コックと泥棒、その妻と愛人

劇場公開日:

解説

あるレストランを舞台に、4人の男女の10日間の出来事をアイロニカルに描く人間ドラマ。製作はキース・カサンダー、監督、脚本は「数に溺れて」のピーター・グリーナウェイ、撮影はサッシャ・ヴィエルニー、音楽はマイケル・ナイマンが担当。出演はリシャール・ボーランジェ、ヘレン・ミレンほか。

1989年製作/イギリス・フランス合作
原題:The Cook, The Thier, His Wife & Her Lover
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1990年8月4日

ストーリー

フランス料理店“ル・オランデーズ”の一番の顧客は泥棒のアルバート(マイケル・ガンボン)とその妻ジョージーナ(ヘレン・ミレン)一行だった。金にものを言わせて夜毎、卑しい乱行を繰り返しているアルバートに、ジョージーナはうんざりしていたが、残忍な夫の性格を知る彼女は、恐怖で逃げ出すこともできないでいた。そんなある日ジョージーナは、常連客の学者マイケル(アラン・ハワード)と知り合う。お互い魅かれあったふたりはレストランの化粧室で抱きあい、やがて関係は深まってゆく。美しい料理を洗練されたスタイルで提供することしか興味のない、フランス人コック長リチャード(リシャール・ボーランジェ)はそんなふたりに情事の場所を提供してやるが、やがて彼らの関係はアルバートの知るところとなった。ジョージーナとマイケルは、彼の書庫で思う存分愛しあうが、ジョージーナの留守中にマイケルは、アルバートとその手下によって惨殺されるのだった。夫への復讐を決意したジョージーナは、リチャードに頼んでマイケルを料理してもらう。こうしてジョージーナは、人間の丸焼きとなったマイケルをアルバートに脅迫して食べさせ、そして夫を殺すのだった。

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映画レビュー

1.5醜悪イメージが残る映画だった…

2022年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

スタイリッシュな色の使い方な空間の描かれ方は素敵なのだが、なんともグロテスクで観たあとは醜悪イメージが残る映画だった。

この映画、公開年(1990年)のキネマ旬報ベストテン(外国映画)入りしたが、何故かこれまで未見だったが、「死ぬまでに観たい映画1001本」にも選ばれているので、ようやく観た。
でも、観なきゃ良かった…(笑)

序盤は、赤いライトで照らされた高級レストランの広い空間、そしてオーナーの妻がトイレに入って行くと白いドレスに変わって白いっぱいのトイレの空間とマッチした描き方が面白いと思った。

そして、レストラン・オーナーの妻(ヘレン・ミレン)が、夫の眼を盗んで、やはりレストランに来ている読書男との不倫にふけるあたりは「激しい性格の夫に見つからないかな?」と少しドキドキする展開も、なかなか楽しい。

しかし、終盤の展開は、自分が嫌いな流れになっていくので、全体的にイメージ悪し…。
好みの問題もあると思うが、自分には合わない映画だった。

なお、ヘレン・ミレンはフルヌードも披露して頑張っていたが、歳をとってからのヘレン・ミレンの方が良い感じがした。

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たいちぃ

4.0演劇の趣向が勝る映画美術の圧倒的なグリーナウェイの唯我独尊の世界

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

イギリス映画の鬼才ピーター・グリーナウェイの代表作。欲望渦巻くストーリーをグロテスクで色彩鮮やかな映像美で綴る独特な映画文法が確立した異端の映画。性欲や食欲から逃れられない人間の赤裸々な姿が映し出されている。映画と云うより、演劇の趣向が勝る映像作品。イギリスには、ピーター・ブルックやトニー・リチャードソン、ケン・ラッセルなど、伝統に対して挑戦的な作家を認める芸術の奥深さがある。前衛演劇よりは理解しやすいのが救いで、映画で描ける限界の辛辣なシニカルさに圧倒される。ここまで作家独自の映像美術を創作すれば感服するしかない。

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Gustav

4.0最後のもうひとひねりが無かったことは驚き

2019年11月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

衣装はゴルチエ。

大騒ぎで食べては便所
大騒ぎで食べては便所

「ここは豚小屋だ!」と叫ぶレストランのオーナーにして夫。
食欲と性欲と暴力だけの“豚小屋”が、実は人間のありのままの姿なのだと思い至ります。

混沌と悪臭の画面をかろうじて保たせるのはひしめく登場人物たちのまとうゴルチエの迫力。

ストーリーはB級。
最後には労働者階級が勝利するというあり得ないほど単純なフランス革命へのオマージュ。

しかし
ヘレン・ミレンはヘアヌードへっちゃらだし、
エキセントリック、ここに極まれれりだな。

実験劇場です、やれやれ。

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きりん

4.0カラフル

2017年9月22日
iPhoneアプリから投稿

グロいシーンもあるけど、ピーターグリーナウェイの鮮やかな色使いで、シーンごとに、真紅や漆黒、深い碧といったはっきりと世界が変わる感じが好き。

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ルービックキューブ
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