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クジョー

劇場公開日 1984年4月7日
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ドッグ・デイ・アフタヌーン

勝手にキング原作映画特集2。

今回は『クジョー』!
原作本は『クージョ』のタイトルで出版されている。
ちなみにこの『クージョ』が漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第3部の
主人公の名前の由来らしいという素晴らしきムダ知識。

物語のあらすじはこうだ。
とある炎天下の昼下がり、
人里離れた修理工場に車の修理を頼みに来た若い母親とその幼い息子。
2人はそこで、巨大なセントバーナード犬の“クジョー”に襲われる。
ふとしたきっかけで狂犬病を患ったクジョーは、
飼い主である工場の主人やその周辺の人間を噛み殺してしまっていたのだ。
車内に隠れて身を守ろうとする母子を、
何かに憑かれたかのように執念深く狙い続けるクジョー。
運悪く、エンストで動かなくなる車。
じりじり上がってゆく車内温度。止まない襲撃への恐怖。
息子を守る為、母親は巨大な怪物に独り立ち向かう覚悟を決める……。

いわゆるソリッドシチュエーションスリラーとやらの先駆けとも言えそうなアイデアだ。
前半では主人公である母親が抱えるトラブルと、クジョーが狂犬病で変貌してゆく様を描き、
後半ではクジョーの襲撃を限定空間で描く。

血塗れ泥塗れのクジョーは、もはや犬ではなく化け物。
恐怖と熱射病のダブルパンチでみるみる憔悴してゆく息子の演技もゾッとするほど真に迫っている。
この悪夢のような状況、子を持つ親なら気が気でないはずだ。
B級映画だが恐怖感は十分。
原作と異なるラストは予定調和だが、まあ好きずきかな。

ただ、序盤のシーン(クローゼットの怪物)は原作を知らない方からすると、
その後の展開への繋がりが薄く、不要なシーンに思えるだろう。
また原作では、元来優しく腕白なクジョーが狂暴になってゆく自分自身に
戸惑う描写が随所で描かれていたのだが、
犬の心情描写を映像で表すのは流石に難しかったか。
クジョーが怪物以上の存在に見えないのが残念だ。

が、ひとつ印象的だったシーンがある。
クジョーの飼い主である少年(工場主の息子)が、
理性を失いつつあるクジョーを朝霧の中で見つけるシーン。
呼び掛けにも応じず、暫く少年を見つめた後、静かに霧の中へ消えてゆくクジョー。
まるで、少年に別れを告げるかのように。
夢のようにぼんやりと美しく、物悲しいシーンだった。
作り手はこの場面でクジョーへのシンパシーを示したかったのだろう。

馴れ親しんだ犬が元凶と化すという着眼点が光る佳作スリラー。

浮遊きびなご
浮遊きびなごさん / 2012年4月1日 / フィーチャーフォンから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  悲しい 怖い
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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