェイエフによるこの不気味な映画は、私がこれまで見たどの映画よりもエキセントリックで変態的であることは間違いないだろう。しかし、ただカルト映画を作るのは簡単だが、『スウィート・ムービー』は、普通のカルト映画でも見られない目を疑うような演出上のギミックをふんだんに盛り込み、観客のほとんどを魅了することだろう。そして何より、前代未聞の実験的ミュージカル映画であり、精神衛生上決して良いとは言えないが、芸術体験としては見事なものである。しかし、普通の親が子供に見せたくない映画の最高峰であろう。今日なら上映禁止になるようなシーンが数多くあり、気分を害するものも少なくない。そして、時折挿入される昔の忌まわしい映像は、ほとんど麻薬のような効果をもたらし、ビザールな不良映画から芸術性の高いドラマに変身させている。

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茂輝
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