シークレット(1971)

劇場公開日:

解説

平凡に毎日の生活を送っている親子3人の、ある1日のそれそれの体験を描く。製作はジョン・ハンソン、監督はTV出身のフィリップ・サヴィール。サヴィール自らの原案を基にローズマリー・デイヴィスが脚色。撮影はニック・ノーランドとハリー・ハート、音楽はマイケル・ギブス、編集はトニー・ウーラードが各々担当。出演はジャクリーン・ビセット、パール・オスカーソン、シャーリー・ナイト・ホプキンズ、ロバート・パウエル、トーカ・キングズ、マーティン・C・サーリーなど。

1971年製作/92分/イギリス
原題:Secrets
配給:ジョイパックフィルム
劇場公開日:1980年2月2日

ストーリー

ジャッキー(ジャクリーン・ビセット)とアラン(ロバート・パウエル)は、結婚して9年になり、l人娘のジョジー(トーカ・キングズ)はもう小学生になっていた。アランは失業中で、今日はコンピューターのプログラマーの試験を受けに行くことになっていた。ジャッキーとジョジーは、アランを送り出すとコインランドリーに行き、洗濯を始めた。回転する洗濯物を見ながら、ジャッキーは、自分の生活のことを考えていた。アランに対する情熱も薄れ、毎日をただ平凡に暮らして自分の一生が終る。彼女はジョジーを残し、思いたったように歩き出した。残されたジョジーは、洗濯物を持って来たレイモンド(M・C・サーリー)という少年と仲良くなり、彼の家に遊びに行くのだった。何の目的もなしに足早に街を歩くジャッキーの後を、一台の高級車がつけてきた。その高級車の主ラウル(パール・オスカーソン)は、秘書に連絡し、約束をキャンセルし、執拗にジャッキーを追い、公園ヘと入っていった。車からおりたラウルは、ジャッキーに少しの間話しをしたいと声をかけた。身なりのいい立派な紳士の突然の呼びかけに驚いたジャッキーだったが、彼女は黙ったまま歩き続けた。反応のない彼女の様子を見て、名刺を渡しラウルは車に戻っていった。あきらめかけた時、彼の車の電話が鳴った。それは何とジャッキーからのもので、喜び勇んで外に出ると電話ボックスにいる彼女を確認した。ジャッキーにとって、久しぶりに冒険の1日がはじまろうとしていた。一方、レイモンドの家に行ったジョジーは、その広い屋敷の中の温室畑で、レイモンドにキスをされた。幼ない彼女にとって、それは、父親以外の男性との初めてのキスだった。北欧作りのラウルの豪邸に着いたジャッキーは、その広いべッドルームで彼の妻の写真を見た。そして、その顔があまりに自分に似ているのに驚いた彼女に、ラウルは辛そうな顔で妻のことを語りだした。ラウルが深く愛していた妻は、病魔に襲われ若くしてこの世を去ったのだった。電話のべルでラウルが部屋から出ていった間に、ジャッキーは妻の写真に似せて化粧をし、部屋にあったドレスを着た。一方そのころ試験を終えたアランは、試験官のべアトリス(シャーリー・ナイト・ホプキンズ)とお茶をのみ一時を共に過ごしていた。妻を想い出させるために、愛撫をラウルに与えたジャッキーは、再び狭いアパートにもどっていった。家族3人のそれそれが秘密をもった1日。そして、その夜もジャッキーはいつものようにアランの腕に抱かれるのだった。

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