シュウシュウの季節

劇場公開日:

解説

文化大革命末期、下放政策で辺境の地に送られた少女がたどる数奇な運命を描いたドラマ。『ラスト・エンペラー』(87)はじめ『ツイン・ピークス』(90)などアメリカ映画界でも活躍するアジアを代表する女優ジョアン・チェンの監督デビュー作。マルグリット・デュラスやミラン・クンデラと並び称されるヤン・ゲリンの小説『天浴』に思春期に出会い、深い感銘を受けた彼女は、自ら監督をつとめることで映画化を実現、ゲリン本人と共同で脚色も担当した。製作はジョアンとアリス・チャン。製作総指揮はジョアン、アリソン・リュウ、セシル・チャア・ツェイ。撮影はチャン・イーモウ作品で知られるリュウ・ユエ。音楽はジョニー・チェン。出演は新人のルールー、チベット出身の名優ロプサンほか。第35回台湾アカデミー賞(金馬奨)で史上初の11部門にノミネートされ、作品賞・監督賞・主演女優賞・主演男優賞・脚色賞・音楽賞・主題歌賞の7部門を受賞の快挙を達成した。

1998年製作/99分/アメリカ
原題:Xiu Xiu
配給:エース ピクチャーズ=日本ビクター
劇場公開日:1999年11月3日

ストーリー

1975年、文化大革命末期。四川省・成都の仕立て屋の娘シュウシュウは、都市の少年少女に労働を学ばせる下放政策によって、辺境の地にある軍の牧場に送られた。チベット人の男ラオジンから放牧を教わり、革命の理想に燃え、両親の元に帰る日を待ち望むシュウシュウ。だが、定められた期間の6カ月を過ぎても軍から迎えは来ない。実は文化大革命は終焉を迎え、混乱した本部は彼女のことなど忘れていたのだ。事態がまったく把握できないまま、いきどころのない怒りをラオジンにぶつけていた彼女は、帰郷の念がつのるあまり、放牧地を訪れた兵隊崩れの青年の言うままに体を与えてしまう。それをきっかけに、成都へ帰れるように口をきくという口実で行商人、兵士、役人らが次々にシュウシュウのテントを訪れるようになった。次第に自分を見失っていくシュウシュウを見かねたラオジンは彼女の心を癒そうと骨を折るが、彼女には通じない。やがて厳しい冬がやってきた。身ごもってしまったシュウシュウはラオジンに付き添われ町の病院を訪れるが、彼女は冷たい視線を浴びる。耐え難くなったラオジンはシュウシュウを抱き抱えると、吹雪のなか、草原に戻っていく。シュウシュウはラオジンに自分を銃で撃って故郷に戻してほしいと頼む。ラオジンはそれを聞き入れ、彼女の遺体を草原に横たえると自らも後を追うのだった。

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映画レビュー

4.0締め付けられるよう

2023年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

勝手にキラキラした感じだと思ってたから、すっごい面食らいました。
じっさいは下放政策の元、その運命を狂わされた一人の少女の物語でした。
これが女優ジョアン・チェンの初監督作品だというのもすごい。
この政策、詳しくは知らなかったので少し調べましたがすごいですね。
都市部の若者が労働を学ぶため農村(というか辺境の地)へ送り込まれる政策。
皆再び都市へ戻る事を夢見つつも、実際は殆どがその農村で一生を終えているようでした。
その数10年で1700万人というから恐ろしい。
シュウシュウも革命を心に過ごすも、何時迄も軍から迎えは来なく、訪れてくるのは心無い男たちだけ。
一緒に暮らすチベットの男ラオジンも何もできず、苦しい気持ちがすごい伝わってきました。
次第に壊れていくシュウシュウの心が、観ていて辛かった。
そうして訪れた最後、こやっと二人の心が解放されたと願うばかりです。
締め付けられるような作品でした。

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白波

1.5下放の悲惨な現実

2015年5月24日
PCから投稿

最後の展開は納得できない。

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