狂えるメサイア

劇場公開日:

解説

第一次世界大戦により23歳の若さでこの世を去った天才画家・彫刻家アンリ・ゴーディエの伝記映画。監督はBBCTV時代の作品から映画まで、数多くの芸術家の伝記を、独自の切り口で描きつづけているケン・ラッセル。製作はラッセルとハリー・ベン。H・S・エドの原作を脚色したのはクリストファー・ローグ。撮影はディック・ブッシュ、美術はジョージ・ラーク、装飾は今や“ブリティッシュ・ニュー・ウェーヴ”の代表監督として知られるデレク・ジャーマン、音楽はマイケル・ガレット、編集はマイケル・ブラッドセルがそれぞれ担当。出演はスコット・アントニー・舞台出身の演技派ドロシー・テューティン、本作品が映画初出演となったイギリス演劇界の寵児リンゼイ・ケンプ、ほかにへレン・ミレン、マイケル・ガウ、エリナー・ファザンなど。

1972年製作/イギリス
原題:Savage Messiah
配給:ケイブルホーグ
劇場公開日:1987年9月19日

ストーリー

時は1910年。才能と野心にあふれた18歳の芸術家アンリ・ゴーディエ(スコット・アントニー)は、偶然出会ったソフィー(ドロシー・テューティン)に心魅かれた。38歳の彼女は、文章家を志してポーランドからやって来たのだった。若く情熱にあふれた彼は、唐突にもソフィーに結婚を申し込む。「芸術だけのつき合いにしましょう」と、ソフィーはアンリの求婚を断るが、二人の愛情はそうした事情とは別に、深まって行った。やがて、アンリの提案で、二人は田舎の彼の実家に出かけ、永遠の愛を誓い合うが、封建的で排他的な両親は彼女を町から追放しようとする。激怒したアンリは、ソフィーと共に町を飛び出し、ロンドンへ向かう。姉弟として暮らし始めた二人の生活は苦しく、また、ソフィーを熱愛するアンリは彼女に肉体関係を迫るが、SEXを異常に嫌悪する彼女は、拒絶する。しかたなく娼婦宿に出向いたアンリはそこで娼婦たちの裸体をスケッチして夜を明かすのだった。そんなある日、世界的美術商アンガス・コーキー(リンゼイ・ケンプ)が訪ねて来て、アンリの絵を、今後すべて引き受けたいという申し出をした。狂喜するアンリとソフィーだが、一方でアンリとの生活に疲れはじめていたソフィーは、職を見つけてポーランドへ旅立ってしまった。やがて、アンリの個展開催が決まり、ポーランドへ出向いた彼は、再びソフィーに結婚を申し込む。ロンドンへ戻ったソフィーは、しかし、アンリとは別々の部屋を借りる。1914年、第一次世界大戦が始まり入隊を決意したアンリは、出発前夜、またプロポーズをする。「個展が終ったら……」と繰り返すソフィー。しかし、1915年6月5日、アンリは戦死してしまう。その頃、ロンドンで開かれた彼の個展の賑わう鑑賞者の中に、涙にぬれたソフィーの姿があった。

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