白いドレスの女

劇場公開日:

解説

激しい暑さにむせぶフロリダを舞台に、謎めいた女と出会った若い弁護士が遺産相続を背景にした恐ろしい罠にまきこまれてゆく姿を描く。製作はフレッド・T・ガロ、監督・脚本は「レイダース 失われた聖櫃<アーク>」の脚本を手がけたローレンス・カスダン、撮影はリチャード・H・クライン、音楽はジョン・バリー、編集はカロル・リトルトン、製作デザインはビル・ケニーが各々担当。出演はウィリアム・ハート、キャスリーン・ターナー、リチャード・クレンナ、テッド・ダンソン、J・A・プレストン、ミッキー・ロークなど。

1981年製作/アメリカ
原題:Body Heat
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1982年2月27日

ストーリー

その年のフロリダの夏は、とくにむし暑かった。事務所を構える弁護士ネッド・ラシーン(ウィリアム・ハート)は、親友で地元の検事であるピーター(テッド・ダンソン)と刑事オスカー(J・A・プレストン)と共に行きつけのコーヒー・ショップに入りびたり、暑さを嘆いていた。その晩、涼しさを求めて海岸沿いの野外ステージをぶらついていたネッドの前を、白いドレスを着た1人の女が通り過ぎた。栗色の長い髪、美しいボディ・ラインをもつその女に、ネッドは思わず目を奪われた。立ち止まりタバコを吸うその女に彼は声をかけるが、彼女は、自分には夫がいるといってつき離し・パインウッドに家があるとだけ言い残して立ち去った。幾晩かパインウッドをドライブして、やっと彼女を見つけたネッドは、彼女の名がマティ・ウォーカー(キャスリーン・夕ーナー)といい、夫が20歳も年上であることを知る。2階のベランダに沢山の風鈴をもつ彼女の豪邸を訪れた彼は、そこで無理やり彼女を抱いた。外出が多く、しかも中年じみた夫エドムンド(リチャード・クレンナ)にうんざりしていたという彼女は、ネッドに激しく燃えた。数度の激しい逢いびきの後、当然のように2人の間に殺意がめばえた。早速エドムンド殺害の準備を開始するネッド。爆弾のプロ、テディ(ミッキー・ローク)から特殊爆弾を入手し計画は実行された。マティは未亡人になり、しばらく2人は会わないで過ごした。そんなある日、ネッドはマティの弁護士から呼び出され、遺言状が変更されていることを聞く。当初、遺産の半分は姪のヘザーにゆくことなっていたが、それに疑問点が生じた。フロリダ州法律では疑問点がある場合は遺言状が無効になり全部がマティのものになるというものだった。その遺言状にはネッドとマティの親友メリー・アンのサインがあったため、エドムンドの死とネッドとはもは無関係でなくなってしまったのだ。そんな彼にピーターとオスカーも疑惑の目を向け、マティは相当の悪女だ、近づかない方がよい、と彼に忠告した。確かにマティには不審な行動が多かった。それをあおるように、テディから、マティが例の爆弾を買ったという情報。そしてメリー・アンも行方不明…。やがてネッドのもとにマティから電話が入り、ボート小屋への呼び出しがかかった。それは罠だった。ボート小屋の戸をあけたとたん爆発するというものだ。それに気づいたネッドは小屋の近くでマティを待ちぶせ、彼女に銃を向けた。ネッドの命令で戸を開けにいったマティが、やがて暗闇の中に消え、その直後、大爆発が起こった。彼女はやはりネッドを愛していたのだろうか…。彼女の死で事件は終ったかのように思えた。しかし、ネッドは信じなかった。彼の推測どおり、爆発した小屋で発見されたマティの死体は、メリーだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5"トラウトマン大佐"

2022年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

萌える

どんな小男のオッサンかと思いきやトラウトマン大佐だった、本作の翌年には『ランボー』が彼の代表作に。

少しの出演で存在感を醸し出すまだ無名のミッキー・ロークが格好良い、本作を観た理由はミッキー・ローク一択、輝かしい80年代限定!?

