11人のカウボーイ

劇場公開日:

解説

ゴールドラッシュで男たちが金を深しに行ってしまったため、牛の大群の輸送に困り果てた牧場主が、仕方なく少年カウボーイを雇い入れ、400マイルの荒野を横断していく。製作・監督は「華麗なる週末」のマーク・ライデル、脚色は、原作を書いたウィリアム・デール・ジェニングスとアーヴィング・ラヴェッチ、ハリエット・フランク・ジュニアの3人、撮影は「おもいでの夏」で、3度目のアカデミー賞を受賞したロバート・サーティース、音楽は「屋根の上のバイオリン弾き」のジョン・ウィリアムス(2)、編集はニール・トラヴィスが各々担当。出演はジョン・ウェイン、11人の小さなカウボーイには、ジョン・キャラダインの息子のロバート・キャラダイン、スティーブン・フーディス、ニコラス・ビューヴィ、A・マルティネスなど、ほかの共演は「ワイルドバンチ」のスリム・ピケンズ、「トパーズ(1969)」の黒人俳優ロスコー・リー・ブラウンなど。

1971年製作/アメリカ
原題:The Cowboys
配給:ワーナー
劇場公開日:1972年4月29日

ストーリー

突如襲ったゴールド・ラッシュのおかげで、男たちがみんなカルフォルニアへ金を探しに出かけたため、ダブル・オー牧場の主人ウィル・アンダーソン(ジョン・ウェイン)は困ってしまった。400マイル離れた鉄道駅の町ベル・フーシェへ、1200頭の牛を運ばねばならないのに男手が足りないのだ。困り抜いたウィルは、仕方なく少年たちをカウボーイ代わりに雇って出発することにした。彼が雇った少年は、デブ(アルフレッド・バーカー・ジュニア)、スチーブ(スティーブ・ベネディクト)、四つ目(ニコラス・ビューヴィ)、スリム(ロバート・キャラダイン)、ウィーディ(ノーマン・ハウエル・ジュニア)、チャーリー(ステファン・フーディス)などの11人だった。ウィルの鍛錬はきびしく、最初は興味半分で参加した少年たちの中には本気でウィルを憎む者さえ出始める。少年たちは、ウップンを払うためにウィスキーのビンを盗み、円陣を組んで回し飲みしたりした。ある日、岩の上にいた四つ目が牛の群れの中にメガネを落としてしまい、それを拾おうとしたチャーリーは牛の大暴走の下敷となり死んだ。不気味なインディアンの群れも出没している。それでもウィルは前進をやめようとはしなかった。沈着冷静な行動力と、長年西部の風雪に鍛えられた叡知と勇気は、知らず知らずのうちに少年たちに伝わった。少年たちは、人生とは何か、死とは何か、それらに打ち克っていく人間の力とは何なのかを教え込まれていった。ガミガミとうるさい頑固オヤジのように見えた彼が、実は無限にやさしい人間的な情愛にあふれた男であることが少年たちには理解できるようになってきた。やがてケート(コリーン・デューハースト)を先頭とする娼婦の一団と出会った後、牛泥棒ロング・ヘア(ブルース・ダーン)が現われたが、ウィルはロングをたたきのめし、そして卑怯なロングの背後からの銃弾に到れた。ロングは牛の群れをひき連れ意気揚々と引きあげていった。いまや父親同然のウィルを殺された少年たちが黙っている筈がなかった。少年たちは、今、大人になろうとしていたのだ。ガキと見くびっていたロング・ヘア一味を全滅させ牛を取り戻した。やがて400マイルの旅が終わろうとしていた。その日は少年たちが幼い心と体に別れを告げ、ウィルのようにたくましく人生を生き抜いていく男たちだけの世界に仲間入りする日でもあったのだ。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0少年達の一夏の大冒険

2023年4月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

楽しい

興奮

話が進むに連れて、雇い主から父親へと変わっていくウィル。相手を大人として扱う姿は、「良い子にしているのよ」と送り出した親たちと対象的。

牛泥棒たちの追跡に気づくところから、一気に緊迫感が増してくる。その身をもって強さとは何かを少年達に教えるウィル。最期、彼らにお前達は一人前だと伝える。

子供にとって、親や尊敬する人に一人前と認められる事はとても大切な通過儀礼だと思う。その後、少年達は牛泥棒から牛を取り戻して目的を果たすことを選択し、実行する姿は痛快。

ウィルや少年達の助けとなるナイトリンガーはとても良い存在感。

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komasa

3.5ジョン・ウェインが少年たちと牛追いの旅へ。なんかキャンプみたいで楽...

2022年8月8日
iPhoneアプリから投稿

ジョン・ウェインが少年たちと牛追いの旅へ。なんかキャンプみたいで楽しそうだ。こうして少年たちは成長する、そんな物語だと思った。
途中の事故には動揺した、どう報告する?責任取れるか?ところがどっこい、そんなどころではなかった。終盤、まさかの展開。この映画、主人公は少年たちだったのか!
確かに少年たちは成長した。覚えたのは人◯しだった(笑笑)
異色作だった、まあまあ面白かった。

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はむひろみ

4.5男らしさの伝承

2022年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

強くて優しくて、悪を憎む。

全く期待しなくて観たが、予想外に良かった。

牛追いに雇用した11人の少年たちを率いる主人公ウィル(ジョンウェイン)。

途中悪党が現れ、正々堂々と立ち向かったウィルは、卑怯なやり方で殺される。

11人の少年たちの前で。

『親は、子が親を超えることを望んでいる。』というセリフが印象深い。

親でもあり、子でもある自分。親の生き様をまじかで見てきたから感慨深かった。

真摯に子供に生き様を見せることは大事だなあ、。今の時代は難しいが

仕事中の親を見たら、子供にかなりのいい影響を与えるに違いない。

主人公の死後、たくましく牛泥棒をやっつけるシーンは素直に胸がすく感じ。

全編わかりやすく、上手くいきすぎだが、それだけにストレートに伝わるものがある。

娘にも見てもらいたい。

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藤崎敬太

4.0過去の西部劇スター

2019年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 昔のカウボーイは義理堅かったのに・・・と嘆くジョン・ウェイン。この嘆きも彼が老いたことの象徴なのであろう。もはや西部劇スターのイメージは薄れ、情感たっぷりにカウボーイを描いている。

 集まった少年たちにうんざりするウィルだったが、まずは荒馬にテンカウント乗っていられるかのテストをする。600キロの移動。学校で男の子だけに雇うと告げる。雇うことになった途端に、次から次へとムショ帰りの男たちが雇ってくれとやってくるが、最後に黒人男を一人だけ雇う。

 前半の山場は川を渡るシーン。牛の群れ、馬の背まで濁流に浸ってしまう様、壮大な自然と闘う幼き少年たちが見事にマッチしていた。ストーリー的にも、刑務所帰りの男が執拗に追ってきて少年を脅したり、少年の一人が落馬で死に至ったりと、かなり面白い。だけど、ウィルを殺されたからといって、子供たちに殺人をさせるのはどうなんだろ・・・ただ殺すだけなら問題なかっただろうに、最後は馬に引きずりまわさせたりするし・・・見方によれば、コアな作品なんだろうけど。

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kossy
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