シルクウッド

劇場公開日:

解説

プルトニウム工業で汚染し、謎の交通事故死を遂げたカレン・シルクウッド事件に材を取った社会派映画。製作はマイク・ニコルズとマイケル・ハウズマン、エグゼクティヴ・プロデューサーはバズ・ハリスとラリー・キャノン、監督は「イルカの日」のマイク・ニコルズ、脚本はノラ・エフロンとアリス・アーレン、撮影はミロスラフ・オンドリチェク、音楽はジョルジュ・ドルリュー、美術はリチャード・ジェームズが担当。出演はメリル・ストリープ、シェール。

1983年製作/131分/アメリカ
原題:Silkwood
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1985年7月26日

ストーリー

カレン・シルクウッド(メリル・ストリープ)は28歳。ボーイフレンドのドルー(力ート・ラッセル)、レスビアン相手のドリー(シェール)と一緒に住んでいた。3人の働くカーマギー社のプルトニウム工場はオクラホマ郊外のクレッセントから10キロほどのところにありカレンはそこでプルトニウムと酸化ウラニウムを混合させ、燃料粒剤を作る機械に送り込む仕事をしていた。カレンには学生時代に駆け落ちしたピートとの間に3人の子供があり、月に一度会社を休んで子供たちに会うことになっていた。彼女が休みをとったその日、工場が放射洩れのため閉鎖された。会社側は、休みが取りたいがためのカレンの仕業だという噂を流した。ある日、カレン自身が放射能探知機に感知された。この日からカレンの様子が変わり始めた。原始力委員会のパンフレットを読み、上司の前でもプルトニウムの危険を口にする。生産向上だけを目ざす会社側にとって彼女こそが危険分子だった。案の定カレンは金属組織部へ部署換えになった。が、ここで彼女は会社の不正を発見したのである。何とそこでは、規格検査のための燃料ピン切断面の撮影ネガをマジックで修正していたのだ。これが増硝原子炉に使われれば州全体が吹っ飛ぶ破壊的事故にもなりかねない。折りしも会社側の要請で組合解散の賛否を問う投票が行なわれようとしていた。組合擁護のための活動委員に立候補したカレンはワシントンの原子力委員会本部へ飛び、会社側の不正を報告した。事を重くみた本部のポール(ロン・シルヴァー)は証拠書類を手に入れ、ニューヨーク・タイムズの記者に会うようにとカレンを説得した。カレンが工場に行くとまたもや探知器が鳴り響いた。彼女の家が徹底的に検査され、あらゆる物が汚染物として運び出された。カレン、ドルー、ドリーの3人はロス・アラモスの専門病院で精密検査を受けることになった。カレンの体内からは6Ncのプルトニウムが検出された。許容量ではあるが、保証はない。クレッセントに帰る早早、カレンはドルーが止めるのも聞かず工場へ出かけて行った。組合の会議のあと、ニューヨーク・タイムズの記者に証拠書類を渡すことになっていたのだ。待ち合わせ場所へ急ぐカレンの愛車ホンダ・シビックが後から来た車に追撃され、シビックは大破した。事故か他殺か。シビックからは証拠書類は発見されなかった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第41回 ゴールデングローブ賞(1984年)

受賞

最優秀助演女優賞 シェール

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) メリル・ストリープ
最優秀助演男優賞 カート・ラッセル
最優秀監督賞 マイク・ニコルズ
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映画レビュー

2.0観終わってひどい脱力感になってしまった

2023年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

学がない自分が難しい話を背伸びして観ました。原発も似た事例があるのでしょうが、大地震があったにも関わらず、何か闇のまま月日が流れていく今現在で共通していると思いました。
 主人公は子供3人、レズ、彼氏と「え、そんなに色々あるの?」て自由奔放に思え、映画そのものは静かに進むのだけど、随分と好き勝手に遊んでるのね、という印象があったかな(タバコの多さも含めて) だから、いざ自分が放射能感知になって組合の活動に参加しても「気の毒」という面がピンと来ない。私の浅い考えではそんな印象でした。だけどメリル・ストリープは好きな女優さんでして、軽い映画とか少なく、上手く言えませんが「これぞ、女優」という雰囲気があって外見も含め好きなので、我慢してこの映画は観ました。実話の重みもあるしね。
 映画を観る限りでは、こりゃもう陰謀隠しの他殺で間違いないでしょ。あ~ぁ今も昔も変わらないんだな...脱力感。
 メリットや富がそんなに魅力的なのかい...素直に反省すりゃいいじゃん。戦後じゃないんだから今の時代食べるに困ることはないでしょ。一種の麻薬だよね、ごまかす上の人って。。。総合的に得策を選んでるのでしょうが、その場しのぎに思え平和を考えてのことか疑問だよ。何だか愚痴ってしまいました。お前に何がわかる?て言われそうだけど関係ない人のせいにしちゃ悪いことだよ。
 凄い絶望感にもなってしまったけど、観る価値はあると思います。

 話は全然違うけど、同じ真相追求型の実話として「ヴェロニカ・ゲリン」を思い出しました。

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はむちん2

3.0社会派を題材にした人間劇

2023年4月30日
PCから投稿

AFI感動100に入っています。
当時のアメリカ人には有名な事件なので事前に事件の流れを調べてから観るべきでしょう。

彼女の行動の「企業や社会に与えた実効性」があいまいであり、更に未だに謎とされている「突然の交通事故死」という結果を知っている人間が観る前提で作られているので、社会派のサスペンスというよりは、彼女の私生活や心情の変化に重点が置かれています。

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越後屋

2.0核燃料工場の疑惑事件

2020年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza
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