ケイン号の叛乱のレビュー・感想・評価
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総合エンタテイメント
戦争映画と思ったら、法廷劇までオマケについて、さすが世界的ベストセラーの原作だけはあります
ストーリーがしっかりしているので、普通に撮れば絶対に面白くなるはずですが、この作品は内容のシリアスに比べて全体に明るめ、軽快に話が進むところは「第十七捕虜収容所」を想起させます。
ボガート選手はこういう憎たらしい役をやらせると抜群ですね。
いるいるこんな上司、スタッフ
映画は誇張だが、大なり小なりこういう組織の長は多い
身近に思い当たる例があると思う
そしてまた自分が艦長と同じような事をしていたり、士官達と同じ様に対応したりしていることに内心焦り冷や汗をかくと思う
あるある話が凝縮されている
そして前任艦長が優秀では無いにしろ如何にベテランであったかを知る
幹部候補研修に使いたくなる映画だ
映画としても良く出来ている
終盤の祝杯のシーン、ラストのアイアイサーは名場面だ
ハンフリーボガードの演技は流石だ
裁判での彼のシーンは圧巻
強い印象を残す
元ネタは、1935年にアカデミー賞を取った戦艦バウンティ号の叛乱
これも名作
ここからエッセンスを抽出して良くまとめています
戦艦上の複雑な人間模様
・これまでの艦長は当たりがキツいが情の深い性格だった、新しい艦長は体裁ばかり気にする偏執狂な性格
・海軍士官を中心に対立的になるが、嵐の中艦長を交代した大尉が軍法会議にかけられる
・物語のキーとなったイチゴ紛失事件(笑)の馬鹿馬鹿しさ
・模型や背景の合成丸出しはお愛嬌
あのボギーが偏執狂を好演
ハンフリー・ボガート。二枚目の代表のようなイメージがあったがこんな役もやっていたという驚き。・・とは言え、それほど彼の出ている映画を観たことがなく新鮮な気持ちで観れた。
クリムゾン・タイドでいうジーン・ハックマンの役柄に似ているのだが、『クリムゾン・タイドの元ネタ映画』の一言では片付けられないプロットが待っている。
「偏執狂」とはどのようなものかがよく描かれているし、ボギーの顔や手元がアップになるとその狂気と共に悲哀が伝わるのだ。
そしてボギー艦長の異常性を指摘したインテリ大尉と主人公を弁護する中尉の攻防や葛藤がラストにもう一段待っている。惜しかったのはボギーにばかり焦点が当たっているが、主人公ではなかったところか。それでもまた観たくなる映画ではある。
最後はいかにもアメリカ的だが弁護人グリーンウォルドの優しさがでていい結末。これぞアメリカ的正義。
スーザ風のマーチで妙に清々しく一件落着といった感じは拍子抜けな印象も受けた。時代背景もあるのかも。
士官たちはどうすればよかったのか
総合70点 ( ストーリー:75点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )
「クリムゾン・タイド」に似た社会派作品で、軍隊組織の規律や指揮官の指導力といったものが織り込まれていて、一体何が正解なのかを考えさせる見応えのある内容の物語になっていた。ただし士官たちの個性が薄くて登場人物の描き分けが弱いのが惜しい。時々合成画像が出てきたり模型が出てきたり時代考証の変な船が出てきたりはするものの、1954年制作のわりに天然色だし実際の軍艦を登場させていたりして映像はそれなりによく出来ていた。
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