汚れなき抱擁

劇場公開日:

解説

ビタリアーノ・ブランカティの原作を、小説家ピエル・パオロ・パゾリーニと新進ジノ・ビセンティーニが脚色、「堕落」のマウロ・ボロニーニが監督したシチリア島を舞台にした風俗映画。撮影は「狂った夜」のアルマンド・ナンヌッツィ、音楽は「シシリーの黒い霧」のピエロ・ピッチオーニが担当した。出演は「81/2」のマルチェロ・マストロヤンニとクラウディア・カルディナーレのほかに、ピエール・ブラッスール、リナ・モレリなど。

1960年製作/イタリア
原題:Il Bell Antonio
配給:東和=ATG
劇場公開日:1966年12月30日

ストーリー

アントニオ(M・マストロヤンニ)の家は、シチリアのカタニアの町では、昔から女にもてる家系で富豪。女は誰しも彼のローマ遊学からの帰省を噂しあった。父親はバルバラ(C・カルディナーレ)という娘との縁談をもちかけた。それまで気のない返事をつづけてきたのに彼は写真を見ただけで、その清純さに心を奪われ結婚式をあげた。そして二人の甘い日々がつづいた。しかし一年ほどたったある日、突然二人は結婚は無効であるといいだし身内の神父に認めさせてしまった。傷心の彼は両親にも姿を見せなかったが、いとこのエドアルドにだけはそのいきさつを語った。アントニオはいつのころから、心から愛する女とはどうしても情事を行なえない男になっていた。相手を冒涜するという妙なあせりに似た心の動きだ。やがてバルバラは大金特のブロンテ公爵と結婚した。アントニオの父アルフィオは「男」の家系であることの証明をするため六十越して娼婦の家に出かけそこで死んだ。そんな時、突然生気がこの家を包んだ。女中がアントニオの子供を宿したのだ。“祝い”の電話をうけながらアントニオの胸に冷たい風が吹きぬけた。バルバラだけを愛しているのに。

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