生きる(1952)

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劇場公開日:

解説

市役所の市民課長・渡辺は30年間無欠勤、事なかれ主義の模範的役人。ある日、渡辺は自分が胃癌で余命幾ばくもないと知る。絶望に陥った渡辺は、歓楽街をさまよい飲み慣れない酒を飲む。自分の人生とは一体何だったのか……。渡辺は人間が本当に生きるということの意味を考え始め、そして、初めて真剣に役所の申請書類に目を通す。そこで彼の目に留まったのが市民から出されていた下水溜まりの埋め立てと小公園建設に関する陳情書だった。この作品は非人間的な官僚主義を痛烈に批判するとともに、人間が生きることについての哲学をも示した名作である。

1952年製作/143分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1952年10月9日

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映画レビュー

5.0生きるって?

自分が癌だと知り、相談しようとしたとたんに、死別した奥さんの分にも増して愛して育てた息子に裏切られ、息子以外に何もない自分に気付く、仕事は右から左、書類に判を押すだけ、住民の声に耳を傾けない公務員、多かれ少なかれ、一般庶民は皆そう変わらない、耳の痛い話、だからといって主人公のように、人が変わったように住民のために公園をつくるような仕事をしろ、ということではなく、生き甲斐がありますか?主人公は息子が生き甲斐だったが裏切られ生き甲斐が無くなる?生きるとは?なんだろう?死が訪れた時に満足できること?人それぞれ価値感が違うから答えは無いかも。考えることが促される作品。最近、イギリスでカズオイシグロの脚本でリメイク。

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全国連加盟国不可侵条約締結、武装中立主義、多様性男女平等自由主義、5名作4良作3いい作品なので他は2以下です。

4.0人間の悲哀がひしひしと伝わる

2024年3月4日
PCから投稿

ただ日々を何事もなく過ぎさるのを
繰り返す。目的も目標もなく生きる。
妻に先立たれ、残された息子だけが
生きる生きがい。その息子も大きくなり
独り立ちし、嫁を貰い幸せを手に入れた。
生きがいもなくなり、日々が過ぎるだけ。

胃がんと悟り、今までの自分の人生を
振り返るが何も無い。何も成し遂げていない。
何のために生きてきたのかわからない。
何のために生まれてきたのか。
死ぬまでに生きたという実感を味わいたい。

究極の「生」というものを見られる映画。

70年も前の映画なのに
役所に対する捉え方が今と
変わらないことにゾっとしました。

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to

5.0残りの力で

2024年2月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 8件)
りか

4.0古き良き時代のファンタジー

2024年2月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

市役所市民課長が胃ガンの余命宣告され、それまでの死んだような仕事ぶり、人生を悔い、享楽の果てに自分のなすべき仕事を見つけ最後の命を注ぐ物語。主人公を演じる志村喬さんの表情、姿勢、セリフなど一つ一つが切なく胸に迫り苦しくなります。

黒澤明&橋本忍の体制への批判、皮肉に富んだ脚本、構成はやっぱりさすがです。ただ、主人公が愛情を注ぐ息子の設定がしっくりきませんでした。すでに成人し、結婚もしている息子へあれほどの慕情がわくのか。当時は子離れのタイミングはもっと早いのではないかとか。むしろ娘にして、初恋や結婚に揺れる設定だったらどうだったのかな~と思いました。

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sakaru
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