ラストのカメラワークにイライラしながら、キャスリン・ターナーの全身を映せよ!と。

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万年 東一

3.5悪女映画で美しさと魅力を発揮するキャサリン・ターナー

2022年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

キャサリン・ターナーを観る映画と思っていたら、サスペンス・スリラーの脚本の出来が良く、作品としても面白い。悪女映画を現代的に再現した映画らしさもある。ウィリアム・ハートも役柄にあって、ターナーとの相性もいい。ローレンス・カスダンの演出に更に技巧的な工夫があったならば傑作になっていたと思う。それでも充分楽しめた。

  1982年 3月3日  丸の内松竹

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Gustav

3.5夏の暑さと悪女の魅力

2022年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

不倫関係になった女性に溺れ、その主人の殺害を図る男性の転落を描く物語。

ストーリー展開はある程度読めてしまいますが、悪女の魅力の虜になる主人公が良く描かれていて目が離せなくなります。
アメリカ南部の強烈な暑さと湿気、そしてそれを上回る艶めかしい女性の魅力。鑑賞している私も虜になりそうです。

遺言の盲点を付く発想や、悪女が仕掛ける巧妙な罠なども秀逸だったと思います。
最後、悪女は主人公を本当に殺そうとしたのでしょうか?本当に殺そうとしたのなら、主人公の友人に発火装置を頼まないようにも思います。自身が無理なく「殺される」ように仕向けたのかもしれません。その暗示させるような描写もあれば、より悪女の狡猾さが際立ったかもしれませんね。

もう一つ言えば、悪女のパーソナルな部分・・・なぜここ迄酷いことが出来るのか・・・そんな事を少しでも描ければ、より深みが増したかもしれません。

全体的に高評価ですが、冒頭でも書いた通り展開がある程度読めてしまうこと、またカタルシスを感じないラストが私好みでなかったことを差し引いて、私的評価は標準の3.5にしました。

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よし

5.0アシカに芸を仕込んでいるかのような

2020年11月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

邦題はデパルマ監督の本作公開前年の大ヒット映画「殺しのドレス」にあやかったものだと思います
なにしろ無名監督と無名俳優の映画なのですから

胸元の開いた白いドレスは彼女の勝負服だったのです
ヒップラインがくっきりとでる赤いタイトスカートもそうです

原題はボディヒート
なる程的確なタイトルです
今ならそのまま邦題にされたでしょう

ブラックミュージシャン好きなら、クインシー・ジョーンズの1974年の同名の名盤をどうしても思い出してしまいますが、特段関係はないと思います
でも、そのアルバムと共通する何かがあると思います

泥のように湿って重い熱気が夜になっても続くだるさ
頭がどうにかなってしまいそうな暑さ
そのアルバムは、そんな夜の音楽でした
本作もそうです

大昔の白黒映画の時代のフイルムノワールの味わいが濃厚にあります
劇伴もどことなく昔風の音楽です
クレーンを多用したカメラが効果を高めています

観終わった後の満足感は、久々に映画らしい映画を観たそれです

マティはファムファタルでしょうか?
主人公のネッドが破滅させられたのですからもちろんそうなのかも知れません

でも、本人は何も悪くないのに、その美貌に男どもが勝手に狂って破滅してしまう
彼女はそんな存在ではありませんでした
彼女こそは毒婦という呼び方が、これ以上相応ピッタリな女はいない
そんな女でした
底知れぬ恐ろしさに、私達観客は主人公と共に恐怖を覚えるのです

主人公が夜に見かけてナンパしてスルスルとモノにしてしまう序盤の展開
それが実は向こうの思う壺であったとは

ひとつ展開が進む毎に、主人公は水族館で芸を見せたアシカのようにセックスを褒美に与えられていたのです

映画だけのお話?
いえ、美人の奥さん、彼女を口説き落としたと思っているのは男だけかも知れません
本当は向こうから仕掛けられてその気にさせられただけなのかも知れません
程度が違えども女はみんなマティみたいに男を手玉に取っているのかも?
そんなことを思ってしまいました

ラストシーンはどこでしょう?
アカプルコのように見えました
また新しい獲物が彼女の毒牙にかかったようです
蛇足?
とんでもない
このラストシーンの意味
あの証拠の眼鏡はどこにいったかを教えてくれているのです
最後の最後でマティが掛けていたサングラスがクローズアップされているではありませんか
男のようにレンズだけ取り替えてあるのです

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